「サヨナラ」
僕は君に……
「サヨナラ」を言う。
「サヨナラ」と言っても別に君は悲しむ訳でもないし、困る訳でもない。
ただ僕は君に
「サヨナラ」と伝えたいだけなんだ……………
こんな事言ったら君は、気味悪いと思うだろうけど………僕はずっと君を見ていた。
君が楽しそうに話している所、悲しんでいる所、嬉しそうに笑っている所、全部僕は見ていた。
そんな君に僕は惚れてしまったんだ。
しかし僕にはそれを君に伝える勇気がなかった。
それを伝えられないまま長い月日がたってしまった。
僕は何も出来ないまま、君を遠くから君を見る事しかできなかった。
しかし君は、そんな僕の熱い思いを知らず、別の男と恋に落ちてしまった。
僕は悲しんだ。とてつもなく深い闇に飲まれたような感覚だ。
いつしか僕はその男に強い怒りを覚えた。
なんだか自分の所有物を勝手に取られたような気分になっていた。
「許さない。許さない。僕の物に勝手に触れるな!!許さない。許さないぞ。殺してやる。殺してやる。」
次の日君は悲しんでた。
あの男が死んだからだ。
これでまた君は僕だけの物になった。
「安心。安心。」
しかしまた別の男が来たらどうしよう………そう思うと僕は、急に焦った。
なんとかしなくちゃ!
君は僕の物だ。誰にも渡す訳にはいかない。
その時、僕は思いついたんだ。君をずっと僕の物に出来る方法が………
美咲は突然自分の家にあらわれた男の言う事を呆気に取られて聞いていた。
「貴方誰?何なの?」
男は美咲の質問を無視して続けた。
「でもその方法をする前に君に
「サヨナラ」を言わなくちゃならないんだ。だから言うよ、
「サヨナラ」」
次の瞬間、男は隠し持っていたカナヅチで美咲の頭を殴った。
美咲は気を失った。
男はすぐに倒れた美咲の首に喰いついた。
小さな断絶魔が家の中に響き渡った…………
男は美咲の肉を喰いちぎり、残らず食い尽くした。
「寂しいかったよ。これでずっと一緒だね、君は完全に僕の物になった…………」
男は冷たく笑った。
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