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いつでも  作者: 木間居 鶉
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手紙

"あたりまえに傍にいる"

でもそれは特別な事なんだと気づいた

そんなきっかけはいつも君だった。

 一度大切なものを失ってしまうと何に対しても臆病になってしまう。


 僕は先日、妻に先立たれた。2歳になる娘と僕を残し妻は病気でこの世をまだ21歳の若さで去った。

それは昨日のような気がするほど僕は呆然とただただ日々を過ごしていた。僕はまだ兄弟たちに支えられなんとか立っているような状況だ。

―――これからどうすればいいのだろう。

娘のことでどうしたらいいか分からずそんなことを思っていた。不安を悟られたくなくて一切顔を合わせていない。・・・いやそれ以上に娘と妻はとてもよく似ていて、顔を合わせてしまえばあの子のことを思い出し娘の前で泣き崩れてしまうだろう。それが情けなく思って未だに会えずにいた。


 いろいろと落ち着いてきた頃、いい加減娘に会いに来いと弟たちに呼ばれ実家に帰ることになった。娘は兄弟たちが住む実家に預けてある。実家には7人の弟が住んでいて娘の面倒をしばらくみてもらっている。

正直、会いにいくのは少し気が引けた。落ち着いたとはいえ娘を見てしまえばまた思い出してしまうのではないかとか、最初は断ろうと思った。しかしそんな思いとは違いいつの間にか行くと返事を返してしまっていた。

 出かける準備を整えて家を出ようとしたとき、たまたま鍵をテーブルの下に落としたので拾おうと潜り込んだ時にテーブルの裏に手紙が貼り付けてあったのが目に付いた。気になってはがしてみると宛名には僕の名前と娘の名前が書いてあり差出人欄には妻の名前が書いてあった。




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