発見したメモ。
僕とキイチさんは、依頼を遂行すべく行動を開始した。
「まずはどうするんですかぁ?」
だって、両親さえ判らないんですよ?行き先。
「ドアホ。失踪当日の足取りを追う。行くぞ。・・・カナメ、何食ってんだよお前。」
モフモフ。
あ。だって、このモフモフロールって、最近流行りなんですよ?しかも一日限定三十個!!
並びましたよ!僕は。念願叶って、やっとGETしたんです。
「キイチさんの分も・・・モフ。ありますよ?・・・モフモフ。」
い・・・痛いです。キイチさん。暴力反対です。
ちっ、とキイチさん。結局、食べるんじゃないですか。
「カナメ、コーヒー。モフモフ。」
モフモフロールを食べ終えたので、改めて行動開始!!
「まずは、自宅ですね?」
と、いう事で美咲の自宅(つまりは、依頼者の自宅)へ向かった。
美咲の部屋まで母親に案内されて、ドアを開ける。
美咲の部屋は、白を基調にした清楚なお嬢様といった感じ。
「やっぱり、大手の令嬢となると、すごい部屋ですね。」
と、僕。
キイチさんは、ぐるりと部屋中を観察する。
「これか、メモ。」
キイチさんがぼそりと呟くのを聞いて、僕もその手元を覗きこむ。
すると、大きめの付箋紙に”西城探偵事務所 XXX-XXX-XXXX”と書いてあった。
近くには、何も書いてない付箋紙綴りが置かれていた。
キイチさんは、付箋紙綴りを手に取ると、じぃっと見てから鉛筆を要求してきた。
「え。鉛筆・・・・あ、これでいいですか?」
と、僕はミニ色鉛筆をバッグから取り出して、キイチさんに手渡す。
「・・・レインボー・・・・。」
そーですよ。レインボー色鉛筆です!!画期的じゃあないですか。
僕、気に入ってるんですよ。って、なんでそんな冷たい目で見るんですか?
まあいい。と、キイチさんは色鉛筆で、一番上の付箋紙を塗り始めた。軽く全体に色を乗せる感じだ。
僕がその作業を首を傾げて見ていると、色鉛筆を置いたキイチさんは、また付箋紙をじぃっと見つめた。
色の出具合が気に入りませんかね?
「・・・○○マンション 2/18 23:30・・・。」
ん?なんですか?十八日って、美咲さんが事務所に来る約束をした日の前日じゃないですか。
僕が、教えてくれるのを待っていると、キイチさんは付箋紙の一番上を剥がし、それを持って部屋を出て階下へ降り始めた。
う。置いてきぼりです。
待って下さいよ~。キイチさーーーん。
そのまま、美咲宅を辞して何処かへ向かったキイチさんを追う。




