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葬祝  作者: 紀之介


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4/5

たダいマ


「今回の<葬華>も、無事に終わって何よりでした」


 4日後の深夜の廊下。


 自分の斜め後ろに続く相手に、ソカは微笑んだ。


「お帰りなさい」


 スアは、満面の笑みで答えた。


「ただいまです」


----------


「改めて、お疲れ様でした」


 スアが体をソファに沈ませるを待ってから、ソカも腰を下ろす。


「どんな感じですか? その新しい体は」


 顔を緩ませるスア。


「この5周期の体、最高です♪」


 自分の頭に右手を当てながら立ち上がる。


「ほら。見てくださいよ、この背! こんなに伸ばしてくれたんですよ!!」


 スアの左手は、自分の胸の前近くの空間に移動した。


「あと、ここも成長させてくれたんです☆」


 自慢げに胸を張る。


 その視線は、斜め下で微笑む人物の顔から胸の辺りに移動した。


「…」


 唇を噛むスア。


 力なく腰を下ろし、再び体をソファに沈ませた。


「……でも………まだ…………ソカ姉様には……………負けてますねぇ」


----------


「人格情報の移動処理に──」


 ソーサーに、ソカのティーカップが戻る。


「問題はなさそうですね。安心しました」


 スアは笑顔で、自分のティーカップの持ち手に手を伸ばした。


「はい☆」


 持ち上げられたカップが、口に近づく。


「<葬華>の担当者さんも、大丈夫だって言ってくれてました☆」


 もう少しで端が唇に着く寸前で、スアはその動きを止めた。


「もしかして『あなたは、相変わらずですねぇ』って意味で言ってます?」


---------- 


「なんで、脳に情報を入れる時に」


 お茶を全て飲み干したスアは、空になったカップをテーブルに置いた。


「私の人格情報だけでなく、色々な知識とかも書き込んだら良くありません?そうすればもう勉強とかも不要に出来るじゃないですか??」


 自分のカップも空だったソカ。


 再び2つのカップをお茶で満たすべく、テーブルの端にあるティーポットに手を伸ばした。


「それは── 人格情報を破壊してしまう事になりますから、禁止されてるんですよ」


「え?!」


「勝手に知識情報を付加した場合、人の脳には、それが経験で得たものか勝手に増やされたものか判断出来ません。結果的にそれは、人格情報の肝である経験や思い出を改変してしまう行為ですから」


----------


「ところでぇ──」


 3杯目のお茶を飲み干したスアが、上目遣いでソカを見る。


「明日は…<替祝>ですよね?」


「はい」


「なのでぇ……前に、私がお願いした件をぉ」


 頷くソカの姿を目にして、スアが顔をほころばせた。


「やったー☆」


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