おワかレ
その日の夕方の玄関ホール。
スアは見送りの少女たちの前に立った。
特に仲の良かった数人が、その近くまで駆け寄る。
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「どうこれ」
「スアはやっぱり、ここ一番はその服を選んじゃうかぁ」
「うん。物凄くお気に入りだし♡」
「その服を着たスアを見るのも、これが最後だねぇ」
「まあ残念だけど、仕方ないよぉ」
「だよね。スアはその体と、今からお別れなんだもん☆」
「そうだね♪」
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「おー 早速着てくれてるじゃん。私のあげた服!」
「スアのお見送りだから、着てきたよぉ」
「こんなに可愛い服が捨てられちゃうのは嫌だったから、皆が貰ってくれて嬉しい☆」
「だってぇ、誰にも着られないと処分されちゃうじゃん。こんなにセンスがいい服がそうなるの、もったいないもん」
「ありがと♪」
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「申し訳ありませんが──」
<葬華>の迎え人が、口を開いた。
「そろそろお時間ですので」
言葉が耳に入り、周りとじゃれるのを止めるスア。
急いで、近くの数人と交わす握手やハイタッチ。
それが終わると見送りのた少女たちから離れ、出口方向に歩き出した。
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「行ってきます」
迎え人の前で立ち止まるスア。
くるりと笑顔で後ろを向くと、上げた右手を見送りの少女たちに振った。
「皆。私の体、楽しみにしててね♪」
目を潤ませる少女たち。
それを誤魔化すかのように、皆がスアに手を振り返した。
「「「行ってらっしゃい☆」」」




