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葬祝  作者: 紀之介


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2/5

じブんノばン


 正午。

 

 宮の南にある、花が咲き乱れ蝶が舞う花園。


 <葬祝>は、そこで行われた。


----------


「では、スアさん」


 ソカが、主賓席に顔を向ける。


 挨拶の言葉を頭の中で確認しながら、スアは立ち上がった。

 

「今日はついに、私の番の日です」


 顔に、笑みが浮かぶ。

 

「この体で過ごした宮での3年間、本当に楽しかったです」


 一通り、自分の言葉を聞く少女たちを見渡すスア。


 自分の目に滲んだ涙を隠すかの様に、勢い良くお辞儀した。


「皆さん。自分の順番の日まで、健やかにお過ごし下さい」


----------


 感極まった沈黙。


 涙目の少女たち。


 誰もが、スアから目を離せないで固まっていた。


 が、それはソカの言葉で破られる。


「それでは皆さん。<葬祝>のお食事、謹んで頂きましょう」


----------


 ざわつき出す少女たち。


 各々が目で、テーブルの上を確認する。


 そこにあったのは、花をモチーフにした<葬祝>の特別な料理だった。


 皆の顔が緩む。


 手をナイフとフォークに伸ばそうとする少女たちの動きを、ソカの声が止めた。


「はい、皆さん落ち着いて。料理は逃げません。まずはハンカチを取り出して涙を拭く事を わたくしはオススメします」


----------


「本当に美味しいよね。<葬祝>のお料理」


「毎日、食べたいかも」


「いつもの食事も、不味くはないんだけどねぇ」


「まあ、仕方ないよね。必要な成分が含まれてるらしいから」


「<葬華>で、私達の体を処理し易くする成分だっけ?」


「だからか、微妙に不思議な味と言うか違和感あるよね??」


「そう言うものだと、思って食べてるからの可能性」


「錯覚? 思い込み?? プラシーボ効果???」


「「「…うーん」」」」


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