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葬祝  作者: 紀之介


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1/1

きョう


 宮の北側にそびえる時計塔。


 長針が1/60だけ動く。


 時計は、短針が示す数字を宮全体に告げるべく、鐘の第1音を響かせた。


----------


─ ボォオーン ─


 宮の講堂の出入り口付近。


 そこで、ワチャワチャとじゃれ合っていた少女たちは慌てだす。


─ ボォオーン ─


─ ボォオーン ─


 皆が弾かれたかの様に、自分の席に向かって移動を始めた。


─ ボォオーン ─


─ ボォオーン ─


─ ボォオーン ─



 何とか、自席にたどり着く少女たち。



─ ボォオーン ─



 そのタイミングを見計らったかの様に、彼女たちよりは幾分年長に見える少女が入室した。


─ ボォオーン ─


─ ボォオーン ─


----------


「今日の<葬華>は、スアさんでしたよね?」


 刻を告げる鐘の9音目。


 その余韻が消えるのを待って、ソカは演台で口を開いた。


 頷きながら、スアは自席で立ち上がる。


 目だけでそれを確認したソカは、他の少女たちに見渡した


「では皆さん。お祝いしましょう」


 少女たちは、パラパラと手をたたき始める。


 その拍手の音は、ひとつに大きくまとまった。


 スアは満面の笑みで、その場で軽くお辞儀する。


「みんなぁ、ありがとね☆」


----------


「ソカ姉様」


 拍手が収まるのを待ってたかの様に、少女のひとりが手を上げる。


「なら…今日のお昼は……」


 期待のこもった顔に、ソカは頷いた。


「はい。当然、<葬祝>です」


 既に座っていたスアも含め、全ての少女たちが一斉に立ち上がる。


「やったー♪」


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