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溢れ出る
大晴の病院が突然休診になり、
香絵はなす術がなくなっていた。
大晴に会えなくなってから少し日が経っていた。
香絵の大晴に対する想いは募っていた。
大晴に無性に惹かれるが、それは駄目な気持ちだと
分かっていた。
しかし、会えない日が続いていくにつれ、
恋心が完全に芽生えてしまっていた。
頭では駄目だと言い聞かせているのだが、
心がそれに抵抗するように大晴への恋愛感情が
溢れ出ていた。
香絵は不思議だった。
普通、会えない日がしばらく続けば
自然に気持ちも薄れていくものだと思っていた。
今までの恋愛の経験上でもそうだった。
でも大晴は違った。
会えなければ会えないほど、恋しさが増すのである。
今、あの人はどこで何をしているのだろう。
元気なのだろうか。
香絵は四六時中大晴のことが頭から離れなかった。
ずっと大晴のことを考えていた。
それは完全に執着になっていた。
しかし自分でもこの気持ちをどうすることも
できなかった。
消せない想いである。
それだけは確かだった。




