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40.学園祭

学園祭当日。


生徒会役員はそれぞれ護衛を連れて巡回している。

俺はダンテと。

警備目的ではなく運営上のトラブル等がないかを確認するのが目的だ。


「こうした祭りは初めてか。」


「ええ、初めてです。」


「俺もだ。」


「…。」


「出し物のチェックも兼ねてるから寄った場所で食べたり中に入ったりするからな。」


「はい。」


クラスの出し物の他に学園周辺の店からも出店しているため結構出店は多い。

俺だけでは食べきれないためダンテにも手伝ってもらう。


「ワッフルサンドを1つ頼む。」


まずは俺のクラスからだ。


「おまたせしました、どうぞー。」


「ありがとう。」


お代を渡すと次に向かいながら一口食べた。

濃厚なカスタードと焼きたてのワッフルがすごく合って美味しかった。

もう一口食べてからダンテに渡した。


「まだまだ店は多いからな、手伝ってくれ。」


ダンテは手に持ったワッフルを見つめていた。

ダンテは甘いものも好きだったと思うが。


「次はフランクフルトかな。って、甘いものより先にこっちの方がよかったよな。」


「あっいえ…。」


「甘味系が多いから、間に塩味を挟んだ方がいいかもって思ったんだ。

間違っても捨てたりしたくないからな。ダンテの胃袋に期待しているぞ。」


「はい。」


甘味は取っておきたいと思っているのかと思ったがなかなか食べようとしない。

大きい体に似合った食欲を時折披露していたから、片っ端から食べるかと思ったがそうではないようだ。


「俺の食べかけを渡してごめんな。昔は普通に食べてたから気にしてなかったんだ。ダンテが先食べるか?それか、切り分けたりしてもらえるかな。」


クレープ、ホットドッグとか分けにくい物ばかりだな。


「いえ、それは全く問題ありません。後でゆっくり食べようかと…。」


貴族ではなくても普通は歩きながら食べないし、座って食べたかったのだろう。


「そうか。それなら一旦どこかで休もうか。」




休憩を挟んで出店を一通り回った後、お化け屋敷に来ていた。


「暗いところは大丈夫か?」


「はい。」


「そっか、中にいる間だけでいいから掴んでてもいいか。」


「はい。」


なんか今日はいつにも増して仏頂面というか反応が薄いな。


「…俺達の順番だ。行こう。」


「はい。」


真っ暗だが少し先に灯りが見えた。

あそこを目指すんだろう。

前世では大丈夫だったのだが今はなぜか苦手になってしまった。

…怖がりというほどではない。

少しだけ御守り代わりが欲しかったのだが、どこを掴もうか少し迷っていたら手を握られた。


「行きましょう。」


突然のことで驚いた。

道中の驚き要素、巡回の目的すらも全部吹っ飛んだ。

俺はダンテに手を引かれるがままに、ただ後ろをついて行っていた。

ダンテの少し汗ばんだ手はとても大きく温かかった。


心臓がバクバクと鳴っていた。

暗闇のせいか手を急に握られたことへの驚きからか。


出口に着くと手は離された。


「あ、ありがとうな。おかげで中でも平気だったよ。」


「いえ、こちらこそ。」


相変わらず思考が読めないが、護衛として危険がないように庇ってくれていたのかもしれない。

そうだとするとやはり過保護だと思うが。


「楽しめているか?仕事の延長とはいえこうして見て回ることができてよかった。これなら入学前にリカルドも連れて来たらよかったな。」


「…はい、そうですね。」


ダンテとはもうかれこれ3年以上の付き合いになるが、彼のプライベートでの姿をほとんど知らない。

相談とかも…まあ、年下の俺にはしないか。

友人や…恋人の前だと違う姿を見せたりするのだろうか。


…俺が家を出て雇用関係がなくなった時には友人になれるのか、過去の主人として忘れられてしまうのか。

卒業するまでには彼らの今後の意向について聞いておかないといけないな。


そんなことを考えながら夕方を迎え、学園祭は平和なまま幕を閉じた。


ちなみに今年は過去10年の中で最も入場者数が多かったそうで、出店が早めに売り切れていた。

王子が直接関わった出し物はなかったが、それでも王子入学による効果は大きかったようだ。

来年は生徒会での出し物や後夜祭の企画も考えている。

これらは学生、一般人どちらも最も要望が多かったのだ。

出店での売上の他に寄付も相当集まったらしく、来年は期待に応えないといけない。

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