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35.生徒会

生徒会定例会の日。

新体制のお披露目間近のため、方針や当日の流れ等話し合うことは多かった。

王子が新生徒会長として指揮をとり、アンナや先輩役員がフォローする完璧な流れができている。

途中合流の素人ができることは…邪魔をしないよう行く末を見守ることだ。

ひとまずお披露目関連で俺は何もすることはないらしい。

当日名前を呼ばれたら登壇するだけで、挨拶は新会長の王子だけするようだ。


だが今回の本題はこれからだった。

新生生徒会の初仕事は学園祭。

学園外にも開放されるため、警備の手配だったり、宣伝、各クラスの催しに取りまとめなどもおこうなう必要がある。

最終指揮は生徒会長がとるが、直接担当を割り振ったり承認するのは副会長の仕事だった。

アンナは渉内、俺は渉外担当に分けることになった。



俺の担当は警備や広報が主な管轄になる。

一通り手配が終わったらアンナ側を手伝う手筈だ。

今年は幸いにも王子のおかげで王宮騎士団が普段から駐在しており、見知った顔も多いため話を通すのは容易だった。

広報についても昨年の経験者がおり、一任することにした。


その他にも担当者に都合の良い人がいたおかげで自分がすることはほとんどなく拍子抜けした。

すっかり手持ち無沙汰になった俺は生徒会室に戻り、これまでに決まった担当等を王子に報告した。


「ルシオ、生徒会初めてだよな?」


「ああ、一応は。」


「アンナと相談して、急だったし移行期間もないルシオは慣れるのも仕事も時間もかかるだろうからって、仕事を少なく振ってまず慣れてもらう予定だったんだ。慣れるどころかあっという間に終わらせてきて驚いたよ。」


「アダルがいなかったら警備の方は大変だっただろうけど、普段の延長だったから騎士団長経由で話を通してもらってるだけだし、広報関連は宣伝や貴族への招待状作成も昨年経験の先輩が指揮をとってくれてるからね。俺は声掛けしただけだよ。」


まあ、何も知らない15歳だとすると多少不自然かもしれないが、

前世で30年以上生きて、社会人もやってた俺からするとただのお使いみたいなものだ。

仕事したうちにも入らない。


「そ、そうか。それならアンナの方も手伝ってやってくれ。これから各クラスの出し物の企画書を提出するよう担任の先生経由で通達してもらうからな。昨年の定型分はそのまま転用して問題ないだろうが、念のため確認しておいてくれ。」


「わかった。」


「クラスの出し物何になるんだろう。お化け屋敷とか人気があるからくじ引きだろうな。」


「いずれ国王となる王太子殿下がいるから普通の出し物じゃつまらないよ。」


「期待値が高すぎて何もできないだろ。」


「あはは、準備ができたから先生のところに行ってくる。」


「あ、ルシオ。諸々終わったらまたここに戻ってきてくれ。話がある。」


「ん?ああ、すぐ終わるだろうし戻ってくるよ。」

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