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29.自己紹介

「イヴレーア王国の第2王子のアダルベルト=イヴレーアだ。

今は同じ学園で学ぶ者同士、名前で呼んでくれ。」


拍手と同時に歓声も聞こえる。

さすが眉目秀麗な正統派王子、既にファンも多い。


「カロリング公爵家長女、アンナ=カロリングと申します。

わたくしも気軽にアンナと、名前で呼んでくださいませ。」


王子の時と同様、拍手と同時に歓声も聞こえる。

彼女の代名詞ともなっている赤く長い髪が美しい。

一見気が強そうに見えるが、それは彼女がスタイルも抜群で色気を纏った美女だからだ。

ゲームでは悪役令嬢だったが、ライバル不在の今は真っ当な才女として王子に負けず劣らず男女共にファンが多い。

彼女は婚約者候補の1人だが、他の公爵令嬢など候補は複数いるが家格が低かったり年齢が若すぎるため、万が一の際の予備のような扱いだ。

聖女も:主人公(ヒロイン)も不在の今はほぼ確定したようなものである。


貴族は家格の順に挨拶をするため次は俺の番だ。


「アルタヴィラ侯爵家の次男、ルシオ= アルタヴィラです。

私も気軽に名前で呼んでいただけると嬉しいです。」


控えめな拍手に隠れて小声で話す声が聞こえる。

なんだ早速陰口か?そんなことされる謂れはないはずだが。


「俺はバルベリーニ男爵家の長男エリオット=バルベリーニ。ルシオとは幼馴染だ。」


なんだその自己紹介は。

一瞬の間があった気がするが拍手が送られた。


その後、貴族以外は名前の順に自己紹介をしていった。

初めに担任の自己紹介もあったがカルロではなかった。


自己紹介を終えると今日はこのまま解散となった。

解散と同時に王子とアンナの席に人だかりができていた。

一応挨拶を、と思ったが明日にしよう。


「今日は弁当じゃないんだ。リカルドが準備して待ってるから俺の部屋に行こうか。」


「ああ。」


ダンテに声をかけ教室の外で控えていたダンテとも合流して部屋に戻ろうとして思い出した。


「ごめん、入部手続き忘れてた。」


「それじゃ俺がルシオの分も一緒にやっておくから、先に戻っててくれ。」


「そうか、ありがとう。部屋はわかるか。」


「ああ、迷うほど部屋もないしな。」


そう言うとエリオットは教員棟へ走っていった。



俺は部屋に戻るとエリオットは遅れることをリカルドに伝えた。


「承知しました。昼食は本日軽めにしておりますので遅くなっても夕食には影響はないと思います。本日の夕食は入学のお祝いで多めに準備いたします。


「そうか、ありがとう。夜も楽しみだな。」



コンコン


エリオットか?やけに早かったなと考えているとリカルドがドアを開けた。

するとそこにいたのはカルロだった。


「カルロ先生!わざわざ部屋にお越しいただいたのですね。」


「ルシオ様、ご入学おめでとうございます。先ほど教室に挨拶で伺ったところ既にいらっしゃらなかったようなのでお部屋かと思い来てしまいました。」


リカルドに目線を送るとこくりと小さく頷いた。


「立ち話もなんですし、ご一緒に昼食はいかがですか。


「よろしいのですか、これから学園で会えるわけですし…。」


「この後エリオットも来ますが、それでもよろしければ問題ありませんよ。」


「それではせっかくですのでご厚意に甘えさせていただきますね。」


リカルドが席まで案内する。


「ルシオ様はどの部に入るか決めたのでしょうか。」


「はい、エリオットと園芸部に入ろうかと。エリオットは今入部の手続きをしに行っています。」


「そうでしたか。ちなみに生徒会はいかがですか。官僚目指しているのであれば非常に良い機会だと思いますよ。」


「忙しそうですし、勉強も含めて学園生活を楽しみたいのです。それに生徒会は入ろうと思って入れるものでもないですから。」


「確かに複数人の推薦は必要になりますが、私はもちろん、殿下もいつでも口添えしてくださるでしょう。」


王子のそれが困るんだ、という言葉は飲み込んだ。



コンコン


しばらくしてようやくエリオットが来た。


「すまん、顧問の先生が見つからなくて時間がかかった。 あ、カルロさんこんにちは。」


「こんにちはエリオット様、先にお邪魔しております。」


「さっき挨拶にいらっしゃって、せっかくなら一緒にって俺が誘ったんだ。」


「そっか、まあ俺もご相伴にあずかる身だからな。」


エリオットが席についたタイミングでリカルドが3人分の食事を並べ始めた。



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