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25.家庭教師

秋のある日。


今日はカルロが家を出る。

学園に入り本格的に準備をするためだ。

父や母、兄も見送りに来ている。


「ルシオ様、では学園でお待ちしております。

私の部屋に残している本はルシオ様の今後の自習に役立ちそうな資料ですのでご活用ください。」


「カルロ先生ありがとうございます。また半年後お会いしましょう。」


見送り後、カルロの部屋に行ってみると結構な数の本が机の上に置かれていた。

聖女についての近隣国を含めた伝記などもあった。

結局ゲーム内の聖女に関する有益な情報はなかったが、伝記や歴史の自体が面白く興味があったため集めてもらっていた。

他にはヴィゴーレ王国に関する本、外国の食文化についての本もあった。

ヴィゴーレの本はリカルドのため、食の本は和食のヒント探すためだ。

さらに俺がこれまでの授業で食いついた内容の本も揃っている。

ここまでピンポイントで押さえてくれているのはさすがだ。


ふと、机の端に封筒が置いてあることに気がついた。

中を見てみると手紙のようだった。

宛名の記載はなかったが、このタイミングで俺が部屋に来るのも見越したうえだと思うので読んでみることにした。



…驚いた。

手紙にはリカルドについて書かれていた。

内容を要約すると、彼が年齢や名前、身体的特徴やヴィゴーレの王子だと思われるが、記録上は討たれたことになっていることだ。

この国や家を害する意思はなさそうだが意図的に隠していると思われ、本人からの申告がない限り無闇に故郷の話をしない方がいいとも書かれていた。

もし事実であれば、家名も含め過去をあまり語らないこと、武術の覚えや教養があり、貴族じみた所作が垣間見えたことにも説明がつく。


まさか王子が俺の下で執事としてこき使われているなんてな…。

嫌々やってるようには見えないし様子を見よう。

理由は違ったが国賓を迎える規模の催事は避けていてよかったかもしれない。

人の多いところにも極力連れて行かない方がいいかな。

国規模の問題になりかねないため早い段階で知れてよかった。


ヴィゴーレの本はどうしようか…ひとまずこの部屋にあるということだけ伝えて、本人の意思で読めるようにはしておこう。



そういえばカルロ、ダンテ、リカルドもゲームでは攻略対象だったが、他の3人とは違い全くそういうアプローチはないな。

特にカルロは家庭教師としての接触以外は全くなかった。

最初は警戒してしまっていたが、あまりにも普通だったため気づいたら気にしなくなっていた。

主要キャラが2人も消えるくらいだし、攻略対象が興味を持たずに終わることもあるだろう。

もしくは彼のルートは主人公が口説き落とすタイプなのかもしれないな。


心労の原因が減ることは非常にありがたい。

悪意に比べ好意の方が拒絶しづらく俺の精神消耗するからだ。


リカルドも不穏要素が発覚した今、家族以外の身近な人間で安心していられるのはカルロを除くとダンテだけかもしれないな。

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