〜突然〜
あの日は、とても綺麗な青空の日だった。当たり前にある一日だと思っていたが今思えばその日から日常が変わり始めたと思う。
高校を卒業して3年が経ち仕事にも慣れてきた。私は、あるスーパーで働く店員だ。主な仕事内容は商品の陳列、商品の棚に掲示するポップ作り、レジの対応である。レジの対応はいつもではないが人手が足りない時に行う。
商品を陳列するエリアは店員によって異なるが私はほとんどのエリアを任せられていた。
「ここ終わったら次牛乳の品出しお願いね」
上司が指示を出してくる。いつものことではあるが職場に不満があるかと聞かれたら否めないのは事実だ。休憩の時間に求人サイトを見るが、自分に合った仕事はなかなか見つからない。「今のままでいいのか?」そんな疑問がいつも頭の中にあった。
そんなある日、お店に万引きGメンより連絡が入った。このスーパーで万引きしてると思われる客がいると。しばらくすると万引きGメンに連れられた男が事務所にやってきた。
私は、彼を横目で見ていた。
「盗んだものを出しなさい!」
そう店長に言われポケットに手を入れ盗んだものを出していく。菓子パン…おにぎり…チョコレート…次々と出していき全部で7品程盗んでいた。
彼の表情はずっと変わらないままだ。少し猫背気味のその姿は何か事情があるかのように思えた。時計を見ると午前11時を指していた。しばらくすると、警察がやってきた。警察が彼に簡単に話を聞くと二人で、事務所を出て行った。その時、彼と私は目が合った。私はドキッとした。
なんだか心の奥が読まれているような気がした。
終業時間が近づいていく。私はその日どの仕事をしていても彼の表情が頭から離れなかった。タイプという訳ではないが、今どんな取り調べを受けているのか気になって仕方がなかった。
牛乳が入った正方形型のケースを6箱台車に乗せて運んでいる時、うっかり倒してしまった。どうやら台車のタイヤが上手く回らずブレーキが掛かってしまったようだ。
「大丈夫?」
同じエリアを担当している小林さんが声をかけてくれた。
「はい、大丈夫です」
私はそう言うと、立ち上がり床に倒れてあるケースと牛乳を拾った。
バックヤードに行くと、社員の2人が話をしていた。
「このお店も物騒になったね。万引きなんて今までなかったのに」
「万引きGメンを雇って正解だったけどこれまでもバレてないだけで万引きとかあったんじゃない?」
「怪しい人は頻繁に見かけるけど声をかけてこっちの勘違いだったら嫌だし、お詫びに安くしろだの言われたら色々とめんどくさいから見てみぬフリしてるわ」
私は無言で二人の前を通り過ぎた。




