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恋愛運と7人の魔女→剣と弓矢と7つの王国  作者: 243942
第1章 転生(2人の女神様と2つのスキル)
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シンデレラとの親愛度

部屋に戻った僕は色々と考えなきゃと思いつつも泣き疲れたのか、風呂にも行かずに早々と眠りについた。翌朝。朝食の合図の鐘が鳴っている。食堂に行くと他の宿泊客で賑わっている中、忙しそうに働いているシンデレラに挨拶をした。

「おはよう、シンデレラ」

「あ、おはようございます!」

朝食を待つ間に他の宿泊客をリーディングしてみた。冒険者パーティだろうか?1つのテーブルに4名いて勇者、戦士、魔法使い、賢者っぽいのがいる。ステータスを見ると勇者は平均的であり、戦士は武力が高く、魔法使いと賢者は魔力や知力が高いようだ。やばいな…戦士の武力や魔法使いの魔力が500を超えている…自分の100って数値は低い方なんじゃ?そうこうしているとシンデレラが朝食を運んできてくれた。

「お待たせしました。お召し上がり下さいませ」

「うん、ありがとう」

朝食はパンとコーンスープのようなものとサラダだ。とても美味しい。食事を終えてまた昨日のように片付けの手伝いを始める。シンデレラがニコッと微笑みかけてきた。やはり可愛い…皆の朝食も終わり、2人で軽く掃除も済ませた。

「これからどうするの?」

「はい。私も朝食を摂って、その後は洗濯や客室の掃除などしたり、夕食の食材の買い出しに行ったりします」

「そっかぁ…頑張ってね。手伝いたい気持ちもあるんだけど、色々と自分のするべき事も見つけたいし…ごめんね」

「いえ、お気持ちだけで充分ですから」

「あっ、昼食とかはどうするの?」

「朝食の残り物を頂きます」

「そうなんだ…僕はどうしようかな?この辺りに食べ物屋さんとかあるかな?」

「はい。近くにとても美味しい料理屋さんがありますよ」

「場所を教えてもらっても良いかな?」

どうしよう?自分だけ美味しい料理屋で食事でシンデレラは残り物…うっ!良心の呵責が…

「あのさ…良かったら案内ついでに昼食を一緒に食べない?ご馳走するからさ」

「え…でも…良いんですか?」

「遠慮しなくて良いよ。1人で食べるのも寂しいからさ」

「じゃあ…よろしくお願いします」

よし!やった…思わず右手をギュッと握りしめて喜んだ。仕方ない。こんなにスムーズにご飯を誘えるなんて珍しいんだから。その姿が可笑しかったようでシンデレラが笑っている。

「ふふふ。楽しみにしてますね」

「う、うん…じゃあ、お昼にまた…」

一旦、部屋に戻って改めて恋愛運とリーディングのウインドウを開いて見てみると恋愛運の文字の横で赤い丸が点滅を繰り返している。

「何だろう…これ?お知らせ的なものかな?」

気になって赤い丸を指で押してみると画面がスクロールしてシンデレラの文字が。その横にはハートマークが5つ並んでいる。

「え…もしかして親愛度、好感度的なやつか?」

思った通りハートマークを押すと「親愛度」と出た。更にシンデレラの文字の下に「親愛度5を達成しました。報酬をお受け取り下さい」と書いてあり、宝箱のマークのようなものがブルブルと震えている。

「報酬とかもあるの?よし…押してみよう」

押した途端、目の前に宝箱が出現して中から光を出しながら開いていき、アイテムが空中に浮かんで放出されたのちに宝箱は消えていった。

「何だこれ?ガラスのブレスレット?シンデレラだからか…じゃあ、もっと親愛度を上げていければ、いつかガラスの靴が出るのかも…」

画面を色々とポチポチしていると何となく感覚が掴めてきた。表記されている文字を押せばチュートリアル的な説明や案内が表示されるようだ。良かった。これで使いこなせそうだ。大事な事なので少しずつ熟読をする。

「へえ…なるほど、なるほど…」

ウインドウは常時、開けておく事が可能です。その際、画面右上の丸を押すと最小化できます。小さくなったウインドウ全体を押せば元の大きなサイズに戻ります。更新情報がある場合、赤い丸が点滅するので丸を押して読み取り下さい。

「かなり便利な機能が盛り沢山だな…」

それから時間を忘れて読み耽っていたら恋愛運が赤く点滅をした。

「え…何だろう?」

見てみるとウインドウにメッセージがあり、「もうすぐシンデレラと昼食デートの時間ですよ」と

「え!もうそんな時間?ていうかそんなサポートもしてくれるの?めちゃくちゃ助かるよ!ありがとう!」

思わず、ウインドウにお礼を言うと驚く事に返事のメッセージが映し出された!

「いえいえ、どう致しまして。これくらい昼飯前ですよ」

え?え?え?ちょっと待って…会話みたいにやりとりできるの?気になるけどシンデレラの所に行かなきゃ。急いでシンデレラの元に向かい、2人で宿屋を出て料理屋さんに向かった。


「その料理屋って何が美味しいの?」

「そうですね…焼いたパン生地に魚を蒸したのを載せたのが美味しいらしいですよ」

「え?もしかして行くの初めて?」

「はい。滅多に外でご飯を食べたりしないので」

「そっかぁ。じゃあ楽しみだね!」

「はい!ふふふ」

店に着き、注文して料理が届く。

「モグモグ…ん!凄く美味しいね!」

「はい、とても美味しいです!」

本当に幸せそうに笑顔で食べていて可愛くて仕方ない!良い雰囲気だ!たぶん!

「そうそう。午前中に自分のスキルを調べてだんだけど恋愛運スキルの方にシンデレラって出てたさ!ハートマークが5つ付いてたんだよ!どうやら親愛度を表すらしくって…それが上がって達成報酬を貰って…」

「え…あの…その…」

ん?シンデレラの様子がおかしい…俯いて目を合わせようとしない…

「あの…そのスキルというの凄いと思うんですけど…私の気持ちが分かってしまうってのはちょっと…あの…その…」

「ごめん…そうだよね…自分の気持ちが他人に分かられたら嫌だよね…」

モジモジしながらシンデレラが答える。

「嫌とかでは無いんですけど…照れ臭いっていうか…恥ずかしいっていうか…」

頬を赤らめて頭からプシューと煙が出ている。

「ごめんね…今後は控えるようにするよ…」

「そうして頂ければ…」

気まずい雰囲気が流れる…

「うんと…そろそろ、店を出ようか?」

「はい」

お会計をしようとした時に気付く。まだ金貨しか持ってないじゃん!

「ありがとうございます。銅貨10枚になります」

「あの金貨1枚でお釣りって…」

「はい?」

結局、シンデレラが代わりに払ってくれた…

「本当にごめん…早急に必ず返すから!」

「大丈夫ですよ。気になさらずに。あっ、交換所に行けば両替もしてくれますよ。町の地図に載ってますので宿屋に戻ったらお渡ししますね」

「ありがとう…助かるよ」

最小化してある恋愛運ウインドウが点滅している。まさか…親愛度が下がったんじゃ…恐る恐る最大化して見てみるとハートマークが10になっていて報酬とメッセージが…

「それくらいで下がらないですよ。ドンマイ!」

くっ…シンデレラの言うように色々とバレてるのは恥ずかしいやら情けないやら…気をつけよう…

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