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恋愛運と7人の魔女→剣と弓矢と7つの王国  作者: 243942
第1章 転生(2人の女神様と2つのスキル)
3/52

シンデレラと結婚!?

シンデレラが調理場から出てきてお辞儀をした。

「では、案内させて頂きますね」

奥さんがシンデレラの耳元でニヤつきながらコソコソと呟く。

「あんな上客、どうやって捕まえたんだい?」

縞々を見てしまっただけだ。こちらの世界の法律とか知らないが捕まるような事では無いはずだ。

「こちらの部屋になります」

2階へ案内されて部屋の扉を開けるとベッドが4つも有り、リビングやテラスまで有る。

「えっと…うわ〜!広い部屋だね!」

「あの…本当に良かったんですか?」

「ん?何が?ベッドが4つも有る事?」

「いや…私とぶつかった事を気になされて…無理して高い部屋に泊まられたんじゃないかと…」

「違う違う!正直に話すと宿代の相場とかよく分かってなかっただけだよ。気にしてるのは確かだけど…」

「やっぱり…あの何かお困り事とかあったら何でも仰って下さいね」

「うん。ちょっと教えて貰いたい事とかあるから仕事に余裕がある時にでもお願いするよ。ありがとうね」

「はい。では簡単に宿利用の説明させて頂きます。朝食夕食付きで昼食のみ無しです。食事が用意できますと鐘が鳴るので、食べられる時は1階の食堂までお越し下さい。お風呂は夜19時から22時までです。あと外出される時は一声おかけ下さい。以上になります。何かご質問とかは?」

「うん、よく分かったよ。また質問あったらその都度聞くよ」

「じゃあ私は夕食作りの手伝いをしてくるので」

「うん。夕食、楽しみにしてるね」


やっと少し落ち着いてベッドに仰向けに体を放り出す。色々と整理してみよう。金銭的余裕は有りそうだから慌てる必要は無い。ただ、いつまでもとはいかない。暮らしていく術を持たなければ。

最優先すべきは?この世界の状況や理などを知るべきだろう。とりあえず会話は通じる。町を散策しながら色々と人に尋ねたり、調べたりしよう。そして…あれ?そういえば恋愛運どこいったんだろう?今のところ縞々だけなんだけど!確かに角でぶつかるのは古くからある恋愛フラグの1つだけど…おまけの読み取る力?リーディングってのも何処へいった?

「恋愛運…リーディング…」

そう呟いた途端、目の前に2つのウインドウが開いた。

「え!これか!口に出すと開くんだ…どれ…」

女神様がやっていたようにウインドウを指でスライドして見てみる。先ずはリーディングの方から見てみる。

「自分のステータスも見れるんだ…HP100、武力100、防御力100、知力100、魔力100、素早さ100…これが高いのか低いのか分からない…えっ!運も100?どうして?もしかして、別枠で恋愛運があるからかな?ん?リーディングの文字の横にレベル1ってある…上がってくのかな?」

その下に習得スキルが書いてある。ステータスリーディング。見たい相手のステータスが読み取れる…これはめちゃくちゃ役立ちそう。サービスリーディング。好みの相手の下着がステータス画面で読み取れる…うん?下…着?下着が読み取れて何か役に立つのだろうか?よし。明日、町中を歩き回って試してみよう。そうしよう。レベル上げに必要かも知れないし大事かも。レベルが上がればどんなスキルが習得できるか非常に楽しみだ。あと、文字も覚えなきゃいけないし冒険するなら装備とかも揃えなくちゃ…そうやってあれこれ考えていると鐘の鳴る音が響いてきた。夕食の時間だ。


食堂に赴くとシンデレラが忙しそうに配膳をしている。

「あ、お待たせしました。すぐに料理を運んできますね」

「大丈夫、大丈夫。ゆっくりで良いからね」

シンデレラが健気に働いている姿を見たら少し居た堪れなくなった。空いているテーブルに座って待っていると料理が運ばれてきた。パン、それにチーズの入ったトマトベースの野菜スープにサラダ、あとはステーキのような肉を焼いたものだ。どれもこれもめちゃくちゃ美味しい。食べていたらシンデレラが話しかけてきた。

「どうです。お口に合いますか?」

「うん!凄く美味しいよ!特にこのスープが絶品!おかわりできる?」

「ふふふ。良かったです。沢山あるので何杯でもおかわりして下さいね」

お腹いっぱいになるまで食べて食事を終えようとすると、調理場から奥さんが出てきて話しかけてきた。

「あんた金持ちかい?」

「へ?いや…金持ちなんですかね?」

その間もシンデレラは他の宿泊客に、料理を運んだり片付けたり一生懸命に働いている。

「はっきりしない男だね。もし金持ちならあの娘を嫁にどうだい?あの娘は私の友人夫婦の娘なんだけど、幼い頃に両親を流行病で亡くしちまってね…それからずっと私の所で働いているんだけどそろそろ幸せになって欲しいんだよ」

「え…今日、出会ったばっかりなんですが…」

「何だい?気に入らないってのかい?あんな性根の優しくて美しい娘は中々いないよ」

「それはそうなのかもですが…」

「まあ100日も泊まるんだ。すぐにあの娘の魅力にメロメロになるさ。グズグズしてて他の男に盗られても知らないよ」

「え…そうですか…分かりました。できるだけ早く考えてみます」

「そうしときな」

「あの…食器の片付けの手伝いとかしても良いですか?あの娘と話す時間を作りたいので」

「全く珍しい客だね。好きにしな」


奥さんは調理場に戻る途中でシンデレラにコソコソと耳打ちをしている。笑顔でこちらに向かって頭を下げるシンデレラ。とても可愛い。少々お待ちを。急展開し過ぎて心が追いつかない。とりあえず片付けしながら考えよう。恋愛運凄いけど…いきなり結婚?こっちの世界では当たり前なの?正直、あんな美しい女の子がお嫁さんになってくれるのは嬉しいが…前世の経験からすると果報すぎるほどの贅沢だけど…もっと恋愛していく過程とかも大事じゃない?って思う事に自己嫌悪する。そうだ!そんな簡単に上手くいかないはず!相手の気持ちもあるんだし。この自己肯定感の低さにも嫌気がさす。このままでは恋愛運の能力は宝の持ち腐れになるだろう。だってしょうがないじゃん…あれだけ不幸続きだったんだから…

「あの…手伝って下さってありがとうございます」

「え?あ…うん…」

やばい…あれこれ考えている最中に急に話しかけられてキョドってしまった…

「あっ…奥さんから聞いた?ちょっと話したいと思って手伝いを申し出たんだ。だから気にしないでね。で、話せそう?」

「ごめんなさい…」

ですよね〜。そうだよね!分かってたよ!いつもこうだよ!

「まだ、この後に食堂の掃除もあって…」

「そ、そっか…なら仕方が無いね」

違う!このまま「じゃあ」って部屋に戻って風呂行って「いい湯だな〜」って気分になれない!その間もシンデレラは仕事してるんだから。

「あの…もし良かったら掃除も手伝って良いかな?」

「えっ…さすがにそこまでしてもらうのは…」

奥さんがまた調理場から出てきて話しかけてくる。

「何やってるんだい?あんたたち、片付けは終わったのかい?」

シンデレラが奥さんに返答をする。

「はい、終わりました。今から食堂の掃除をしますが、こちらの方がまた手伝って下さると言って…」

「もう良いよ。掃除は私がやっておくから。あんたたちはもうゆっくりしな」

「え…でも…」

シンデレラが困り顔でこちらに様子伺いをする後ろで奥さんがウインクしてくる。

「奥さんがああ言ってるんだし、今日の所は甘えておこうよ」

「それじゃあ…。お先に仕事あがります。お疲れ様でした」

「はいよ。お疲れ様」

奥さんに感謝しながら食堂を2人で出て行く。さて。もう一度、話がしたいと言わねば。改まるととても言いづらい…

「あの…良かったら私の部屋で紅茶でも飲みませんか?」

そっちから言ってくれるなんて…こんな事って本当にあるんだ…

「う、うん。是非

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