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恋愛運と7人の魔女→剣と弓矢と7つの王国  作者: 243942
第1章 転生(2人の女神様と2つのスキル)
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シンデレラとの出会い

「夢じゃない…本当に転生したんだ…」

周りを見渡してみるといかにも中世ヨーロッパのような街並みで、歩いている人たちもそれらしき格好で改めて実感が湧く。穏やかな時間の流れを感じるようで少しの間、近くのベンチに座って情景にひたってしまっていた。

「あ、とりあえず、どうしよう?先ず宿屋でも探そうかな。でも宿代とかどうすれば…」

ふと、自分の今の身なりを確かめてみると腰のベルトに短剣が収められていて、ウエストポーチみたいのも付いている。中を確かめると巾着に金貨100枚が入っていた。え?これ結構な大金じゃないの?ありがとう女神様!僕は天に向かって両手を組んで感謝の祈りを捧げた。

「たぶんこれでいける!よし!宿屋を探そう!」

そうして町を歩き回ってみたが、建物の看板を見ても見た事ない文字でどれが宿屋かさっぱり分からない。困ったなあ…町の人に聞いてみるしかないか。でも言葉は通じるのか?近くにいた優しそうなお婆さんに聞いてみた。

「あの…すいません。宿屋を探してるんですが」

「ああ、それならそこの角を曲がって真っ直ぐに行くと右手側にありますよ」

「そうですか!ご親切にどうもありがとうございます!」

良かった。言葉は通じるようだ。教えてもらったとおりに角を曲がろうとした時、誰かとぶつかってしまった。

「きゃっ!」

「あっ…すいません…ごめんなさい…」

ぶつかった反動で尻餅をついてへたり込んでしまった。慌てて相手方に謝罪の言葉を述べる。

「いえ…私の方こそすいません…前がよく見えてなかったもので…」

縞々パンツだ!いや。ストライプ?ボーダー?じゃなくて、相手方は美しい金色の長い髪の女の子だった。

「縞々…じゃない!大丈夫?怪我とか無い?」

「え…あ!」

女の子は慌てて恥ずかしそうに足を閉じてパンツを隠した。僕も慌てて目線を逸らす。周りには女の子の持っていた荷物だろうか?野菜やフルーツのような食材が散らばっている。

「ごめん!全部、僕が拾うから!」

「あ…ありがとうございます」

急いで全部拾って紙袋に詰め直した。

「本当にごめんね…」

「いえ…私も急いでいたもので…では」

女の子はぺこりとお辞儀をし、荷物を持ち直して歩いて行こうとするが、荷物に隠れて前が見えないでヨタヨタしている。ほっとけない。

「あの…大丈夫?良かったら僕が持って運ぶの手伝おうか?」

「え…そんな…悪いですよ」

「全然。ぶつかったお詫びに手伝わせて」

「じゃあ、お言葉に甘えて…」

代わりに持ってあげるとまあまあ重い。歩きながら話し掛けてみる。

「こんな沢山の食材、大変だね」

「ええ、でも仕事ですから…」

「仕事?何の仕事してるの?」

「宿屋で住み込みで働いてるんです」

「え!そうなの?ちょうど宿屋を探してたところだったんだ!泊まらせてもらえるかな?」

「そうなんですか。でしたら、奥さんに聞いてみますね」

「ありがとう!助かるよ!しかし、まだ若いのに働いてて偉いね!」

「いえ、そんな…当たり前の事ですよ」

ちょっと困ったような笑顔で女の子は微笑む。

「え?当たり前?そうなんだ…」

女の子に導かれて宿屋に入っていくと、奥の調理場から女性の声が聴こえてくる。

「シンデレラ!遅かったじゃない!早く食材を持っておいで!」

「はい!」

シンデレラ?あの童話に出てくる?それがあの女の子の名前のようだ。調理場で2人が話していると奥さん?と思われる女性がこちらに向かってきた。

「あんたかい?うちに泊まりたいってのは?」

「あ、はい、そうです。すいません。あの娘が遅くなったのは僕がぶつかったからです。本当にすいません」

「そんな事は気にしちゃいないよ。あいにく今日は一番高い部屋しか空いちゃいないよ」

「あ、あの金貨何枚で泊まれます?」

「は?どこの世界に宿代で金貨出す奴がいるってるんだい。銀貨1枚だよ」

「あの…すいません。金貨しか持ってなくて。お釣りとか出ます?」

全く金銭価値が分からない…

「銀貨99枚ものお釣りなんてうちには無いよ」

ちょっと待て。銀貨100枚イコール金貨1枚?金貨の管理をしっかりしなくちゃ…

「それでしたら、100日宿泊する事は可能でしょうか?」

「あんたそれ、本気で言ってるのかい?」

「はい。ちょっと落ち着いて考えたい事もありますので」

「前金だよ」

「はい。では」

奥さんに金貨一枚を手渡した。

「シンデレラ!お客様だよ!案内しな!」

「はい!」

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