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AK  作者: 回収人の部屋
全国逃亡編
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EP77:京都の物型霊

「っと、次は…京都か。で、今回はどっちなんだ?」とまあ一辺倒な会話を始め「まあ、今回は向こうから来るからな。そろそろだろ…」とアビスが言うと、「へえ、こいつが…」「そうですね兄上…()が言っていた阿鼻巣魔獲須途離威アビス・マエストリーでしょう。」と何やらやたらと金ピカで喧しそうな服装に豊満な体を持った男と、その陰に隠れるような質素で落ち着きのある服装にスレンダーな体を持った男が立っていた。

「ありゃあ…『金閣』と『銀閣』か?」とセルキが聞くと、「ああ、そうだ。あれは、『金閣』と足利義満の、『銀閣』と足利義政の魂が合わさって出来た物型系統人型霊いれいがたぶつがたれい、『金鹿閣苑きんろくかくおん』と『銀慈閣照ぎんじかくしょう』だ。」とアビスは言った。

「おい、そこの少年。お前さんは、阿鼻巣魔獲須途離威という名前か?」と金鹿が聞くと、「ああ、そうだ。てめえらをぶっ壊すやつだ!」とセルキが言うと、「き、貴様!この日本国王である我になんという無礼な口利き!おのれぇ!」と金鹿が飛び出そうとすると、「まあまあ落ち着いてくだされ兄上…彼は我々と敵対している身。敵が誰であろうと威勢よい構えは称賛に値出来まする。何より、兄上がそう感情的になってしまうのを止めるのが私ですゆえ。」と銀慈が言うと、「お前は優しすぎるのだ、銀慈。」と金鹿が少し叱責気味に言う。

「なあ、足利義満と足利義政のもんが入ってんだろ?なんで兄弟になってんだ?」とセルキが聞くと、「知らん。けど、あの二人を形成した水塊が兄弟だったつう説だ。」とアビスが言うと、「は!?水塊あいつらって生きてんのか!?つか、兄弟とかどうやって見分けんだ!」とセルキがツッコむと、「一応、水塊あいつらも生物っていう分類にはなってる。ってか、こんな会話してる時じゃねえだろ。とっととあいつら倒しちまうぞ!」とアビスは言い、「わーってるよ、んなことは!」とセルキは『黒炎邪剣』を出して構えた。「兄上…来ますよ。」と銀慈が言うと、「おうとも!手助け頼むぞ、銀慈!」と金鹿は言った。

はじめは、金鹿とセルキがぶつかり拳同士での殴り合いが始まろうとしたが、金鹿の体躯とその豪快な一撃によってセルキは吹き飛ばされ、その間に金鹿はセルキに近づきもう一撃食らわせようとするも、セルキは体を捻って躱す。

「ちぃっ!なんつうパワーだ。近接戦闘は無理そうだな…なら!『蛇舞:黒炎蛇剣』!『蛇腹八頭牙』!」とセルキは『蛇腹八頭牙』を繰り出し、金鹿に向かわせた。「ほう!そんなことも出来るのか!だが…銀慈!」と金鹿が言うと、どこからか矢が飛んできて『蛇腹八頭牙』を相殺した。

「なっんだとぉ!」とセルキが声を漏らすと同時に遠くの銀慈は「私は、兄上と違い地味で質素であるが…だからこそ、私はこうしたことに分があります!」と言って、銀慈は矢を次々とセルキに向かって放っていく。

「くそっ!『黒炎邪剣』!」とセルキは『黒炎邪剣』を出して矢に対応していると、「我のことも忘れるでないぞ!阿鼻巣魔獲須途離威!」と言う声にセルキは目を前にすると金鹿が一撃を放つ構えをしていた。「っ!やべっ!」とセルキは防御しようとするが、「遅いわ!」と金鹿の強力な一撃をもろに食らい、セルキは後方に吹き飛ばされ血を吐いた。

ーくそっ…豪勢で目がいきそうになる金閣のように豪快なパワーをもった前衛型の金鹿と質素で落ち着きのある銀閣のように静かに待ち構える後衛型の銀慈…指揮は金鹿が執っているが、分かってるかのように銀慈の攻撃が飛んできやがる…こういうときに、先に殺るべきなのは!とセルキは吹き飛ばされながら考え、地面に足がついた瞬間、一気に駆け出し金鹿の方へと向かった。

「はっは!今度は貴様の方から仕掛けてくるのか!いいぞ!我のところにかかってくるがいい!」と金鹿は言うが、セルキはスルーして「先に殺るのはてめえじゃねぇ。」と耳打ちした。その言葉に金鹿は一瞬?を浮かべるも、すぐさまその言葉を理解し「銀慈ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!迎撃しろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!奴の狙いは銀慈おまえだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と金鹿はとてつもない叫び声をあげた。

「そんなに大声出さなくてもとてつもない速さでこちらに向かっている姿が見えてますよ、兄上。」と銀慈は冷静に弓を構え、素早く矢を何本も射った。セルキはその矢を『黒炎邪剣』で壊しながら徐々に銀慈のもとへと近づいていく。

「くっ!ならばこれならばどうです!」と銀慈は鏃の色が違う矢を取り出し一発セルキに向かって射った。セルキはこれも壊すと、突如として『黒炎邪剣』が消失した。この出来事にセルキは「なっ!?」と驚くと、「最初で最後の特別な矢(とっておき)…決着まで取っておきたかったですが、先に近づかれちゃあ仕方ないですよね。」と銀慈が言うと、「いい判断だ!流石は我が弟である!」と金鹿も後ろから近づいてきた。

「さあて…降参するか?小童。」と金鹿が言うと、「…誰がするかよ。絶望の力が消えた所で、終わりだと思ってんのか?」とセルキは言った。ー銀慈こいつから狙おうとしたが…秘策が尽きたんなら好都合だ。後方から矢を射るだけのやつより、金鹿こっちを先に殺ったほうがよさそうだ!とセルキは思いながら

「久々に頼むぜ!『乱舞:鬼殺し』!」とセルキは金鹿に向かって『乱舞:鬼殺し』を食らわせたが、浅くとどめまではいかなかった。「くそっ…あの肉のせいで深くまでいかなかった!」とセルキが悔しがると、「ははは!我が肉体においてこの程度の傷はかすり傷と同義!さあ、我の後ろに回れ弟よ!これで此奴を終わらせる!」と銀慈は金鹿の後ろにまわり、金鹿はセルキに突っ込んできた。

そして、力を格段に込めた拳がセルキめがけて放たれたが、セルキはこれを避けるでも受けるでもなく思いっきりふっとばされ、倒れ込んだ。

そのセルキのもとに来た金鹿が「ははは!小童、貴様の負けだ。大人しく、もといたところに帰るがいい!」と金鹿が言うと、セルキは立ち上がって「やなこった!」と鎌を取って立ち上がり「食らえ、『聖舞:永久獄園』!」とセルキは金鹿に放ったが、その光は金鹿を外してはるか後ろへと消えていった。

「ふ…ふふふ…ふはははははは!どこに向かって放っているのだ!貴様の残りの力を使ったものはこの金鹿閣苑に当たることなく無惨に終わったな!」と金鹿が高笑いしていると、「外した?いいや、狙い通りだぜ、足利義満きんろくかくおん。てめえの後ろには、一体誰がいたんだっけかな?」とセルキが言うと、金鹿はハッとして後ろを向いた。

そこには、左半分が消失し身体が消えかけている銀慈の姿である。「ぎ…銀慈ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」と金鹿は激昂しながら「この…小童風情がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と迫るも突如ドスッという音が鳴り金鹿は自身の体に目をやると、そこにはセルキの『蛇舞:黒炎蛇剣』が自身の核の部分めがけて刺さっていた。

自身の勢いが乗り核の中心まで刺さった黒炎蛇剣を手にセルキは「なるほどな…射ったやつが逝けば、失ったもんも戻るのか。そんでてめえは怒りに身を任せて視野が狭くなっちまった…だから、こうやって刺すことが出来たぜ。核を燃やし食わされて冥界むこう銀慈あいつと仲良くな!『蛇腹八頭牙』!」と核に直接ぶっ放して金鹿は内側から崩壊する自身の身体をただ怒りに震えながら徐々に消えていった。



「ハッ!」と金鹿が目を覚ますと、「大丈夫ですか?兄上」と銀慈が声をかけてきた。「…ここは?まさか、冥界あのよか?」と金鹿が聞くと、「どうやらそのようですね。」と銀慈が返す。

その目に広がる景色は自身の中にある足利義満の記憶が覚えているあの時の賑やかな景色を思い出して金鹿は「くっ、ふふふ…がーーーーーはっはっはっはっはっはっは!やはり、どこだろうと賑やかなことはやめられぬということだ!銀慈!いや、我が子孫よ!冥界ここで派手に暮らそう!それが我らの第二の歩みである!」と金鹿が言うと、「…分かりました、兄u…いえ、義満公。」と銀慈は返し、「ああ、そういえば私、様々な工芸品や嗜好品に目がなくてですね…」「おお!ならばそこらを散策しながらどこかで酒なんかも楽しもうぞ!がーーーーはっはっはっはっはっはっはっは!」




「っ!ゴーキンたちが近くまで来てんな…急ぐか。」とセルキは飛んでいき、「で、次はどこなんだ?」とアビスに聞くと、「北東だ。次は…福井に行く。」とアビスは言った。

正直、こんな展開にしてしまったことを少し後悔している自分がいます…なんだかんだで休載の連続ですし…各話の最初のところもほとんど人や物が違うだけで同じだし…まあ、もう成るように成れって感じですね!

当然、ちゃんと最後まで書きますよ!他にも書きたい作品ありますし!(ここって、本音書いてもいいとこだっけ?)


で、結局、琵琶子や渦潮鳴門などの分類は物型系統人型霊(またの名を、異例型物型霊)ということに落ち着きました。

これは、前の回にも話したかもしれないし話してないかもしれませんが、水塊が生成した物型霊とその物と縁が強い人・またはそこで亡くなった人とが奇跡的に適合して幽霊と擬人化(?)との中間に位置するもの変化したものです。

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