EP64:熊本県の物型霊
南西へと向かい熊本県へとたどり着いたセルキは「で、今回は?」といつも通り聞くと、「今回は、向こうからやってくるぞ。」とアビスが言った。セルキは今回は名産系かと思っていると、パカラパカラと何かがかける音がした。
「これって…馬か?」と言うセルキにその音が近づいてきて姿が見えると、そこには凛々しく美しい馬の姿ではなく、毛や皮がなく肉がむき出しとなっており、そこらかしこには何本もの針が飛び出していた。
「おいアビス!なんだよこれは!現世にこんなもんがいてみろ!馬好きと馬主と動物愛護団体が黙っちゃいねえぞ!間違いなく炎上もんだぞこれ!」とセルキが叫ぶと、「まあ、現世じゃそうかもしんねえがな…こいつの名前は『ニードルホース』。まあ、針馬だな。で、なんでこいつが肉がむき出しかて言うとだな…ほら、なんか、あるんだろ?現世にゃ…ええと、馬を生で食うやつ。」とアビスが言うと、「もしかして…これが馬刺しだって言いてえのか!?なんでこいつの体から針が出てきてんだよ!意味わかんねえよ!」とセルキが言うと、「それが、水塊はその馬刺しを聞いて馬が刺されてんじゃねえのかって考えたんだと思うぞ。」とアビスは苦笑しながら言った。
「んなわけねえだろ!どんなもんなんだよまじで!」とセルキがツッコむと同時に、『ニードルホース』も突っ込んできた。「…こいつには二つの意味でつっこみたいところだが、これきついぞ…」とセルキが言うと、「まあ、針の範囲はそこまで長くはねえから、ちょっと離れたところでもいける『仏断斬流』あたりでいいんじゃねえのか?」とアビスが言うと、セルキは確かにと頷いた。
「なら、話は早えな!とっとと終わらせて次んとこに行くぞ!」とセルキが意気込んで『ニードルホース』に向かっていくと、『ニードルホース』は逃げ駆けた。そんな『ニードルホース』をセルキは飛んで追いかける。普通ならば飛んでいる分セルキがだんだんと近づけるはずなのだが、そんな気配が一切というほどなく、まったく距離が縮まらないままただただ時間だけが過ぎていた。
そんな中、どんどんゴーキンたちは近づいてきている。そんなことは分かっているが、それでも『ニードルホース』との距離を縮まらせることが出来ずにいた。いっそのこと押さえつけようかとも思って『絶舞:絶望と混沌に染められし棺』を使うも、使うと『ニードルホース』が縦横無尽に駆け回り、『絶望と混沌に染められし棺』の鎖を躱してしまう。だからといって、『極舞:百手怨弾撃』を使おうにもあの針があるので、やると返って自分がダメージを受けてしまう。
セルキは『ニードルホース』を追うのをやめ、一生懸命に考えていると、そういえばとふと何かを思い出した。そんなセルキに「どうした、セルキ?」とアビスが言うと、「思い出したんだよ…あのすばしっこく逃げ回る『ニードルホース』を大人しくさせる方法をよ!」とセルキは言った。
「大人しくさせる方法?そんな事できる技おめえ持ってたっけか?」とアビスが言うと、「ああ、全然つかてなかったから忘れてたんだがな…だって、相手が強すぎて意味がなくなっちまったやつだからな。じゃあ、行くぜ…『禁舞:怨恨吸滅』!」とセルキは『ニードルホース』に向けて放つが、全く効果がなかった。
「あ、あれ?おっかしぃな…」とセルキが言うと、「だってよぉ、それ黒いモヤ対策の技だろ?」とアビスが言うと、「あ、ああああああああ!やっちまった!そうだ!すっかり忘れてた!」とセルキは慌てた。
「くっそぉ…じゃあ、どうすりゃいいんだ?ゴーキンたちが近づいてきてることは何となく分かるから時間もねえってのに…」とセルキが言い悩んでいると『ニードルホース』の方から攻撃を仕掛けてきた。
その様子を見たセルキは「…アビス。一か八かになるが…正面衝突してみようと思ってる。」と言うと、「…大丈夫か?立ち上がれなくなるくらいの傷追って仲間に捕まるか最悪死だぞ。」とアビスは言うが、「それでも、やるしかねえだろ。」とセルキが言ったので、アビスは「…分かった。なら、次突っ込んできたときにやってやれ。」とアビスは言った。
そう言われるとセルキは『邪舞:黒炎邪剣』を横向きに構えて、『ニードルホース』が突っ込んでくるのを待っていると、案外すぐに『ニードルホース』は突っ込んできた。「やるぞ…やるぞ…『ニードルホース』…突っ込んでこい…ぜってぇにぶった斬ってやる!」とセルキはブツブツ言いながら徐々に突っ込んでくる『ニードルホース』を待ち、「…っ!ここだぁ!『仏断斬流』!だぁ!」と『ニードルホース』がセルキを通り過ぎると、セルキに『ニードルホース』の針が数本刺さったが、残りの針はぱきっと折れて『ニードルホース』の体の筋繊維という筋繊維がプシップシッと音を立てながら上と下で分かれて倒れ消えていった。
「…ふぅなんとかあいつらが来る前には終われたな。」とセルキが言うと、「セルキ急げ!来るぞ!」とアビスが言ったのでセルキは急いで飛んでいった。
そして、そのすぐにゴーキンたちが来て、「大川!」とゴーキンが言うと、「ええと…南東!」と大川が言ったので、ゴーキンたちはすぐに向かっていった。
「で、次はどこなんだ?」とセルキが言うと、「次は…宮崎だ。」とアビスは言った。
熊本県の物型霊・ニードルホースの特性:全身から出る針を使ってのリーチが伸びた突撃




