表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AK  作者: 回収人の部屋
全国逃亡編
61/77

EP60:徳島県の物型霊

南へと向かい徳島県へとたどり着いたセルキは「ん?なあアビス、海んとこに人がいるんだが…」と言うと、「…ああ、あれが徳島県の物型霊だ。『琵琶子』と同じようなもんだ。」とアビスは言った。

セルキは降り立ち、海の中にいる人物の元へと向かっていった。近くで見ると、体の至る所に渦巻き模様が出ていており、「父ちゃん…母ちゃん…ごめん、ごめんなさい…」と渦を巻いた涙を流していた。その様子をセルキはただただ見ていることしかできなかった。

「!誰だ!?」とその人物が振り返りながら手から渦潮を出し構えると、「ま、待て待て待ってくれ!俺はてめえを襲う気はねえから、とりあえず構えるのはやめてくれ。」とセルキが言うと、その人物は構えるのをやめた。見たところ歳はセルキよりかは若かった。

「ひとまず、構えるのをやめてくれてあんがとな。おめえは誰だ?おめえが徳島県ここの物型霊なのか?」とセルキが聞くと、「僕がここの物型霊かどうかは未だにわかってはいないけど、成仏できずにここに縛られているのがそれに当てはまるんならそうだと思う。生前の僕の名前は高階一樹たかしなかずき冥世こっちに来てからは名前が変わって『渦潮鳴門うずしおなると』っていうんだ。」と鳴門は言った。

「おめえは鳴門海峡ここで殺されちまったのか?」とセルキが聞くと、「ううん違うよ。僕は…自分のせいで父ちゃんと母ちゃんと一緒に死んじゃったんだ。」と鳴門は答え、セルキは驚いていた。

「…一体それって」とセルキが言うと、「…4年前に僕たちは船で渦潮の近くまで来ていたんだ。渦がすごくて僕は興奮しながら前のめりになっちゃってて、船から落ちちゃったんだ。父ちゃんと母ちゃんは助からないとわかっていても僕を助けようと海に飛び込んだ。結局、お兄ちゃんが思っている通り。僕たちは渦潮に巻き込まれて死んじゃった。」と鳴門が言うと、セルキは黙ってしまった。

「…僕のせいで、僕のせいで、僕のせいで、僕のせいで、僕のせいで死んじゃった。僕たち家族は死んじゃった。僕だけがここに残されてるのは、家族を道連れにして殺しちゃった僕への罰だ。僕はまだ成仏するときじゃないんだ。お兄ちゃんがもし、僕を成仏しに来たんならまだだからどっかに行ってよ。」と鳴門が言うと、「そりゃ、出来ねえお願いだ。俺にも目的があっからな。そのためにもてめえを冥界むこうに行かせねえとなんねえ。」とセルキは言った。

「…そうなんだ。じゃあ、お兄ちゃんは僕の敵だね。力ずくでもお兄ちゃんに帰ってもらうよ。」と鳴門は言いながら構えると「まあ、そうなっちまうよな。けども…そうしてくれたほうが速えからいいんだがな。てめえは嫌でも冥界むこうに送ってやるぞ!『渦潮鳴門』!」とセルキは言って構えた。

早速鳴門が渦潮を出して先制してきた。その範囲はとても広く、ギリギリ避けれるほどだった。「やっぱでけえな、鳴門の渦潮は!まあ、俺は行ったことねえけどな。」とセルキが言うと、「んなこと言ってる場合じゃねえぞセルキ!またくっぞ!」とアビスが言うとセルキは分かってるという顔をして正面を向いた。

「まだ…僕は…父ちゃんたちの所に行くべきじゃないんだ!『大海横渦潮たいかいおうかちょう』!」と鳴門が言うと、一本の大きい渦潮がセルキめがけて飛んできた。「ったく…しんでえな!『聖舞:光明獄園』!相殺してやらァ!」とセルキはなんとか相殺したあと、一気に鳴門との間合いを近づけて「ここだ!『乱舞:鬼殺し』!」とダメ押しした。

すると、それに呼応するように鳴門は自身を回転させてセルキの勢いを押し返していた。この状況に「やべっ!」とセルキは離れた。「『自海中渦潮じかいちゅうかちょう』…お兄ちゃんの勢いは凄かったけど…回転による勢いなら負けないよ。」と鳴門は言った。

「なあ、アビス。これは結構時間かかっぞ…正直、俺にとっちゃめちゃくちゃ不利だぜ…」とセルキが言うと、「どういうこった?」とアビスが聞いてきたので、「渦潮ってこたぁ、海水…ひいては塩水だ。鎌使って『乱舞:鬼殺し』とか使っても錆びちまってボロボロになっちまうし、『邪舞:黒炎邪剣』使っても炎が消えるだろ?」とセルキは言った。

「あー…それなら大丈夫だぞ。」とアビスが言うと、「なっ、どういうことだ?俺の考えは間違ってねえだろ?」とセルキが言うと、「確かに、鎌は刃のところがボロボロになっちまうが、『黒炎邪剣』の炎は消えねえよ。なんせ、あの炎はおめえの中にある絶望神おれの力が尽きねえ限り消えることはねえんだよ。だから安心して『黒炎邪剣』を使え。」とアビスは言ったので、セルキは『邪舞:黒炎邪剣』を出した。

「お兄ちゃん…炎は水に消えるんだよ!『大海横渦潮ー双ー』!」と鳴門は両手から渦潮を出してきた。「なら、俺もさっき知ったばっかだが教えてやるよ!この炎は水なんかじゃ消えやしねえんだとよ!『仏断斬流ー横バージョンー』!応用型じゃ!」と横にふると二つの渦潮は上下に割れ、セルキは再び間合いを詰めてきた。

すると、鳴門は地面に手を置き、すぐにその場を離れると「近づいてきてくれてありがとう。これで、閉じ込められる!『四海包渦潮しかいほうかちょう』!」と言うとセルキを囲うように四本の渦潮が出現した。

「閉じ込められちまった!しかも、徐々に回転力を増しながら迫ってきてやがる!」とセルキが言うと、「今から帰ってくれるならやめるけど?」と鳴門が言うと、「いいや、こんくらいなら平気なんでね!『渦潮鳴門』!てめえはやっぱガキンチョだ!『仏断斬流ー回転全方位バージョンー』!もういっちょ応用だ!おらぁ!」とセルキは四本の渦潮の柱を斬り、そこから鳴門に向けて『極舞:百手怨弾撃』を撃ち、鳴門を捕まえた。そして、

「絶望しな、渦潮鳴門。いや、高階一樹。能力を失い何もできなくなっちまった己の非力さに。『絶舞:絶望と混沌に染められし棺』!」とセルキは鳴門を左手で掴み、発動させたあと鳴門が渦潮を出そうとするが、出なくなっていた。「え、あれ!?なんで!?なんで!?」と訳のわからない鳴門に向かって「てめえの渦潮を出す力は俺が消した。大人しくやられて冥界むこうに行け。」とセルキは言った。

「何度も言ってるじゃないか!僕はまだ行っちゃいけないんだ!まだ罰は終わってない!」と鳴門が言うと、セルキはデコピンをかました。「な、何するんだよ!」と鳴門が言うと、「それはてめえの決めることじゃねえ!」とセルキは怒鳴った。

「いいか、てめえの両親はてめえのせいで死んだんじゃねえ。てめえを助けるために自らの危険を顧みずに海に飛び込んだんだ。てめえが気負いして罪だ罰だとのたまうこたぁねえんだ。てめえ、ほんとは行きてぇんだろ?親んとこによ。」とセルキが言うと、鳴門は俯いていた。

「んなことしたって前にも後ろにも行きやしねえぞ。てめえの本音を言いやがれ、高階。親と一緒に居てえのか、これからも一人で無い罪背負って親のとこに行けずにいてえのか、だ。」とセルキが言うと、「…たいよ。」「ん?」「一緒にいたいよ!父ちゃんと母ちゃんと!一緒に!」と鳴門は言った。「やっと言えたな高階一樹。てめえは一歩前に進むことが出来た。こっからだ。こっからはてめえの背負ってたもんは終わって、親と一緒にいることの始まりだ。頑張ってこいよ、高階一樹。」とセルキは鳴門の核をぶった切り、渦潮鳴門もとい、高階一樹は冥界むこうへ行った。そして、セルキも飛んでいった。

その後すぐにゴーキンたちが来て、「セルキは?」と聞くと、「え〜っと…西!」と大川が言うと、直ぐに向かった。

「で、次は何処だ?」とセルキが聞くと、「次は…高知だ。」とアビスは言った。

一方で冥界へと来た鳴門もとい一樹が「ここが冥界…」と言うと、「あー!大仏様、大仏様!来ましたよ!」と元気な女性の声が前から聞こえて来ると、ドシンドシンと大きな奈良の大仏が来た。その大きさに一樹は「だ、大仏様…」と少し恐れた声で言った。

「まあ、そこまで恐れなくても良いぞ、高階一樹よ。私はお前さんを迎えに来たのですから。」と『奈良の大仏』が言うと、「え?迎えに?」と一樹が言うと、「ええ、お前さんを両親の元へ。」と『奈良の大仏』は言った。

「で、でも僕が行っていいところじゃ…」と一樹が言うと、「セルキ・マッカントリーが言っとったろ?お前さんにゃ罪はないのですから、天国りょうしんのいるところに行ってもいいんですよ。」と『奈良の大仏』が言うと、一樹は泣き出してしまった。「…その涙は、再開のときのために残したほうがいいですよ。では、行きましょうか。」と『奈良の大仏』が言うと、「…はいっ!」と一樹は涙ぐみながら返事をして、後を追った。愛すべき両親の元へと。

徳島県の物型霊・渦潮鳴門もとい、高階一樹の特性というより技

大海横渦潮 双):腕を横に突き出して腕に渦を纏わせたあと、正面に向かって一気に放つ技。欠点は、まっすぐにしか飛べないことだが、連発が出来るので避けた所に放つことが可能。

自海中渦潮:自身を回転させることで体全体で渦潮を作り出して防御する。渦潮を解かない限り今までのほぼ全ての防御できる。

四海包渦潮:地面に手を置き、置いたところを中心に周りに四本の渦潮の柱を生み出す技。近づくに連れて、渦潮は大きくなり威力も上がるのでだんだんと追い詰められてしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ