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AK  作者: 回収人の部屋
本戦
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EP5:従兄弟対決

1週間が経ち、アルバンが慌てて外に委員会も含めた全員を外に呼んだ。外に出てみると、そこには一つの闘技場のようなものがあった。そこにセルキたち五人が入ると、何処からか声が聞こえた。

「俺は『零』No5ボーン・リカマラだ。今から先に進んでもらい、三方向に分かれてもらう。誰が何の道に進むかは指定してあるから、早く来いよ。」という声が聞こえると、目の前の門が開いた。

先へ進むと、また、「あーーイレギュラーが混じってるな。じゃあ、そこの太鼓持ってる奴と魔法使いは、俺と戦うまでは大人しく待っててもらうぜ」と声が聞こえると、大川と魔導は檻に入れられた。セルキが「なあ。あいつ『リカマラ』って言ったよな?ゴーキン、この声の主は家族か?」と聞くと、「心当たりはあるけど…」とゴーキンは答えた。

すると、剣道が「それより今は、あいつのところまで行くのが先だ。多分、何かが待っている。」言う。三人は「じゃあまた後で」と言い、それぞれの方向に向かった。

セルキが道にあった門をくぐると、そこには男の子がいた。年はセルキより少し下あたりで、セルキはすぐに誰か分かった。「…ネルミ」とセルキが言うと、「やあ。10年ぶりだね。セル兄」とその男の子、ネルミはかえした。

ネルミ・セリトリー。10年前にセルキの家族を殺したセリトリーおじさんの一人息子であり、セルキが復讐心にかられ、殺してしまった子だ。その時、何かを言いかけたが、当時のセルキは「黙れ!」と言って殺した。すると、いきなりネルミはナイフを飛ばしてきた。

「セル兄。ずっと待ってた。此処に来ることを。レイさんは僕に力をくれた。何も抵抗できずにセル兄に殺された無力な僕に。あの人はこう言ってた。『一番憎き者を倒せ。そいつを倒せば力は更に強くなるだろう』と。待ちきれなかった。ずっと待ってた。セル兄を倒すことを!」と次々にナイフを飛ばしてくる。セルキは飛んでくるナイフを避けると「やんなきゃか」と気合を入れた。

「じゃあ、まずは3本!」とネルミは3本のナイフを次々飛ばしてきた。セルキは難なく避ける。すると、ナイフの数が増えてきて、避けづらくなっていく。そんな状況をネルミはまるで幼子が家族と遊ぶような感覚で楽しんでナイフを投げていた。セルキは果敢に攻めようとしたが、ネルミがナイフをこれでもかと飛ばしてくるのでタイミングが掴めない。「セル兄どうしたの?もっと攻めてきなよ!」とネルミは更に飛ばしてくる。セルキは逃げ続けることしかできない。「ネルミ!」とセルキが呼ぶと、「なんだよ!今更謝罪の言葉はいらないからな!」と言った。

「謝って済むことじゃないのは分かってる。けど聞きたいことはある。…あの時、なんて言おうとした?俺はずっとあの叔父との話で『お前も兄さんたちを殺したんだ!俺とな!』って言うのが聞こえただけで、お前を殺した。けど、今となっちゃそれはおかしいことに気づいた。」とセルキが言うと、ネルミは「だから何?」と返す。

「俺は思った。あの時、お前は真実を伝えたかったんじゃないかって」と言うとネルミは「そうだよ。」と言い繰り返して、「あの時、僕はセル兄にほんとのことを言おうとした。なのにセル兄は『黙れ』と言って僕を殺した!…真相が知りたいなら僕を倒してね。まあここでセル兄は僕に殺されるけど。セル兄、話は終わりだ。強くなるために消えて」というと、ネルミは再びナイフを投げた。それもかなりの数を。セルキは防戦するしかなかった。しかしやはり防ぎきれないし、鎌を振り回しすぎて疲労もきている。

これ以上は負けてしまうと思ったところに「セル兄、疲れてきてるね。じゃあ、もう終わりにするか。もうちょっと粘ってほしかったけど、さよなら」とネルミが言うと、ネルミは次々とナイフを投げた。が、そのナイフは投げられるとすぐに停止した。しかし、ネルミはナイフを投げる。いつしか、そのナイフは何百、何千、何万にまでなった。ネルミが『エレクトルナイフ』というと、それまで静止していたナイフが一気にセルキに畳み掛けた。

セルキは応戦するも被弾率はかなり上がっている。幸か不幸か核には当たっていない。

ーもっと、もっとだ。もっと速く!やれるだろセルキ!俺ならあいつが待ってるんだ雪が向こうで俺が帰ってくるのを!諦めるな力振り絞れ!とセルキは己を鼓舞した。すると、鎌が突然光りだした。セルキは大川が言っていたことを思い出した。「突然武器が光りだしたんだ。それが多分技の兆しだと思う」と。「これが、技の兆しか。っしゃ!そうと決まればもっと速くしていくぜ!」とセルキは鎌を今まで以上にとてつもない速さで振り回していく。

体力は限界のはずだが、セルキは頑張って振り回していた。。気がつくと、ネルミの『エレクトルナイフ』をすべて耐え凌いでいた。好機と捉えセルキは一気にネルミに近づき接近戦に持ち込んだ。すると、いきなりセルキの鎌の刃が通った。が、力を与えられた影響か、すぐに再生する。が、セルキはまだ続けていた。ーもっと速く!あいつの再生速度よりも速くそして何処を再生すればいいかわからなくなるまで乱れさせろ!「うおおおおおおおっりゃ!」と鎌の光が強くなった。

「来たか!いくぜネルミ!これが俺の力だ!『乱舞:鬼殺し』!」すると、ネルミの核が浮き彫りになった。「これで…」とセルキは上に上がり「しめえだ!」とセルキはネルミの核に一発右でヒビを入れて、左で核を割ってネルミに勝った。

「セル兄、…僕の負けだよ」とネルミは細々とした声で言った。セルキは「約束だぜネルミ。真相を話してくれ。」とセルキはネルミに言うと、ネルミはゆっくりと真相を話した。

「父さんは決行する一ヶ月前から計画してた。誰にも、家族にも見つからないように。でも、僕は父さんの部屋にあった計画書を見つけてしまった。その後すぐに父さんに気づかれて『死にたくなかったら誰にも言うな。そしてネルミ、お前にも手伝ってもらうぞ』って言われた。」と言うと、セルキの表情が重くなる。

ネルミは続けて、「そして決行日。父さんはおじさんとおばさんを殺りにいっている時にペル姉とセル兄を殺るよう言われて先にペル姉を殺った。その後すぐセル兄も殺ろうとした時、ペル姉が大声を出した。気づかれたと思った父さんはセル兄を残して家から逃げた。そして、自分がセル兄を養子にもらって、殺る機会を伺っていた。これが真相だよ」とネルミは重苦しい声で言った。

「けどあの時、母さんに相談することもできなかった。『死にたくないから』って思いになって。結局、僕は自分の身の安全を選んでしまった。そのせいでこうなってしまったのに、僕はセル兄を一方的に恨んでしまった。僕は恨む方じゃなくて、恨まれる方なのに。ごめんセル兄。保身のために家族を殺して。」「謝るなら俺の方だ。俺はお前が本当のことを話そうとしたのにそれを聞き入れずに殺してしまった。俺もお前と同じってことだ。」とセルキは謝るが、「もういいよ、セル兄にも言わなかった僕のせいだから。」とネルミが言う。

続けて、「セル兄、父さんをレイさんを止めて。レイさんがやろうとしていることは現世とあの世、両方に大きな影響を与えるものだ。」と言うと、セルキは「あいつは、レイ・グランティナスは何をしようとしているんだ」と言った時、ネルミの体が光り始めた。「そろそろお別れの時間だ。最後にセル兄、いい?」「なんだ。ネルミ」「また転生できたら、そのときはセル兄と兄弟がいいな」と言うと、ネルミは消えた。消えたあと、門が開いた。セルキは「ああ。俺もお前と兄弟でありたいな。」と呟きながら先を進んだ。

次回、ゴーキン視点

エレクトルナイフ 数万本のナイフを一気に飛ばす。


乱舞:鬼殺し セルキ初の技。ランダムに切り刻んで攻撃。威力は斬撃スピードによって変わる。

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