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AK  作者: 回収人の部屋
全国逃亡編
58/77

EP57:和歌山県の物型霊

西へと向かい、和歌山県へと着いたセルキはいつものように「で、今回はどっちだ?」と聞くと、「今回は向かう方だ。南の方へ行くぞ。」とアビスは言った。

南へと向かい、アビスが指示したところへとたどり着いたセルキは「なんだよここは…一面黒いし、地面は柔らけえしよ。なあ、アビスここはどこなんだ?」と聞くと、「ああ、先に名前をいうとだな『ベアーフィールド』だ。」とアビスは言った。

「『ベアーフィールド』?和歌山にんな場所あったか?和歌山って熊有名だったか?」とセルキが少し混乱しながら言うと、「ああ無理もねえか。なんせ、例の外国人二人が『熊野』って名前を聞いたとき、熊が多くいる野原だって勘違いしちまってこうなっちまったんだ。」とアビスは言った。

「か、勘違いから生まれた物型霊ってことかよ!…だが、熊なんてどこにもいねえぞ?」とセルキが言うと、「…下をよく見てみろ。」とアビスが言うので、セルキが下を見ると、地面だと思っていたものからところどころに目のようなものが見える。セルキがそのうちの一つを頑張って持ち上げると一頭の熊であることが判明した。

「おいおいおいおいおいおいおいおいおい!く、熊だったのか!?ここにある地面だと思ってたもん全部熊なのか!?これ、全部熊…何体いんだよこれ?」とセルキが言うと、「さあな、少なくとも100万くらいはいると思ったほうがいい。こいつらは、毎日のように誰が最強なのかを決める死合しあいをやりまくって最後の一頭になるまでやるんだが、それが今まで続いてたんだな。」とアビスは言った。

すると、奥の方から猛獣が雄叫びを上げていた。それも一頭ではなく、二・三頭はいると思われる。「っ!向こうの方から聞こえたぞ。あの雄叫びは…熊じゃねえのか?それも、かなりヤバくてでかいやつの!」とセルキがいうと、「ああ、っぽいな。だが、数は少ねえから、そろそろ争いに決着がつくってところだな。急ぐぞ、セルキ。」とアビスが言ったので、セルキは雄叫びが聞こえてきた方へと急いで向かった。

少しして雄叫びがしてきたところに着くと、そこには他のどうほうを狩りとっている最中についた地で真っ赤に染まった爪をしていた熊が二頭そこにいた。お互い一歩も譲らぬ争いをしており、次第にぼろぼろになっていっていた。

「なあ、今回俺がなんにもしなくても普通に倒せそうなんだが?」とセルキがいうと、「何言ってやがる!相手は物型霊、幽霊なんだぞ!こんな争いで出来た傷でも核が壊されねえ限り再生しちまうんだよ!」とアビスは言った。

すると、「うがあああああああああ!」と一頭の熊が雄叫びを上げて倒れ込んだ。どうやら決着がついたらしい。そして、そのあと漁夫の利をするかのようにセルキは飛びかかったが、そこは流石これほどまでのどうほう同士の争いを生き残った一頭だと思うほどに傷の治りが早く、セルキに爪を掻き立ててきた。これに対してセルキは驚きはしたものの攻撃はかわした。

「ま、まじかよあの回復速度…やっぱ、最強になったやつは格が違うってことか…」とセルキがいうと、「だから言っただろ!」とアビスはツッコんだ。

「だがまあ、あんな巨体でも核がある位置は同じだろ。それが分かりゃ、なんとかなるかもしれねえが…問題は、あの巨体と攻撃速度だな。少しだけしか見てねえとはいえ、凄え早かった。『乱舞』でもギリ行けるかどうかって感じだな…って、うお!?」とセルキが考えていると、残った一頭…すなはち、『ベアーフィールド』はセルキへと突撃してきた。

「まあ、ゆっくりと考えさせてはくれねえよな…ひとまず、『乱舞』を打ってみるか。」とセルキは荒々しく爪攻撃をセルキの『乱舞』のようにしてくる『ベアーフィールド』に真正面から『乱舞』を放つと、キンキンと鉄同士が叩きつけ合う音がした。

ー…もし、『乱舞』のほうが押し切った場合、そのまま『乱舞』で切り刻む。で、『乱舞』が互角だった場合、途中で離れてから『黒炎邪剣』の『末多無死』でなんとか斬る。で、『乱舞』が押し切られちまった場合、これが最悪…だが『黒炎邪剣』を一回地面に突き刺しといてそっから近づいてきたこいつに『仏断斬流』で下から一刀両断してやる!とセルキは考えた。

そして、繰り返し繰り返し『乱舞』と爪の連撃殴り合いが始まった。お互いに一歩も引かず、お互いに傷つき合いながらもその時間は過ぎていった。このときにセルキは互角であると感じ、これ以上の拮抗した勝負を終わらせるために密かに『黒炎邪剣』を出し、離れた後に一気に畳み掛ける準備をした。

問題は…離れるタイミングである。この場から一旦離れなければならない都合上、一度ふっとばされなければならないのだが、その間にも『ベアーフィールド』は自身の速力と大きさで迫ってくるのは間違いない。セルキはこのタイミングにすべてをかけるしかなかった。

ーもう少しだ…もう少し…とセルキは考え徐々に吹き飛ばされる用意をしていた。すると、このタイミングで『ベアーフィールド』が爪を大きく振りかぶってきた。このタイミングしかない!と感じたセルキは少し軽減しながらも、吹き飛ばされていった。

また、『ベアーフィールド』も大きく振りかぶった反動からか、爪が死体となった同胞に突き刺さりなかなか抜けずにいた。なんとか抜けたときにはセルキはすでに『黒炎邪剣』に切り替えており、一気に近づくと、「本来なら『末多無死』でやろうと思ったが、思ったよりも長くなっちまったからな…『末多無死』をするほどの体力もねえからな…一発で終わらせてやるぜ!『仏断斬流』!」とセルキは『ベアーフィールド』の脳天から斬りかかろうとした。それに『ベアーフィールド』は反応して防御したが、今も日に日に強くなっていくセルキには、『ベアーフィールド』の固い爪をも割りながら脳天から一刀両断し核が真っ二つに割れて消滅していった。

すると、一番強く『ベアーフィールド』となった個体が消えた瞬間に周りで倒れていた同胞たちも少しづつ消えていき、熊で真っ黒だった野が、元の山々へと戻っていった。「…本来はこんな場所だったんだな。結構変わるもんなんだな。ほんとに言霊の魔法とか持ってなかったのか?」とセルキがいうと、「ああ、冥界むこうにいたときに確認したんだが、マジでなかったぞ。大仏曰く、『本来、物型霊には決まった名前がなかったのである。名前をつけられると、その名前に見合うように姿を変化させるのだ。』なんだと。」とアビスは言った。

「ええ〜…んだよそれ。なんか、あとづけしたかのようだな…」とセルキが言うと、「まあ、物型霊なんてもんはそんな感じだぞ。名前がなければ形も一つに定まってねえからな。どんなもんが物型霊扱いになるかわかんねえし。」とアビスは言った。

「はあ、なんか物型霊って不思議で不可解なもんなんだな…」とセルキがいうと、セルキは飛んでいった。

すると、ギリギリの所まで来ていたゴーキンたちは、セルキが飛び去っていくところを目にして「行くぞ、みんな!」とゴーキンは大声を出して追いかけた。「げっ!あいつら追いついてきやがった!」と大声を出したことでセルキにも聞こえていた。「一旦全力で距離離すぞ!時間がかかりすぎたんだ!」とアビスが言ったので、セルキは出力を上げてゴーキンたちと距離を取ることに成功した。

「あっぶねえ…まだアイツラと対峙するわけにゃいかねえからな。で、次はどこなんだ?」とセルキがいうと、「ああ、つぎは冥世こっちで唯一賑やかなところ:大阪だ。」とアビスがいうと、向かう方向からは笑い声が聞こえてきた。「…確かに、冥世こっちとは思えねえほどだな。結構離れてても大分聞こえるぞ。」とセルキは言った。

ベアーフィールドの特性:多くの熊が出現し、長になるために争い合い、最後に残ったものが正式なベアーフィールドとなる。

ここらへんで物型霊について補足:物型霊の元は基本的に名前はなく、姿も定まっていない水の塊のようなものである。その塊とたまたま出会った死者は取り憑かれたかのように現世むこうで思い出になっている名所・名産を思い出し、その中でも一番印象に残っているものの名前を喋る。すると、それを聞いた塊は名前から想像して形を変化させる。なお、一度体が変化すると、元には戻らず前述した能力も失われ、新たな能力を生む。

冥世ここの物型霊ほとんど(琵琶子などの例外や、珍しい事例なんかはこれに該当しない)が例の外国人二人に出会い名前をつけられるまで水の塊だったということである。

追加補足(20250906):度々すいません。結局例外(琵琶子など)の設定は、水塊が取り憑いた名所・名産+その名所で亡くなった人の魂で構成されるということに落ち着きました。度重なる追加設定をお許しください。

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