EP47:千葉県の物型霊
南東へと向かっていったセルキは千葉県へと到着した。セルキは茨城県同様に立ち尽くしていた。「なあ、このくだりさっきやったばっかだぞ?またなのか?」とセルキが聞くと、「ああ。ここも同じように待ってりゃ分かる。」とアビスは答えた。すると、そこへカラカラと音を立てる物がやってきた。
「…おい、こいつもロットと同じくらいデカくねえか?この…落花生。」とセルキが言うと、「冥世 の名産品の物型霊は基本デカいやつだと思っててくれ。」とアビスは言った。
「当然だが、こいつにも名前があるんだろ?」とセルキが聞くと、「ああ、こいつの名前は『ピーナッツヴァイ』だ。」とアビスは答えた。
ーツヴァイ?ツヴァイって言ったら、現世で一回調べたことがあるな…確か…『二つ』って意味だったか?二つ要素がどこにも見当たらねえんだが…膨らんでるところが二つだからか?とセルキが思っていると「おい、何してる!来るぞ、セルキ!」とアビスが叫ぶと、セルキはハッとして近くまで来て上の部分を振り下ろして攻撃してきたピーナッツヴァイの攻撃を間一髪でセルキはかわした。
セルキはすぐさま『黒炎邪剣』を取り出すと、すぐに『仏断斬流』をピーナッツヴァイに向けた。すると、ピーナッツヴァイは反応出来なかったのかそのまま縦真っ二つに斬られてしまった。これには、いくら反撃とはいえまさかそのままやられるとは思っていなかったセルキはあっけにとられたあと、「なんか…呆気なさ過ぎねえか?ピーナッツヴァイ。抵抗する素振りも見せず、なんの能力かも分からずに終わっちまったんだが…」とセルキが言うと、「よーく考えてみろよ、セルキ。なんだあいつに『ツヴァイ』って付いているのかをよ。」とアビスは言った。
「ツヴァイは、二つっつう意味…だが、今のところ二つ要素はねえ…今のあいつの状況は、俺に真っ二つに斬られたあとだろ?…………ん?『真っ二つ』?っ!まさか!?」とセルキは何かに気づき見上げると、そこにいたのは、真っ二つに斬られたであろうピーナッツヴァイの姿がもとに戻り、更には二つに増えていた。
「そういうことかよ、ピーナッツヴァイ…核を確実にぶっ壊さねえとどんどん倍に増えていくってのかよ…俄然、燃えてきた。」とセルキはやる気を出していた。
一方でピーナッツヴァイは一方が持ち上げてもう一方で叩く攻撃を幾度となく絶え間なく仕掛けてきた。セルキはそれをかわして反撃をタイミングを狙っていた。一定の距離を取りながら、セルキはピーナッツヴァイの背後を取り、次は『乱舞:鬼殺し』で絶え間なくピーナッツヴァイを攻撃した。核があるであろう中心部分を集中的に狙いながら。
どんどんピーナッツヴァイ(片方)の殻だけが剥がれていくが、肝心の核が見えなかった。どこだと探しているが、どこにも見当たらない。そして、全ての殻を細切れにしたが、そこにあったのは殻だけで、核の存在は一切見られなかった。ふと、もう一方のピーナッツヴァイに目を向けて「てめえが持ってんのか?」とセルキが言うと、ピーナッツヴァイはそれに答えるようにバカにするときにやるゆっくりとしたうなずきをした。
これにセルキは怒り、飛び出そうとするが、背後から影がかかり振り向くと、そこには再び二体に増えたピーナッツヴァイがいた。そして、セルキは先程出てきた攻撃を今度はもろにくらってしまった(現在、ピーナッツヴァイは合計3体)。
立ち上がったセルキは、並んだピーナッツヴァイを見ると、「ん?さっき分裂した奴ら…もう一方のやつより一回り小さくねえか?」と言った。
ー分裂するたびにどんどん小さくなっていくって仕組みだったのか…そう言われたら、もう一方のやつも最初よりかはすこしだけ小せえ気がしてきたな。それよりも、分裂した奴らが一回り小さくなったから、これで見やすくなったぜ…さっき攻撃しなくてよかったな。とセルキは思いながら、一回り大きいピーナッツヴァイへと突撃した。
当然、そうしてくることはピーナッツヴァイ側も分かっているので、一回り小さいピーナッツヴァイたちでセルキと大きい方のピーナッツヴァイとの間に割って入った。
「邪魔だ!くそ共!」とセルキは叫びながら小さい方のピーナッツヴァイに突撃した。ピーナッツヴァイたちは、野球のようにスイングして攻撃をし、セルキは当たり前の如くかわしていた。そして、セルキは隙を見つけては攻撃をするが、その度にピーナッツヴァイたちは散って攻撃をかわす。この繰り返しをセルキとピーナッツヴァイたちは続けていた。
ゴーキンたちも迫っている状況でこのグダりだけはそろそろ外れたいセルキは、3回目の絶望神の力を開放した。そして、『絶舞:絶望と混沌に染められし棺』を使い、鎖で小さいピーナッツヴァイたちを拘束し、セルキは『末多無死』を使って、小さいピーナッツヴァイたちを一度破壊した。
セルキは、破壊したピーナッツヴァイたちがまた分裂する前に急いで本体の方へと向かうが、戦っている間に本体は遠くの方へと逃げていた。「待てや、ごら~ーーーーー!」とセルキは猛追して迫っていった。本体はセルキが猛追していることに気づき、その場で回転し始めた。そして、小規模ではあるが、砂嵐を発生させた。
セルキは、この本体の行動に対し、『聖舞:光明獄園』を使い、その砂嵐の中心にいるであろう本体に分裂しない程度の貫通具合で貫通させて、本体の動きを鈍くさせた。その結果、砂嵐は消え、本体の姿が露わになった。また、逃げようにも動きを鈍くさせられてしまったので、思うように体が動かない。そうしている間にもセルキにだんだんと迫られて言っているのを本体はひしひしと感じていた。
「ピーナッツヴァイ、てめえのその分裂にゃかな〜〜〜〜〜〜り苦しまれたがなぁ…こうなった以上、もうてめえの逃げる手はねえからなぁ。」とセルキは本体をにらみながら言った。本体は、そのセルキの表情を見ると子鹿のようにぷるぷると震えていた。
「最初に真っ二つにしたときには普通中心あたりにあるはずの核が無かったからなぁ。てめえ、俺と同じで核を動かしてるんだろ?だからよぉ、分裂できねえように且つ核を破壊できるように分裂体に使った技でとどめを刺させてもらうぜ。」とセルキは言うと、『黒炎邪剣』を取り出して、本体に躙り寄ると、『末多無死』を使った。だが、これだけでは完全には核を破壊しきれないと分かっていたセルキは、すぐにUターンして再び『末多無死』を使い、なんとか本体の核を破壊した。
その時、近くまで来ていた分裂体たちは、本体の核が破壊されたところを見てしまい、絶望しながらそのまま消滅していった。
そして、セルキがすぐに飛び去った20秒後にゴーキンたちがやってきた。大川は、すぐに風の音を聞いて「西に行った!」と叫んだ。そして、ゴーキンたちは急いで西へと向かっていった。
「なあ、次は何処なんだ?」とセルキが聞くと、「東京湾超えたあたりにある神奈川だ。」とアビスは答えた。「神奈川…候補が多すぎるなぁ…」とセルキはつぶやきながら飛んでいった。
ピーナッツヴァイの特性:本体が核を破壊されない限り無限に破壊されたところから分裂し続ける。ただし、分裂した個体は一回り小さくなるので見分けは付きやすい。




