EP32:幼馴染対決②
またまた一週間後、例にもよってまた闘技場が出現した。そして、また同じように大川と魔導が閉じ込められた。そして、また同じように今回の中ボス的な立ち位置と思われるNo.1が出てきた。魔導はNo.1の顔を見るや否やものすごい嫌悪感を抱いた表情をし「…父上」とボソッと言った。
そしてNo.1は「どうも、私は魔導術式の父の魔導念濁と申す者である。私は貴様らのように歯向かうガキには興味がないし馴れ合うつもりもない。それは自分の息子であっても同じことだ。術式…なぜお前が9代目なのだ…私こそが9代目にふさわしいというのに…!不常だ!クソだ!お前は欠陥だ!それなのに…それなのに…我らが祖先よ何故に私にこのような責め苦を虐げるのだ。」と自己紹介をしたあと一人ごとをぶつくさ言っていた。
セルキは剣道とゴーキンに「なあ、あれがクソ親ってやつなのか?俺はちっせえときに両親と姉死んでっからよ。そこらへん分かんねえんだ」と聞いてきたのでゴーキンは「ああ、ニュースとかでたまに見るやつだねぇ」と言い、剣道は「俺の親父殿のように家族を思ってやってたってのは分かったから良いけど…あれは完全に家族をそれも息子だけを嫌っていていかにも魔導になにかをやってそうな雰囲気があるクソ親だね」と細かく答えた。
すると念濁は「じゃあな、クソ息子とつるんでるガキども。いつもどおりの流れってことぁ分かってると思うから、せいぜい頑張れよ」と言い、奥に行った。そしていつもどおりの流れでセルキたちは三方向に分かれていった。
セルキは進んでいくとそこには少し怯えている青年がいた。その青年はセルキを見るや否や「ひっ!」と声を上げた。セルキは「よっ、蓮斗。相変わらず極度の怖がりだな。そこまで俺に対して怖がることねえだろうがよ」と言った。
この青年、原本蓮斗はとても怖がりで親の帰りでも少しビビってしまうほどまでである。しかし、セルキは不思議だった。ーあんな怖がりがどうしてここにいるのか?と。すると原本は「あああああああああああああああああああああああああ!レイ様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!なぜ。なぜ僕にこんな試練をぉぉぉぉぉぉぉぉ!僕はたしかに言いましたよぉぉぉ!?『セルキに勝ちたい』ってぇぇぇぇぇぇ!でもぉぉぉいくらなんでもいきなり過ぎますよぉぉぉぉぉぉ!ここまで来て怖い思いをするのは…もう、嫌なんですよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」と発狂しだした。
しかし、セルキはそんなことはどうでもよく、原本が言った『セルキに勝ちたい』とはどういうことなのか?セルキは必死に思い出してみた。セルキが原本と何かを競った記憶がないし喧嘩した記憶もない。なぜなら、原本は10歳のときに死んでしまったから。
すると原本は「なんだよぉぉぉぉぉぉ!セルキィィィィィィィィ覚えてないのかよぉぉぉぉぉぉぉぉ!僕が君に勝ちたい理由はぁぁぁ、君のような勇敢さがほしいからなんだよぉぉぉぉぉ!君に勝って、その勇敢さを僕にくれよぉぉぉぉぉ!」と発狂しながら言ってきた。
セルキは何がなんだかわからなかった。セルキが導き出した解釈はこうだ。原本はセルキの勇敢さがほしい➔臆病な原本と勇敢なセルキが戦う➔原本が勝つ➔勇敢さを手に入れるとこう解釈した。セルキがぐっと構えて向かう準備をしただけで原本は「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!く、来るなァァァァァァァァァァァ!」と言いながらぶんぶん腕を振り回していた。
セルキは何してんだという顔をしていましたが、次の瞬間に激しい痛みが襲ってきた。セルキが下を見ると右足の膝より下がごっそりと無くなっていたのである。セルキはーくそっ!俺ら死神は亡霊より回復速度がおせぇっつーの。ってか、なんでこうなったんだ?まさか…原本が?と不思議に思っていた。すると原本は平静を取り戻して「ああ、そうだった…僕は腕を振り回すことで発動する技をレイ様からもらってたっけ…たしか、『ロッドクラッシャー』…だったかな?よし、これがあったらセルキにかてるかもしれない!さあ、セルキ・マッカントリー。やろう!」と自分が有利かもと思った瞬間から落ち着きを取り戻して戦いを持ちかけてきた。セルキはここで退くという選択肢は当然ないので、「あったりめえだ、蓮斗!」と叫んだ。
…とは言ってみたものの、あの技があっては近づくことすら出来ない。『禁舞:怨恨吸滅』も黒いモヤを消す技なので使えない。そこでセルキは最善かつ様子見の『聖舞:光明獄園』を放った。すると原本は「ひぃぃぃぃぃぃ!な、なんか来たァァァァァァァァァァ!?消えろ、消えろ、消えろ、消えろぉぉぉぉぉぉぉ!『ロッドクラッシャー』ァァァァァァァァ!」と叫びながら発動させるとセルキが放った『光明獄園』は跡形もなく綺麗サッパリに消え去っていた。この時セルキはー…どう倒せってんだ?と思っていた。セルキが立ち尽くしていると原本が「セ、セルキ。来ないならさ…僕に殺されてくれよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」とまた叫んだ。
セルキは「うっせぇ!誰が殺されてやるもんか!俺はおめえをぶっ倒して先に進まなきゃなんだよ!そっちこそもう来ねえんなら殺されて道を開けやがれ!」と言った。原本は「駄目なんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!君を殺さないと、僕は変われないんだよぉぉぉぉぉぉぉ!だから殺されてくれぇぇぇぇぇぇぇ!」と叫びながら『ロッドクラッシャー』をまた放つ。セルキは避けることで精一杯でまともに近づくことすら出来ない。
すると、謎のものが急に「どうした?亡霊を全部壊すんじゃなかったのか?こんなとこで足踏みしてる場合じゃあねえだろ?」と話しかけてきた。セルキは「…るせぇ!あいつの技をどうにか避けることで頭がいっぱいなんだよ!おめえも俺の中から見てたんだろ?あれくらったら負けちまうってことをよぉ!」と言い返した。原本は「セルキ、さっきから誰と話してんだよぉぉぉぉぉ!僕との戦いに集中してくれよぉぉぉぉ!」と言ってきた。セルキは謎の者に「じゃあ、ヒントだけでいい!それだけでいいからどうすりゃいいのかヒントくれ。あとは自分で考えるからよ」と言ってきたので謎の者は「じゃあ言うがよ、あいつはなんでも破壊する技を持ってる。だがな、こっちにもあるだろ?『すべての亡霊をぶっ殺せる技』がよ」と言った。
セルキは「ああ、あれか…ちょうど、試したかったところなんだよなぁ。いっちょやってみるかぁ?」と不敵な笑みを浮かべた。その様子に原本は「なんなんだよぉぉぉその笑みはよぉぉぉ。ここまで来れないのに僕を倒すって言うつもりなのかァァァァ?」と聞いてきたのでセルキは「ああ、そのつもりだ。やっとおめえの技の弱点が見つけれたしな」と言った。
原本は「…弱点?」と不思議そうに呟いた。そしてセルキが「いくぜ、原本!」と言い、急に近づいてきた。原本は急にセルキが来たので怯えてしまい、『ロッドクラッシャー』を発動するもあらぬ方向に飛んでいってしまった。
セルキは「これが、おめえの技の弱点だ。おめえの精神が一定まで崩壊すると発動するんだろうが、それ以上に崩壊…つまり、俺が急に近づいたことによる恐怖で容量限界突破しちまって外しちまったんだ。」と答えた。そしてセルキは右手に『邪舞:黒炎邪剣』を出して原本に徐々に本当に徐々に近づいていった。
原本は「や、やめてくれぇぇ。く、来るなァァァ」と思いっきりわかりやすいほどに怯えた様子をしていて、続けて「ま、待ってくれぇぇぇ」と懇願するが、セルキは「駄目だ。レイ・グランティナス側にいっちまったんだ。じゃあな。『末多亡死』。」と言い、原本に複数回の斬撃をくらわせて時間差で一気に斬撃によるダメージを与えてそれにより原本の核が破壊された。
セルキは消えていく原本に近づいていき「原本、お前はもう昔に勇敢さと優しさを持ってたんだぜ。俺たちが10歳のときだ。俺が車に轢かれそうになった時におめえは飛び出して俺を助けておめえはそのまま轢かれて死んじまったんだ」と言った。
原本は自分がどうして死んだのかがまるで覚えていなかったかのような反応をした。原本は「…そう、なの?」と言った。セルキは「ああ、そうだ。俺もさっき思い出したばっかなんだよぶっちゃけ。まあ、いずれにしてもおめえは俺と戦わなくても最初っから持ってたんだよ。だから、おめえは向こうでもその勇敢さと優しさを忘れねえでいてくれ。」と言った。原本は「…わかったよ、アッ君」と言って消えた。セルキは「…じゃあな原本。そして、レイ・グランティナス!おめえは俺の周りのやつらの弱かった部分に付け込んだ。そんなてめえをぜってえに許さねえ…だからよぉ、ぜってえにてめえの計画を止めてやるからな!」と言って先に進んだ。
ロッド・クラッシャー 自分に近づいてきた技の効果を破壊したり、敵のどんなに硬い装備であっても必ず一回で破壊し、敵の部位を跡形もなく破壊する技。ただし、使用者の精神がある程度壊れていないと使用できず、さらには一定以上の精神崩壊を起こすと外れてしまう。
末多亡死 『邪舞:黒炎邪剣』の斬撃を複数(6)回ほど当てて、全て当たったあと時間差で全ての斬撃が同時にくらわせることが出来る。




