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AK  作者: 回収人の部屋
本戦
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EP29:決戦!No.2(ハクロー・エレイグス)

大川は「父ちゃん…?」と困惑していた。白朗はそんな息子の反応も気にせず「おみゃーはここで考えることを辞めるのか!?そんなことで世界一の音楽家になれると思うなよ!今のお前がなるのは夢を見るだけでなんにも努力をしないただの無職と同じなんだよおみゃーは!」と言った。

大川は「じゃあどうすればいいんだよ!父ちゃん!」と言っても変わらず「さっきおみゃーの仲間も言っていただろ!?『誰にもすがらずに自分でやってみな』って。なぜをしようとしない!?そうしないのなら世界一の音楽家になるなんて夢は諦めろ!」と言うと大川は「嫌だ!おいらは夢を諦めたくない!」と言った。

白朗は「じゃあ、おみゃーが今することは、俺と戦いながら曲を作ることだ!おみゃーが作った曲を作ってその曲で戦うことだ!そうじゃなきゃ、おみゃーは俺にも勝てずに、ただ仲間が危険な状態になっちまうだけだ!おみゃーは今までずっと自分の曲について何も考えなかったわけじゃないんだろ!?だったらその思いついた曲を最後まで完成させてみろ!途中で投げ出すな!考え続けろ!思考を止めるんじゃねえ!それが、今の俺『大川白朗』としての最後のアドバイスだ!」と言った。大川は「父ちゃん?何言って…」そう言いかけた時には白朗の後ろには例の黒いモヤが出現していた。

「ここまでだ鼓太郎。これからおみゃーとおみゃーの仲間が戦うのはもう優しい俺じゃあねえ…今からは」と言った直後に黒いモヤが白朗を包み込んだ。「心が鬼と化したこの俺『ハクロー・エレイグス』が相手だぜ!ガキンチョ共!」と変化し、いきなり大川を攻撃してきた。その攻撃をセルキが受け流す。ハクローは「いいね!じゃあ、果たして俺の息子の曲が完成するまでの時間稼ぎは出来るのかなぁ!?」と言った。

確かに、剣道が言ったとおり疲れている。ハクローの言う通り時間稼ぎが出来るのかは曖昧で誰もわからない。それでも、セルキたちは今回の敵ハクローを倒せるのは大川鼓太郎だけだということを分かっているので、体力が許す限り大川の時間稼ぎに徹する覚悟でいた。

いつもどおりセルキ、ゴーキン、剣道がハクローにコンビネーションを出しながら果敢に攻めていった。たとえハクローに自分たちの攻撃が当たらないと分かっていてもあくまで時間稼ぎなので当たればラッキー程度であった。

セルキは、『乱舞:鬼殺し』と同時に『極舞:百手怨弾撃』というセルキの連撃系の技を放ち続けていた。ゴーキンは先程同様に『秘拳:投影弾』を使い、翔連の『天翔連撃』を使ってこちらも連撃を使っていく。剣道は『盗剣:清龍水』で二頭の龍を出しながら『盗剣:火炎撃』で追撃をしている。しかし、ハクローになっても変わらず『攻撃を放つ時の音』のせいで全て避けられてしまう。

魔導は遠くから今まで出てきた魔法を使いサポートをしながら大川の曲作りの手伝いをしている。セルキたちが時間を稼ぎ、魔導と大川が曲を作るという状態であった。そしてその状態が数十分間も続いていた。いまだにハクローに攻撃を当てることが出来ずにただただ時間だけが過ぎていった。

しかし、ここまで時間が経っているのにも関わらず、ハクローは全く攻撃をしてこなかった。それどころか、セルキたちの攻撃を避けながらずっと大川の方を向いていた。心が鬼となったとはいえ、ハクローは自分の息子がどのような曲を作って自分と戦うのかを楽しみにしているかのようだった。

当然、その間にも大川は思考を止めはしなかった。そしてセルキたちも当然疲れだしている。特に剣道は怒りによる疲れが多々見られるようになった。それでも彼らは大川を信じ時間稼ぎを続けていった。そこからどのくらいの時間が経過していったのか。それでもまだセルキたちは戦い続け、大川は考え続けた。

その時、大川の口から「あともう少し…」と声が聞こえて来た。その瞬間、セルキたちは最後の力を振り絞り、最高火力をハクローにぶつけだした。たとえ技が避けられようとも、セルキたちはめげずに戦った。その行いが大川の心に響き、必死になって考えたのだろう。ハクローの同様に動き始めた。

「おみゃーらは少し疲れたろ。ゆっくり休みな、『ドラミング・インフェルノ』!」そうハクローが言うと、セルキ、ゴーキン、剣道に急に重力が乗っかりだした。セルキたちは動けなくなり、大川にだんだんと近づくハクローを見ることしか出来なかった。ハクローは大川の一歩手前で止まった。

その瞬間に大川が「…完成したよ、父ちゃん。おいらだけの曲が」と言った。すると、ハクローは「ほう…なら、聞かせてくれよ!」と言った。大川は始めに少し小さくぽんと叩いた。その後に言葉や文字では表せないほど激しく叩きながらもときには優しいメロディも流れてくる。そのメロディが交互に続いていく。初めに優しく叩き、同じフレーズを今度は激しめに叩く行為を何度も続けていた。それなら普通にできそうではあるのだが、実際に曲というものは同じフレーズが続くものであり、そこから少しづつタイミングをずらしたりして完成さていく。実際に大川の曲もそうなっている。

同じフレーズを二回続けて叩くのだが、二回目の激しくするときにはタイミングがずれていて全く違う音に聞こえてくる。その二回同じフレーズを続けたあとは今度は違う曲調のフレーズが二回続けて流れる。一見あまり大したことのないように思えることがそもそもの間違いである。それまであったフレーズから全く違うフレーズに持っていくことはとても難しいし、聞いている側も困惑してしまう。

が、そこをうまく続いているかのように表現するのが音楽家である。もちろん、大川もそうしているしハクローもそれに気づいている。そんなことが三分四十秒間続終えた。ハクローが「曲名は?」と聞くと大川は「『理想ゆめ現実じっさい』」と言った。ハクローは「優しいメロディが理想で、激しい方が現実を表しているのか?」と聞くと大川は「うん」と答えた。ハクローは「いいものだった。なら、その曲で俺を倒せそうか?」と聞くと大川は「やるよ、絶対に」と言った。その言葉を聞いた瞬間、ハクローは離れようとしたが足が急に重くなった。足元を見るとーーセルキとゴーキンがそれぞれ左足と右足を掴んでた。

セルキとゴーキンは「「いけ!大川!!」」と叫んだ。大川はもう一回『理想と現実』を奏で始める。そのとき、大川のボンゴから技の兆しが出てきた。大川は「じゃあね父ちゃん。『攻撃曲アタックミュージック全音波動フルビートウェーブ』!」と叫ぶと大川の周りに五線譜のサークルが出現した。大川は「魔導くん、氷壁で核のところまで!」と言うと、魔導は『魔氷:氷壁』を発動して核の位置まで来た。大川が曲をやめるとそのサークルが広がり始めハクローの核に近づいていく。ハクローは避けようにもセルキたちに足を固定されている。だが、『ドラミング・インフェルノ』を解除しても離さないと思ったハクローは大川の攻撃を受け入れ「それでいいんだ、鼓太郎」と言い、核は破壊された。

大川はハクローの元へ行き「父ちゃん…」と言った。ハクローは元に戻り、「鼓太郎、よく聞けよ。おみゃーが追いかけるのは親の背中じゃねえ。おみゃーが越すのは親じゃねえ。過去の自分自身だ。親を追いかけたって、親を追い越したってそれでは成長したとは俺は思わねえ。過去に自分が作った曲を追い越すすごい曲を作るときこそがそれこそが音楽家としての成長だと俺は思っているんだ。だからな鼓太郎、お前はこれから自分自身を追い越していけ。誰にも叩けないようなすげえ曲をな!」と言った。

その瞬間、白朗の体が消え始めた。大川は「ありがとう、父ちゃん。おいらこれから頑張るよ。だから父ちゃん、向こうで見ててよ!」と元気良く言うと白朗は「ははっ。じゃあ、楽しみにしておくぜ向こうで。おみゃーがどんな曲を持ってきて向こうに来るのかをな」と言い、白朗は消えていった。大川は白朗の近くにあったメモを取り、寮へと戻っていった。

ドラミング・インフェルノ 一度叩くと対象に重力を多くかける。一度この技をかけたあとはハクローが消えるまで重力からは開放されない。

攻撃曲:全音波動 大川のオリジナル曲『理想と現実』の曲を叩いている間は大川の周りにサークルをなしてとどまる。大川が曲を止めた瞬間に放出される。

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