EP15:決戦!No.4(ガルドラ・フルドレイク)
「わざわざ敵に教えるのか?そういうの」とセルキが聞くと、「ここらで言っても問題ねえからな。というか、言ったところで『黒いモヤ』は個人個人で違う特性になるからな。まあ、聞いてきたところで教えねえがな」と言った。
「…そこは流石に教えないんですね」と剣道がツッコむと「敵に塩を送るわけねえだろ。…でだ、『黒いモヤ』っつーのはな、俺たちNo.sしか持たねえ特性だ。」とガルドラは言った。
「他の人型霊は持たないんですか?」と今度はゴーキンが聞くと、「ああそうだ。本題からそれるが、そもそも亡霊の中にも階級っつーのがあるんだ。まず、一番下は何の攻撃も特性も持たない『さまよう亡霊』だ。その上が『腕・脚亡霊』。そして、そこから数々の恨みが集まった集合体っていうのが、『G・G』なんだ。」と答えた。
「じゃあ、人型霊の中の階級は?」と大川が聞くと、「人型霊は『死神になったやつの中で恨みを相当量持っているさまよう亡霊の中からレイ様に選ばれた者たち』が力を与えられて、人型になるんだ。ただ、そのときに自分がどうやって人型霊になったのかは記憶が改竄させられるんだ。」と答えた。
「あれ?じゃあ、なんであなたはそのことを知っているんだ?」と魔導が聞くと、「レイ様が教えてくれたんだ。どうも、代々No.4っつーのはおめえら死神に亡霊の特徴を教えるためにそうしているらしい。…っと話が結構それてきたな。戻すと、その人型霊の中からより一層深く恨みを抱いている五人が技と同時に『黒いモヤ』も一緒に出てくるらしい。」「じゃあ、ゴーキンの弟はどうなんだよ?」とセルキが聞いた瞬間、ガルドラの『黒いモヤ』のちからが強くなって、ガルドラを飲み込んだ。その時、ガルドラには「それ以上は暗黙の了解の域だぞ、ガルドラ。よって、強制的に発動させた」と聞こえているようだが、当然、外にいるセルキたちには聞こえない。
「おい!クソガキ共とセルキ・マッカントリー!俺は、おめええええええええを見てるとなああ、無性に腹が立つんだよ!クッソがーーーーーーー!!!」といきなり突っ込んできたので、セルキは対処できずにもろにくらい、吹き飛ばされた。
ーやべえ、背骨何本か折れた!「がはっ」ーくそっ、10分間くらい立てねえぞ。ここは…「頼む、お前ら。10分稼いでくれ!」そうセルキが叫ぶと全員が「「「「ああ!」」」」と答えた。セルキはこの時、こいつらは俺によくついてきてくれるな。ありがたいと彼らに感謝の思いだった。
ガルドラはにたっと笑うと「来い!ガキンチョ共!このガルドラ・フルドレイクが相手だ!」と高らかに言った。
いつもどおり、ゴーキンと剣道が攻めて、大川がバフやデバフ、そして魔導が後方支援をしていた。だが、大川のデバフ「付加曲:弱体化」を受けているのにも関わらず、スピード、パワーは衰えなかった。それどころか、バフ「付加曲:強化」を受けているかのような動きになっていて、ゴーキンたちを翻弄していた。
ゴーキンは受け身で、剣道は刀で防御していても、多少吹き飛ばされてしまうほどのパワーがあった。セルキはガルドラもボーンと同じようなパワー型で黒いモヤを動力源にしているのではと考えて、『禁舞:怨恨吸滅』をガルドラに放った。
だが、どれだけ黒いモヤを吸収してもその量は一向に減らなかった。次第に、セルキの容量ギリギリにまで溜まってしまって、今にでも弾けそうなほどであった。
その一方で、あと少しでセルキが動ける時間まで来たときに、ゴーキンと剣道は果敢に前に出た。それを察知した大川は全力で『付加曲:弱体化』をガルドラにかける。剣道はあの2頭の水龍を出そうとしたときに、魔導が『魔水:大滝』をガルドラにぶっかけた。魔導が「剣道さん、そこから出してみてください」というので剣道は濡れたガルドラの体から水龍を出そうとすると、2頭目は出なかったが、1頭はガルドラの体の一部を食い破って出てきた。
そのときに、ガルドラはひざまずいたので好機と捉えてゴーキンが『秘拳:怪力弾』を放とうとし、剣道も『盗剣:清龍水』を放とうとしたら、二人の体が、急に宙に舞い、背中から地面に打ち付けられ、動けなくっていた。
「…好き勝手しやがってよー?えー?ガキどもが!くらいやがれ、『ハリケーン・ホール』!」と言うと、、ガルドラを中心に半径およそ5mの竜巻が起こっていた。おそらく、ゴーキンと剣道はその射程距離内に入ってしまったことで、宙に舞い、飛ばされたのだろう。ガルドラは、おもむろに大川と魔導の方に向かい、大川と魔導は抵抗しようとしたが、ゴーキンたちと同じ状態になった。そして、セルキがようやく動けるようになって立ち向かおうとするも、先にガルドラによって飛ばさせてしまい、再び折れて動けなくなった。
すると、セルキに近づき、「クソガキが、舐めてんじゃあねえよ。今から、てめえの仲間を一人ずつやってやるよ」そういうと、ガルドラはまず大川のところに行った。「おい…やめろ…くそったれ」とセルキは言うが、「やめねえよ。これは俺に逆らった罰だ。」と大川に向かって『デッドゲイル』の構えを取った。「あ、そういや、おめえの母さんもおめえと同じ様にやめるように言ってたっけかな。あのときの顔は最高だったなぁ。じゃ、思い出に浸るのはここまでにして…殺るか」とガルドラが『デッドゲイル』を放とうとした瞬間、「…やめろって言ってんだろうがこのクソ野郎!!!!!!!」と動けないはずのセルキが立ち上がった。と、思った次の瞬間、地中から禍々しい手が何本も出てきて、ガルドラをふっ飛ばした。「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”…!」とセルキは人ならざる声を発し、体から不気味で暗い気配を出しながらガルドラをこれでもかとタコ殴りにしていた。ガルドラはーこのガキ、なんで動けている…!?ん?とガルドラはセルキの顔に目を向けると、ーし、白目を向きながら動いてやがる!あのガキにそんなに動ける力があるっつうのか…!と思っていた。一方で、目を覚ましたゴーキンは自分が今は少しの間動けないことがわかり、そのまま横たわっていたが、少しだけ起き上がることが出来た。
「今はセルキが戦っているのか?」とゴーキンがガルドラの方を見ると、背筋が凍るほどにゾッとした。「あれは…セルキなのか?」と目を疑ってしまうほどにセルキの容姿は変わっていた。その時、隣で倒れていた剣道が起き上がった。
「ゴーキン、大丈夫か?」と剣道が聞くと、「ああ、なんとか。それよりも剣道。あれはセルキなのか?」とゴーキンが聞くと、「何言っているんだ?今戦えるのはセルキだ…け…」と剣道は言葉が出なくなるくらいまでに目を疑った。なぜなら、そこにいたのは、セルキのようでセルキじゃない何か化け物のような怪物のような男がいたのだから。
ーあれはまず間違いなくセルキだろう。大川がまだ目覚めなくてよかったとゴーキンと剣道は思った。
「ごろ”ず!でめ”ぇ”を”ぜっ”だい”に”!ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”アァ”ァ”ァ”ァ”死ね”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”!」とおぞましい声でそう言っているように聞こえたゴーキンと剣道は顔面蒼白になってタコ殴りにされているガルドラを哀れんだ。そして、タコ殴りが終わったときにはもうガルドラはほとんど形を保っていなかった。しかし、核はまだ残っている。いわば、生地獄をガルドラは味わっている状態だったのだ。「あ”ばよ”、ぐぞっ”だれ”」そう言うと、セルキは止めの一発をくらわせて、核を破壊した。
核を破壊されたガルドラは生地獄を味わなくて済む安心感と同時に憎悪も抱いていた。「クソ…ガキが!俺は…こんなとこで…くたばってるとこじゃあねぇんだよ!ああクソが!体が消え始める!このぉぉぉ…くそっガキがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と最後までセルキを憎みながらガルドラは消滅していった。決着がついたその後すぐに大川と魔導が目を覚ました。
「あれ、ガルドラは?」と大川が聞くと、「倒したよ。セルキが」と剣道が優しく教えた。あくまでも、あの出来事は言わないというか、言えるはずがない。そして、魔導が「じゃあ、メモを取って、はやく戻ろう。」と言い、魔導はメモの一部を回収して本部の方に歩き出した。大川が魔導のあとをついていった。ゴーキンと剣道はセルキの近くで、セルキの目が覚めるのを待っていた。すると、ようやくセルキが目を覚ました。
「よっ、セルキ」とゴーキンが話しかけた。「ゴーキン…?はっ、そうだ。あのくそったれは…ってあれ?」と言うので剣道は「君がやったんだけど…覚えてないか?」と聞くと、「俺が?俺は、大川が殺られそうなところまでは覚えてるんだがなぁ」と言ったのでやはり、覚えていないのだろう。
「いや、覚えていないのならいいんです。それよりもはやく戻ろう。」「お、おう」と何気ない会話に戻った。その移動中にセルキはーそういや、あの時、俺は真っ暗な空間にいたっけな。それが原因か?もしかすると、夢に出てきたあいつとも関係が?そんなことを考えながら戻っていき、魔導が回収したメモの一部を会長たちに渡すのであった。
魔水:大滝 ただの妨害系の技。それ以上でも、それ以下でもない。ただ、剣道の盗剣:清流水との相性はいい。
ハリケーン・ホール ガルドラ・フルドレイクを中心の半径5mの竜巻を起こす。範囲内に入ってものはどんなに屈強でも必ず吹き飛ばされて、骨が何本かは折れる。動けない間にデッドゲイルで止めを刺すコンボもできる。
??? セルキが暴走したときに出てきた技。後の回で詳細は書きます。




