EP9:決戦!No.5(ボーン・アストレイズ)
急にボーンがそんな事をいうので、ゴーキンは「どんな話だ?」と聞くと、「なんであいつ(デルボ)が兄貴と同じジジイのとこに行けたのかについて」その答えが返ってきたとき、ゴーキンはたしかに疑問だった。スパーリングしたとき、デルボのパンチは威力が殆どなかった。
あの弟子を厳選している人が弱い弟を弟子にするはずがないのだ。「あのジジイが目ぇ付けたのは俺の方だ。俺があのときこの善人野郎が小学生にやられているときに俺がボコボコにしているところを見られてたみてぇで弟子になったんだがな、生憎と修行は好きじゃなかったからな、デルボにやらせてたんだ。そのざまがこれだ。確かに、俺達に兄貴を恨む理由はない。…けどな、あいつが力を望んだからこうなって対峙してんだ。そうじゃねぇと力を持てなかったから。」ボーンの話が終わると同時にボーンの体は異変が起こり始めた。
「ちっ。兄貴!ここからはマジの殺り合いになっちまう。レイさんがNoの秘められている力を強制的に出そうとしている。ここからの俺は俺じゃなくなり、理性が保てなくなる。そうなると、俺達はどちらかがやられるまで戦い続けることになる。だから…頼…む。俺を…俺達を…止…めて…」ボーンの声が聞こえなくなると同時にボーンの体から邪悪な気が漏れて光り始めたかと思うと、ボーンの体はガタイが良くなり、顔には般若の模様が浮き出ている。
「お前は…誰だ?」とセルキが聞くと、「俺のことは、ボーン・アストレイズ様と呼べ!今から殺される哀れな死神共!」
そう言われると、セルキが「これが力の覚醒なのか?自分の部下を駒のように扱うかレイ・グランティナス…!」「セルキ、前!」そうゴーキンが叫び終わる前にボーンの前より威力が上がっているだろうパンチをもろにくらってしまう。
セルキは吹き飛び、腹がすこし曲がっている。「セルキ!」そうゴーキンはセルキに近づくが、「ゴーキン!来るよ!」と大川が叫び、ゴーキンはとっさにボーンのパンチを間一髪で避けて、反撃のパンチを当てるが、びくともしなかった。「ぬるいパンチだなゴーキン・リカマラ!いいか?パンチっつうのはなこれなんだよ!」と思いっきりパンチをゴーキンにくらわせると、ゴーキンも吹き飛びはしたが、かろうじて威力を弱めた。
剣道、魔導が次に攻撃を打ち込むが、全てかわされてしまう。大川も弱体化をかけたが、スピードなどが全く衰えていない。「な、なんで!?」「そりゃそうだ。今の俺様は常時『筋力強制強化』状態だからな!」と大川を煽り、セルキのところに向かった。それと同時にセルキは距離をつめようとする。が、突然再び吹き飛んだ。「セルキ、あいつのパンチをくらったのか?」「いや、くらってねえ。距離は数メートルは離れてたはずだ。だが、どうなってる!?あいつもまた遠距離攻撃をもってんのか?」すると、大川が「空気の波動だよ!」と叫んだ。「いまボーンは自分のパンチを空気の波動に乗せて見えないパンチ砲を出したんだ!」「…耳はいいと聞いたが、ここまでとはな。そうだ!これが俺様の初見殺し『ウェーブパンチング』だ!」「ちっ。考えることが増えたぜゴーキン、剣道。」「ああ。あいつの『ウェーブパンチング』が来るかどうかってことだろ?」「なんて厄介な…でも遠距離攻撃なら俺も持ってる。もし、相殺が出来たら、一気に叩き込んでくれ。」「分かったよ、剣道。」と三人は立ち上がり、そして剣道が『盗剣:水砲斬』を繰り出すと、ボーンは『ウェーブパンチング』で相殺した。
その一方でセルキとゴーキンは考えていた。相殺できているとはいえ、あの『筋力強制強化』のせいで止めを刺せないのでは無いかと。では、どうしたらいいのか?そう考えていると、セルキはあることに気づいた。ー…なんだっけ?あの黒いモヤは?そう思うと、セルキは福田の初任務時の言葉を思い出した。『亡霊からたまに出る黒いモヤは、その亡霊の動力源だ』と言ったことを。
ーだとしたら、あのモヤを外さないとな。でもどうやって?そういや、小さい時にテレビで相手の力を吸収っつうか、回収っつうか、そうするキャラをみて憧れてたっけかな。…ん?待てよ、見様見真似でやってみるか?そう思い立ったセルキは鎌を突然前に出し、回した。ーえーっと確か、相手に向けてやってたよな?「何してんだよセルキ!はやくしねえとこっちに来ちまうだろ!?真面目に考えてくれよ」とゴーキンが言うが、続けた。
ー…で、左手を獣っぽくして。少しづつ思い出しながらその構えを取るが、剣道も限界に近い。ボーンに一気に間合いを詰められそうだが、それを魔導が抑え込んでいる状態だ。その時、大川は「おいらはこんな状況でも役に立てないのかな」と自己嫌悪に陥っていた。「大川」とセルキが呼び、「弱体化の反対…強化って出来ねえか?」と聞く。すると大川は「多分、『付加曲:弱体化』の逆で叩けば。」「なら、ボーンが弱まるまでに準備していてくれ。」そう言いながらセルキは回し続けた。すると、鎌からでてくる光が強くなり、黒くなっていった。
「セルキ!もう俺は行くからな!剣道、交代だ」とゴーキンはボーンの方に行った。剣道はセルキたちの方に戻り、魔導から「…おつかれ」と言われた。ー剣道はかなり時間をかけてくれた。後もう少しまでな……っ!来た!「ここだ!『禁舞:怨恨吸滅』!」そうセルキが叫ぶと、ボーンから出ているモヤがセルキの鎌に吸い寄せられていく。それと同時に、ボーンの力が弱まって、スピードも落ちて段々と交代したゴーキンの攻撃が効くようになった。「大川、準備できたか?」「できてるよセルキ!」大川のボンゴを見ると、光が強い。「今だ!」そうセルキが叫ぶと、大川は「『付加曲:強化』」といい、ボンゴを叩くと、ゴーキンから光が出始めた。「いったれ!ゴーキン!」すると、ゴーキンは一気にボーンに近づき、超の時と同じ右手で『秘拳:貫通弾』を放った。
動力源である黒いモヤを失ったボーンは正面からもろにくらって、核を破壊され、黒いモヤは完全に消えた。
「兄…ちゃん」その声にいち早く気づいたゴーキンはボーン…デルボの方に向かった。「…僕はまた…負けちゃったんだね」「ごめんな、デルボ。俺があのとき手加減できていれば」「ううん。あそこでは手加減は駄目だったでしょ?だから、あのとき兄ちゃんとスパーリングした時点でこうなっていたんだ。…でもこうなったのは僕のせいだ。」「…えっ」「僕があのとき力を求めずにあのまま昇天していたらこんな形で兄ちゃんと戦わずに済んでたんだろうからね。」「デルボ…」「あっ、最後にもうひとりの僕が言いたいことがあるって」「ボーンか」「兄貴、ありがとな。俺を…俺達を助けてくれて」「…これが助けになるのか?」「なってるさ。少なくとも俺とデルボは」すると、ボーンはある紙をゴーキンに渡した。「…これは?」とゴーキンが聞くと、
「それはレイさんの『ある計画』の一部のメモだ。…レイさんはとんでもねえことを企んでる。気をつけてな兄貴。」「ボーン、デルボ。ふたりともありがとう。」そうゴーキンが言うと、ボーンはにかっと笑い消えた。AKが委員会に帰る途中でセルキたちはその『ある計画』の一部を見た。そこに書いてあったものはこの世界の理から反するものだった。そして、AKは急いで委員会に戻り、その一部を会長たちに見せたのであった。
ウェーブパンチング 空気を使って波動にすることで、見えなくしたパンチ。ボーンの力も相まってか威力は計り知れない。
禁舞:怨恨吸滅 黒いモヤを失くすための技。右手で鎌を回し、左手は対象に向けることで黒いモヤを失くすことが出来る。
付加曲:強化 読み方はエンチャミュージック:アップポイント。『弱体化』の逆で味方を強化する。強化中は光が出る。
黒いモヤ レイ・グランティナスに強制的に力を開放されたときに出てくる。消滅すると、支配から開放される。




