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この日が来たようです
「ふう…」
二人が部屋を後にした後、アイリスは笑顔を崩した。
(二人には…うまく隠せたかしら。)
頬に手を当て、不安げなため息をつく。
本当は、今日という日が不安で、マルタに起こされるずっと前に起きていた。
(ついに、この日が来てしまった…。)
のろのろとクローゼットに近づき、用意された服を手に取る。
服に袖を通すと、新品らしいパリッとした感触に、気が引き締まる。
(緊張する…。)
服を着終え、鏡の前に立つ。
8年前よりぐんと背も高くなり、きつそうな目もまあまあ和らいだ…と思う。
鏡に映る、いつもよりもめかしこんだ自分が、緊張の面持ちで見つめ返してくる。
にこりと笑ってみるも、瞳には不安がともっている。
「…。」
鏡から離れ、本棚へと近づき、一冊のメモ帳を手に取る。
始めて持った時は少し大きかったメモ帳も、今では片手になじむほどになった。
表紙は少し擦り切れ、ページはもう半分以上埋まっている。
(8年前からずっと書き続けてきたフラグメモ帳…。)
アイリスはメモ帳をぎゅっと胸に抱いた。
(役立てる時が来たわ。)
ここは、乙女ゲームの世界。
そして今日は、魔法学校の入学式だ。
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