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長い一日だったようです

無事お茶会を終えられたアイリスたち。

クレーヴェルは模様替えのためのアイデアは得られたのか…

「では私たちは、失礼しますね。」


「はい。お気をつけて。」


別れの言葉を述べ、アイリスたちはラナの屋敷を後にした。


日も傾きかけ、フーピテル家の屋敷は明るいオレンジ色に染まっていた。


玄関先で手を振るラナに手を振り返し、アイリスたち三人は馬車までの道を歩いた。


「それにしても…今日は色々と盛りだくさんの日だったわね。」


「ええ。アイリス様とクレーヴェル様は、とてもお疲れでしょう?」


「少しね。でも、ルビーがいてくれたおかげで助かったわ。」


「いえ私など…。しかし、フーピテル侯爵夫人はとてもお強い方でしたね。」


ルビーはうっとりとして言った。

すっかり侯爵夫人のファンになったようだ。


(確かに、あの姿は本当にかっこいいものだったわね…)


アイリスもうんうんと納得する。


「本当ですね。それに、とてもお優しくもありました。」


クレーヴェルも賛同した。


「最後の表情がラナにそっくりで、可愛らしく感じてしまったわ。」


その時を思い出した三人は、夫人のはにかんだ顔に心を和ませた。


(あれをツンデレっていうのかしら。可愛らしかったわ…)


「じゃあまた、会いましょうね。」


馬車に着いたアイリスは、ルビーに向かってそう言った。


「はい。またお会いできるのを楽しみにしています。」


ルビーはそう言うと、馬車に乗り込んだ。


「私たちも帰りましょう。実を言うと、くたくたなの。」


「ふふ。僕も。今日は大変だったから。」


「お疲れさまね。」


「僕たち二人ともね。」


二人は馬車に乗り込むと、疲れたように座席にもたれかかった。




「そうだクレーヴェル、いいインスピレーションは得られた?」


屋敷への帰り道、アイリスはクレーヴェルへと聞いた。


「うん。とてもいいのを見つけたんだ。」


クレーヴェルは清々しい顔で言った。


「それはよかったわ。じゃあ屋敷に戻ったら打ち合わせね!」


「大丈夫?疲れてるんじゃないの?」


「それとこれとは別よ。デザートが別腹なのと同じ!」


「そういうものなのかな…。」


ウキウキするアイリスに、クレーヴェルはあきれて呟いた。

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