表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/90

最強のお友達のようです

ラナの屋敷にお邪魔しているアイリスたち。

庭を案内してもらうようですが、お客さんが紛れているようです…

本庭に着いたアイリスたちは、その美しさに唖然とした。


広大な敷地には多種多様な植物がのびのびと、しかしきちんと節度を保って植えられていた。


木々はみずみずしく生い茂り、色の薄い花々は落ち着いた雰囲気ながらもはかない可

憐さがあり、冬の寂しさを一切感じさせないほど生命にあふれていた。


「すごい…。」


アイリスたちは白いバラの咲き乱れるトンネルを抜け、ラナの案内のもと、芝生の小道を歩いていた。


カーブを描く芝生の道は足に心地よく、両側には宿根草が手前から奥に背の順に植えられている様子は、さながら不思議の国の迷路のようだ。


「なんだか…同じところをぐるぐる回っているみたい。」


アイリスはキョロキョロと辺りを見回した。


「迷ってしまいますね。」


「ルビー様は耳が良いから、すぐに抜け出せますわよ。」


先頭を歩くラナが笑った。


「確かにそうね。」


アイリスも相槌を打った。


「いえ、そんなことは…。」


顔を赤くして、ルビーはうつむいた。


「マルス家の方々は皆さん身体能力が高いのですよね。うらやましいですわ。」


「ねー。私もルビーに助けてもらったことがあるのよ。」


「まあ、そうなのですか?」


「ええ!ルビーはとってもかっこいいんだから。」


二人の会話に、ルビーはさらに顔を赤らめた。


「かっこいい…」


アイリスの横で、ぼそりと呟くクレーヴェル。


(僕ももっと剣術に励もう。)


「そういえば、クロノス家のご子息もマルス家で訓練なされているのですよね。」


ラナがこちらを振り返って言った。


(クロノス家…あぁ、あの時の子ね。)


アイリスは以前矢を飛ばしてきた、トリスタンの顔を思い浮かべた。


「トリスタンをご存じなのですか?」


ルビーが驚いたように聞いた。


「ええ。ここの庭の土は、クロノス家の方からいただいているのです。家系的にも近いですから、私たちの魔法によく馴染んでくれるんです。」


「だからここの植物はとても生き生きしているのね。」


アイリスが言うと、ラナは頷いた。


「ええ。それと、アイリスのお家の魔法のおかげでもあるのですよ。」


「え、そうなの?」


目を丸くするアイリス。


「草魔法はクロノス家の土魔法とメルキュール家の水魔法から派生しているから、相性がいいんだよ。」


クレーヴェルがアイリスに耳打ちした。


「あー…そんなようなこと誰かが言っていたわね。」


「誰かって…この前授業で習ったよ。」


あきれるクレーヴェル。


「そうだったのね。じゃあ、私たちもこのお庭に貢献してるってことね。」


そんなクレーヴェルを気にせず、アイリスは嬉しそうに言った。


「そうですわね。」


ラナも微笑んだ。




その後、四人はおしゃべり楽しみながら庭を回った。


各区画ごとにテーマが違い、進むたびに色々な景色を楽しむことができた。


「まるで違う国を旅行をしているみたいですね。」


たくさんの木々の並木を歩きながら、ルビーが言った。


「本当。ここなんて、まるで森の中にいるみたいだわ。さっきはきれいなお花畑にいたのに。」


アイリスはきょろきょろと辺りを見回して言った。


木漏れ日が差し込む森の小道は、艶やかな植物たちの香り豊かで、本当に森の中心に迷い込んでしまうかのように感じさせる。


木々に囲まれているせいか、辺りはうっすらと霧がかっており、アイリスの髪は少し湿り気を帯びた。


かすかにサラサラと水の流れる音がする。


(すぐ下に川が流れているのかしら。)


そんなことを考え、のんびりと歩いていると、不意にルビーが


「お待ちください。」


と言って、アイリスたちの前に進み出た。


「ルビー…?」


ルビーの突然の行動に、アイリスたちは困惑気に立ち止まった。


「誰ですか?そこにいるのは。」


ルビーは前方に向かって厳しい視線を向けた。


「出てきなさい!」


そう声を上げると、木の陰から、人影が現れた。


「あ、あなた…!」


お読みいただきありがとうございます。

また、ブックマーク登録もありがとうございます。励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ