私詩
「雪の降る」
何処か遠くで降ってゐた
大きな空の雪の子が
しんとそこからやって来て
迷子になってしまいます
ひとひらのそれを探しても
私に出来ぬと思ひつつ
両手ですくってみるのです
何時しか雪は溶けてゐて
愈々出来なくなりました
まるで私のやうでした
「ストーカーまがいの」
僕があなたを思うほど どこか困ったやうに笑います
あなたの幸せは僕の幸せ
ならばいっそあなたを嫌いと言ってみよう
僕があなたを嫌うほど すっかりほっとしたやうに笑います
あなたの幸せは僕の幸せ
嫌いだ 嫌いだ 嫌いだと
だのにどうして 悲しくなるのでせうか