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だいじゅうさんわ

俺はゲーマーだが、妹はゲームが苦手だ。

昔、一緒に格闘ゲームをしたんだが、コマンドが覚えられず。

説明書を見ながらやっても発動せず。

一時間ほどで何故か指に水膨れが出来るという、ゲームの才能がここまで皆無な奴の方が珍しいと思うのは俺だけだろうか。

しかもコントローラを壊しやがりました。

解体したら見事にボタン部分のシリコンがブチ切れてました。

どうやったらそんな事になるのか知りたい。

しかも俺の小遣いで買い直しました。

父さんの命令で妹専用コントローラを。

解せぬ。

そんなアホが唯一するテレビゲームがギャルゲーだ。

何故そんな話をするかって?

今。現在。俺の部屋で。

アホが絶賛プレイ中だからです。

どこの世界に兄の部屋でギャルゲーをする妹がいる?

恐ろしい事にココにいた。

俺の目の前に。

「にゅふふ。チョロイ」

兄の目の前で、ゲスい笑みと呟きを吐きながらギャルゲーを楽しんでいる妹なんて俺は認めん!

コイツは妹ではない。

ただのアホだ。

ソフトは俺のだけどな。

妹にやらせてる俺も俺だが。

「オススメ、貸して?」

と言われれば、ついついお気に入りのソフトを渡しちゃうじゃないか。

語れる相手が欲しいんだよ!

悪いか!友達いねーんだよ!

だが、流石にヤバイヤツは見せられないので健全な所で終わるゲームです。

現在、コイツが狙っているのは、ギャルゲーによくある男装している女の子。

だが、目の前にいるのはアホだ。

「にゅふふ!さぁ!ホモればいいよ!!」

主人公と男キャラをくっつけようとしている。

これはギャルゲーだぞ?

基本的に男が楽しむゲームだぞ?

ありがち過ぎて、キャラを見た瞬間に誰もが分かるだろう”実は女の子”設定に気付いていない。

本当の男キャラを落とせるギャルゲーなんて誰得だよ。

気付けよ。

そうして、アホは気付かないまま、エンディングで知らされる事実。

『あの…実は理由があって男の振りをしていたんです…』

「にゃっ?!」

プレイヤーことアホを置き去りに、ゲームの中ではイチャつき始める主人公と男装を辞めた女の子。

ポカーンとアホがアホ面をしている。

「………ふざけんなー!!誰得?!誰得なの?!なんで?!男でいいじゃん!?主人公とホモの世界にレッツゴーでいいじゃん?!」


バシーンッ!ゴッ!


「コントローラを投げつけるな!人の部屋を破壊すんな!」

お前が壊しても俺の金で買い直すんだぞ?!

「だって!騙された!!なんで女?!」

半泣きになるほどの事か。

「ギャルゲーなんだから当たり前だろ…」

「誰得?!ホモろうよ!新しい扉を開けようよ!!」

「そんな扉はいらん!」

「そこをなんとか!」

そこまで必死になるほどホモが見たいのか?!

「じゃぁ、そっちのゲーム買えよ」

世間にはあるだろう。

ホモしかいないゲームが。

「アレはつまんない。尻軽ホモ好きくない」

ワガママか!

しかも尻軽って…。

コイツはホモにどれだけの夢を見ているんだ?

ギャルゲーもコイツに言わせれば「チョロイ尻軽女の子」を落とすゲームなんだが。

それはいいのか。

「じゃあ乙女ゲーでも買えば?男落とせるだろ」

ホモにはならんが。

基本、主人公の姿は見えないんだし。

男気分でやればいいんじゃないのか?知らんが。

「人気作品をやった…」

「やってんじゃねーか」

「食わず嫌いいくない」

変な所に運用すんな。

ゲームがゲームだけに解釈に悩むだろうが!

「で?」

「好みのイケメンキャラが…お気に入りキャラが…」

お気に入りキャラまでいたらしい。

「キメ顔でキメ台詞を喋るシーンで寒イボ立った!!」

「なんでだよ?!」

そこは女子的にはトキメキ場所じゃないのか?!

トキメクから、そういうカットがあるんだろ?

あ。コイツ、女子じゃなかった。

「なんで主人公はピュアな女の子なの?男で良かったのに…」

乙女ゲーをBLゲーにしようとするな。

武器フェチは武器フェチだった。

バトルは好きだが、恋愛要素はいらなかったらしい。

それ、乙女ゲーって言わねぇだろ。

「うぅ…デレが多いんだお!そんなにいらない!!デレがツンくらいでちょうどいいのに…」

それはかなりマニア層にしか売れないと思うんだが。

そもそも。

「デレがツンって何だ」

それは最早デレとは言わん。

「『べっ別にあんたの為じゃないんだからっ!』って、何かくれたりとかするのあるでしょ?そこを無言で投げつけてくるくらいで!ベシーンッて顔面に投げてくるか、地面にポイッてするくらい!!」

お…お前、M気質だったのか?!

どんだけ新しい扉開けてんだ?!

開けちゃダメなモンまで開けてんじゃねーよ!!

「いや、ないから。そんなもんないから」

そんなのが世間に出回ってる上に人気あったら、俺は本当に女性不信になるぞ。

「罵倒シリーズのドラマCDとかは売ってるのに…」

アホはなんだが聞き捨てならない、認めたくない情報を呟いて、肩を落として部屋から出て行った。

恐らく、得意の不貞寝でもするんだろう。

だが…

罵倒シリーズって何ですか?

それのドラマCDって何ですか?

シリーズ化するほど売れてるんですか?

世間の女性はそれをお望みなんですか?

想像した俺は、悪寒がした。

罵倒され身悶える女性達。

もっと、と罵倒を強請る女性達。

怖っっ!!

よって、アホ同様に寝る事にした。

うん。そんな女性はいない。

いないったら、いない!!

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