【外伝1】王国に捧げる剣《つるぎ》
外伝1はリオンとルキアの初めての出会いを描いております。
二人はどんな出会い方をしたのか、どんな事があったのか。
それを外伝で知っていただけたらな、と思います。
この作品はリオン目線です。
中央に位置する王国、アルメリア。
周囲を四つの国で挟まれていながらも、国を守り、囲うように存在する森。
そして何より、武力国家グランヴァルとも対等に渡り合う軍事力を持つ大国。
その為か侵攻される事は少なく、中立という立場上『調和の国』だなんて呼ばれている。
この国の国王オーシャンも、王妃ラリティアも確かな実力を持つが、何より戦争を好まない穏やかな人柄で、こちらから戦争を仕掛ける事もない。
東西南北の四大大国と中央王国、それぞれが互いに均衡を保つ平和な大陸。
時々ちょっとした歪みから小さな戦が起きる事もあるが、そうなれば仲裁役として駆け付けては手助けをする。
それが俺達の国、アルメリアという王国だ。
これはまだ各国の均衡が保たれ、何の火種もない平穏だった頃の話―――。
「お兄様!わたしに槍を教えてください!」
「だから、お前は覚える必要ないだろう。
魔法は覚えたんだし」
「それはお兄様と同じですっ!
わたしだってお兄様のように両立したいんです!
お母様だって武器で戦えるのに!」
「だったら母上に教わればいいじゃないか…」
「お母様も「あなたに武器は危なすぎる」って、
教えてくれないんだもんっ!」
「……うん、俺もそう思うよ」
「ちょっとぉーーーっ!!」
最近、妹のエクナリスが武器を教えてくれと言ってくるようになった。
おそらく、父も母も俺も武器で戦えるのに、自分だけ魔法のみというのが気に食わないのだろう。
だが、あいつのドジっぷりを見てきた兄としては、母の“持たせられない”に激しく同意した。
庭の手入れを任せれば、草を毟るどころか、花や、やっと大きくなってきた木も抜く。
皿も落として割るし、台所に立てば爆発する。
よく「箱入り娘はよくない」なんて言われるが、むしろ箱に大人しく入っていてほしい。
そういえばあいつの愛馬、シャロも手入れ中よく毛を抜かれるとか。
天馬だから羽根も抜かれる。
抜くといっても、もちろん少量数本だ。
正直、よく逃げないなと思う。
そんなやつに武器なんて持たせたら、いつか遠くない未来、城が原因不明の崩落事故で、倒壊するんじゃないか。とすら思う。
だから、父も母も俺も教えないでいた。
エクナがふてくされてシャロに抱き付きに行ってくれたので、俺は今の内にできるだけ手早く飛竜の世話をすることにした。
飛竜の名前はルーノ。
傷付いて飛べなくなったらしく、森に倒れていたから治療してやったらそのままついてきた。
庭で天馬のシャロと一緒だが、ルーノは大人しいようで何事もなく共存している。
むしろシャロに敷かれているような気がするが、多分気のせいだ。
何より、天馬と飛竜なのに仲が良いのが不思議でもある。
もちろん戦闘能力もあるから空中戦は頼りになるんだが、基本はペットのようなやつだ。
一通り世話を終えて城に帰ろうとしたのだが、ルーノがやたらつつくので何かと振り返ったら…口にハーネスを啣えている。
…散歩か。
丁度、今日は特別急ぐ予定もないし、少し付き合ってやるか。
そんな俺の様子にすぐ判断したのか、嬉しそうに背を屈めたので、そのままその背上に跨がる。
「あれ? ルーノ、お散歩?」
ルーノに跨がる俺の姿を見てはエクナが駆け寄ってきて、ルーノの頬を小さな両手で撫でながら見上げた。
さっきまで「武器を教えろ」と食い付いてきていたが、もう今は言ってくる気配もない。
日頃はこう大人しいから良いんだがな…。
「ルーノが連れてけって言うからな。
少しだけ行ってくるよ」
俺の声に反応してルーノが嬉しそうに一声鳴いた。
それを笑って見ていたエクナは「気を付けるんだよ」と優しく言えば、ぽんぽんっとルーノの頭を軽く撫でる。
「お父様達には伝えておきますね。お兄様もお気をつけて!」
ルーノから離れて少しだけ大きな声で言うエクナの言葉を合図に、ルーノは大きく翼を動かして宙に浮く。
「ああ、行ってくる」
ブワッと一気に空高く舞い上がれば、もう地上のエクナは小さく見えた。
小さい体で一生懸命に両手を振る姿に何ともいえない気分になる。
シスコンではないが、容姿は小柄で可愛らしく何より優しい。
王国内でも、何人かの兵士や民に人気があるようなのもわからなくはない。
台所に立てば爆発するが、それでも菓子作りだけは得意らしく味もいい。
編み物や手芸も得意という、意外な女らしい特技もある。
…いや、意外は余計か。だが…。
「他が破壊的にドジだからな…」
ぼそりと呟いた言葉は虚しく空に流れ消えていった。
ちょっとしたドジっ子ならまだ許せたかもしれない、が、破壊的だ。
誰か家庭的な男と一緒になればいいんだろうな。
まあ一人いるんだが。
エクナに惚れてる家庭的な男、ラルファースが。
「グゥ」と下から声がすれば「すまん」とばかりにルーノの頭を撫でる。
俺は先程の考えや思いはどこかに捨てて、ルーノの背を軽く叩けば、そのまま心地よい速度でゆったりとした空中散歩が始まった。
気の向くまま好きなように行かせ、行ってはならない場所や領空侵入にならないよう見守るのが俺の役目。
しばらくの間、好奇心の向くままに散歩をしていた中、ルーノが小さく不思議そうな声を上げて森の方角へと飛んでいく。
森の上空を旋回するように飛んでは、何かをうろうろと探しているようだった。
――何かあるのか?
そう思って、俺もルーノの背上から辺りを見渡してみる。
森と街道ばかりで特に気になるものは見当たらないが、ふと視線をずらし、アルメリア王国から西の方へ続く、街道から少し外れた細い道に目を凝らす。
その木々の生い茂る細い道の途中に、何か不自然な人影が見えた。
「何だ?」と、ゆっくり旋回する中目を凝らしてその人影を確認する。
「人が倒れてるのか!? ルーノ!あそこだ!」
少し身を乗り出すように指差せば、ルーノはその先を辿って人影をその目に捉えた。
背中を叩けば急いでその影の元へ降りて行き、地面にちゃんと着地する直前に俺は飛び降りて駆け寄った。
「おいっ! 大丈夫か!?」
倒れたまま反応しないその女性を抱え上げて声をかけたが、意識を失っているのか全く動きもしなかった。
ここは街道から外れた、森と隣接した人通りの少ない場所。
一体いつからここに倒れていたのか不安になるが、どうやらちゃんと呼吸はしているようで着衣の乱れもない。
何か厄介な事に巻き込まれたわけでもなさそうで、辺りに人影も気配もない。
まあ、周りに他に人がいないということは、つまり助けも呼べない事態なんだが…。
…こう、あまり女性の扱い方がわからないのだが、声をかけても軽く揺すっても目を開ける様子もない。
どうすればいいんだ…っ!?
通り掛かってくれる人を探したが、相変わらず気配すら全く感じず完全に弱った。
とにかく城まで運ぼうか?と抱えて立ち上がった時、サラリと手に冷たくもサラサラしたものが流れる。
今まで必死だったからあまり気にしなかったが、綺麗な人だな。
多分、俺と同い年か少し下くらいだろうが、あまり見慣れない白銀の長い髪と色白の肌。
それより気になるのが、この侍のような黒と青の袴姿だ。
どこの侍だ? アスル都の侍だろうか?
そんな事を考えていたらルーノがつついてきて我に返り、俺は急いで女性を抱えたままルーノに跨がった。
そのまま浮上すれば、ルーノは急いでアルメリア城を目指して飛行していく。
―――城へ帰ると俺が女性を抱えて帰って来たもんだから、城内は一斉にざわめき出したが、事情を説明すればすぐに部屋を用意してくれた。
そして、目が覚めるまでは城内の一室で休ませることになった。
…で、肝心の看病だが……。
同性のエクナか母上が看ればいいのに、連れてきた俺が看病することに声が集まるという始末。
そんな中、父上が名乗り出てきた時は全力で阻止しておいた。
…その結果こうなったわけなんだがな…。
しばらくの間は目を覚ますこともなく、疲れ切っているのかぐっすりと眠っていた。
本当に何があってあんな所に倒れていたのだろう?
暮れ落ちようとする夕日を眺めながらそんなことを考えていた。
「……ぅ…」
ほんの小さな唸る声。
その声に視線を女性に向けると、彼女はゆっくりとその目を開けた。
とても澄んだ青の混ざる緑の瞳は、見慣れぬ景色に戸惑いの色を浮かべていた。
「…やっと起きたか」
俺は普段通りの口調でその女性に声をかけると目が合った。
そして固まった。
……どうした、大丈夫か?
「何だ。体は大丈夫か?」
そのまま気にしないふりで会話を続けた俺の言葉に、女性はコクコクと二度頷く。
…小動物のような人だな。
そう思っていた時、女性が控えめに口を開いた。
「…リ、…リオン王子様…?」
俺を知っているのか?
いや、王子なんだから知っていてもおかしくはないんだが、こうも即座に出てくるものだろうか?
嘘をつくつもりも誤魔化すつもりもないので、一度だけ大きく頷いてゆっくりと話す。
「そうだ。俺はアルメリア王国王子、リオン・マーティンス。
君は…、もしかしてここの国の人間か? 名前は?」
至って真剣なまま話すからか、女性はとても緊張した面持ちのままだった。
といっても、愛想笑いすら得意じゃない俺としては、これ以上どうしようもないのが事実。
内心「すまん」と思っていたのが通じたのか、女性は緊張こそしているが、柔らかく小さな微笑みを向けて返してきた。
「私はルキア・リオソウルといいます。
ここの国の出身です」
少し低めだが、落ち着いた声でそう名乗ったルキアという女性。
アルメリア出身だから俺の顔と名前がすぐ一致したのか、と合点がいく。
しかし、同時に疑問が湧く。というより最初から抱いていた疑問がある。
「何であんな所で倒れていたんだ?」
俺のその質問にルキアは明らかにハッとしていた。
どうやら、“どうして自分が今ここにいるのか”にやっと気付いたようで、微笑みは一変して苦笑いに変わる。
俯くように首を傾げて考えれば、記憶を整理してから静かに話してくれた。
「私は先日まで剣の修業で、西のクレスレイムにいたんです。
それで、修業を終えてアルメリアへの帰路に着いたものの、
森の抜け方を忘れてしまった挙げ句、見事に迷ってしまって…」
「つまり行き倒れか」
ルキアが申し訳なさそうに話す中、俺は思ったことをそのまま言うと、「うぅ」と小さく唸ったルキアはしょぼんとしてしまった。
…すまない、今のは俺が悪かった。が、事実だろう…。
しかし、この者も悪くはない。
あの森は天然要塞と呼ばれるくらい入り組んでいて、地元の人間も油断すれば迷う。
だけど、…そうだな。
俺は深く考える時間も必要とせず、ただありのままにある提案をしてみることにした。
「歩き疲れて腹も減っているだろう。
もう日も落ちるし、今日はこのまま泊まっていくといい」
提案といったが、半分は命令に近い。
何より時間も時間な為、女性を夜に路頭へ放り出すなんてことはしない。
もちろんこの国出身だから家くらいはあるだろうが、帰路で何かあっても困る。
あまりにも突然で突飛な提案だった為、最初こそ「そんなっ」と遠慮していたが何とか黙らせることができた。
…うん、こういう時は無愛想でよかったと思う。
その日の晩、再び両親とエクナ、そして兵士達に事情を説明し、ルキアを含めた家族での夕食を楽しんだ。
その時聞かされたが、どうやらルキアは家を売り払って資金にし、その金で修業の旅をしていたらしい。
半ば強引とはいえ、引き留めておいて良かったと自分の勘に感謝した。
もしあのまま帰路に着かせていたら、本当に夜の中路頭に迷わせていただろう。
こっそりと心の中で安心していた俺だったが、その夕食の席で事件が起きた。
「どうだ、ルキアくん。
行く宛てもないならここに住まないか?」
「は!?」と、ルキアと俺がほぼ同時に叫んだ。
修業に向かい、終えて帰って来たものの、雇い主はこれから探そうとしているらしい。
もちろん、自身が王族でもなければ、助けられた身でもあるルキアは全力で拒否していた。
さすがに王城に住むことに抵抗があるのだろう、当たり前だ。
「ルキアちゃんみたいな強い子がいてくれたら、あたし達も安心よね」
「わたしももっとルキアさんとお話ししたいなー!」
なんて、この家族が逃すわけもないのはわかっていた。
母上もエクナも口を揃えるもんだから、ルキアがもうパンク寸前だった。
このままではまた倒れかねない…。
「父上も母上もエクナも、少しはルキアの気持ちを考えてあげて下さいよ。
侍という人間が、主君でもない人の王城に住む意味…、
それはあまりに残酷なものだろう?」
はぁ、とひとつの深いため息をついて言い切れば、三人ともやっと気付いてくれたようだった。
主君でもない王族の城住まいの侍など、とてもじゃないが誰からも信頼されない。
自分より居城の者を優先するんじゃないかと、ただ恥をかかせてしまうだけだ。
折角修行を終えた実力のある侍なのに、そんなことで道を奪われるなど、あまりに残酷で哀しすぎる。
確かにルキアのような強い剣士がいれば安心ではある、それは紛れもない事実――…。
「では我が国の侍として!
マーティンス家と契約しないか!?」
「!」とルキアの反応が先程とは別物に変わった。それもそうだ。
王族の懐刀として雇われることは多くの兵士や騎士、傭兵達の目標であり、夢であり、憧れだ。
突然の提案に一瞬意識が飛んだが、これには俺も反論の余地もなく、ただルキアの返答を黙って待つことにした。
少しの沈黙が流れ、ルキアが閉じていた目をゆっくり開く。
「…私の力で事足りるかわかりませんが、
命の恩人である皆様の為なら、全力を奮える気がします」
明るい微笑みを浮かべながらも、
凛々しく言い切ったルキアの表情はとても頼もしかった。
“皆様”と言った時に全員と目を合わす律儀さと誠実さ、それらを、そんな微かで小さな心遣いや行動で感じさせるのはさすがだった。
とても行き倒れていたとは思えない…。
それに―――目を合わせた瞬間、心臓が変な動きをした気がした。
まさかな。気のせいだ。
ルキアの“イエス”の答えに、父上は上機嫌に「祝いだ!」なんて盛り上がってしまい、夕食は宴と名を変えて長い間続いた。
すっかり夜遅くになってしまい、結局ルキアはこの城に住み込んで働くこととなった。
俺は今、ルーノに会いに行っているルキアを待っている。
どうやら見付けてくれたお礼を言いに行っているらしい。
遠くから見ていてもルーノはルキアにもう懐いていて、とても嬉しそうに撫でを受けていた。
…それにしても、黒い竜と銀髪の女性の組み合わせ、お互い初対面とは思えないくらいに慣れ親しむ姿は、見ていて不思議な一体感があった。
“似合う”というとおかしいかもしれないが、それ以外の言葉は思い当たりそうにない。
こう…漠然としてはいるが、不思議と惹かれるものがあった。
だが、いつまでもこうしてるわけにもいかない。
なかなか帰ってきそうにないので俺が歩み寄ると、ルキアが一番に気付いて振り返ってきたから、歩きながら声をかけることにした。
「そろそろ戻るぞ。ルーノも早めに休んでおけよ?」
「…ルルル…♪」
なんて言ってるそばから俺に擦り寄って来るんだから困った奴だな…。
擦り寄るルーノの頭をゆったり撫でて落ち着かせていると、こちらを微笑んだまま見つめるルキアの視線に気付く。
………何だ?
「ふふ、リオン様は本当に竜が似合いますね。
この子も本当に幸せそうです」
「えっ?」と俺は驚いて短くそう返してしまった。
もちろん、そんな反応を返されたルキアも「え?」と言う。
何故ならそれは、さっき俺がルキアに対して“似合う”と思っていたから。
同じような言葉が自分に返ってくるなんて、とてもじゃないが想像もしていなかった為、ただ素直に「俺も君に対して同じことを思っていた」と返せば、ルキアは小さく笑った。
綺麗に笑う奴だな。なんて俺の頭の中は予想外なことを考えてしまっていた。
…あれ、いつもの調子と違うな…。
俺はそんな違和感を振り払うように話題を切り替えた。
「そうだ、一歳差なんだってな? エクナから聞いたよ。
そんな変わらない奴にそんな丁寧にされると落ち着けないし、
普通に話してくれないか?」
「えっ!?」
「頼む」
絶対反対され拒否してくるとわかっていたので、先に頼んでみることにした。
最初は慌てたように両手をブンブン振っていたが、俺が頭を軽く下げて頼む姿を見てパニックを起こしては「わっ、わ、わかり――、わかった!」と承諾した。
本当に小動物みたいだ。
「す、少しずつ、だけど…慣れるように頑張ってみ、るよ…」
敬語で話し出そうとするのを私語で塗り替えながら、ぎこちない喋りを披露してきた。
なんだろうか。
こんな継ぎ接ぎだらけの言葉なのに、すごく可愛く思えてしまう。
―――はっ。俺は一体何を思っているのだろう。
そんな俺の前では恥ずかしそうに笑うルキアがいて、まあいいかと俺も割り切ることにした。
「これからよろしく頼む」と俺は握手を求め、素直に手を差し出す。
その手に一瞬ルキアは驚いたような顔をしたが、すぐに凛々しく微笑めば手を握り返し、お互い確かな握手を交わした。
あれから数年経ち、アルメリア王国の女侍ルキアの高い実力はすぐに有名になり、全国屈指の速さと剣技を持つ者として他国にも名が知れ渡ることとなる。
もちろんその名と共に、その美人な姿も知れ渡り、一目見たいとアルメリアへ来る者も少なくなかった。
そして、その剣技を磨いた師匠は誰なのか。
それはもちろんルキアの口から名前を知ることはできたが、既にクレスレイムに実在しない名だと知る。
―――名はレン・シディオ。
旅に出たのか他界したのか、そこまで知る術はもう残されていなかった。
やがて、父上の人柄上「自分にも私語でいてくれていい」とルキアに言ったらしく、最初はものすごい格闘があったらしいが、それでも徐々に慣れていき、今や家族のような存在になっていった。
出会いでは全く想像もつかなかった本人の口の悪さが見える機会が増えたものの、それでも誰も不快に思う者はいなかった。
俺としても、王族にもありのままの姿でいてくれるルキアに、気楽さや友という感覚が深まっていくのを実感していた。
口喧嘩もあるし、時には強くぶつかり合う時もあるが、それでも信頼はしているし、頼っている面があるのも確かだ。
まだ自分の気持ちが“何”なのか、あの違和感が“何”なのか、
それはわからないが…。
それでも俺は、例え何がこの先起ころうとしても…国を、兵を、民を…。
大切な家族、そして友を、必ず守ることを誓う―――。
行き倒れのルキアと偶然見つけたリオン。
こんな小さな出会いから、二人は今や信頼という強い絆を実現しています。
リオンが違和感の正体に気付く日は、多分その内訪れる…はず?
師匠のレンの正体は本編でわかる日が来ます。
それでは外伝1、王国に捧げる剣はこれで終了です。
ありがとうございました!