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【prologue】

 

『リコレクトコード ~prologue~』



  天成歴2107年――――


 いつかの遥かな時代。

 各国に散らばる宝玉を求め、国々は戦争を繰り広げていた。

 東西南北……。各地方にそれぞれ大国が存在し、自らの地に古くから(まつ)られる宝玉を大切に守っていた。


  『魔神を封ずる宝玉』。

  人々はコレを『(ふう)(せき)』と呼んだ。


 かつての世界、

 魔神と呼ばれし未知の災厄(さいやく)が在った。

 人類を世の害と見なし、人域を侵し、その地を破壊し、あらゆる命を地に撒いた。

 誰もが深い絶望に包まれた中、六人の英雄が立ち上がる。


 人の誇りをその心に宿す子

 竜の血をその魂に流す子

 数多の世界の意志を聴く子

 天上から遣わされた翼を持つ子

 静かなる炎の死に魅入られた子

 そして、―――全を導く永遠の神の子。


 かの英雄達は猛威を奮う未知の魔神と闘い、一つの封石に封印することに成功する。

 そして、その封石を五つに分けては散らした。


  武力国家の東の帝国、グランヴァル。

  古き伝統の西の石街、クレスレイム。

  水上庭園の南の大都、アスル。

  雪原地帯の北の大国、リュース。

  調和を(もたら)す央の王国、アルメリア。



 あれから長い歳月過ぎし現在(いま)

 禁忌の封印を解こうとする者が現れる。

 その者の手によって五つの大国の平穏は破られ、世界は再び混沌を迎える事となる。


 そう。はじまりは、たったひとつの均衡の乱れだった。


 東西南北、各地方にひとつずつ点在する大国は、それぞれが互いの領土を侵攻せず、平和的姿勢で均衡を保っていたはずだった。


 東に位置する武力国家

 ――グランヴァル帝国。


 精鋭揃いの軍隊に豊かな富、穏やかな気候に広大な領地を所有する帝国。

 その数々の好条件の中でも一二を争うほど民から声が上がるのが、皇帝とその王族の人柄の良さであり、高い人気を博していた。


 だが、民に好かれ、穏やかだった国の統制は今や見る影もないほどに崩れ、過去の戦争時代を取り戻そうとするかのような状況だった。

 圧倒的な軍事力を持つ東の急激な勢いの侵略戦争に成す(すべ)もなく、未知の力に呑み込まれていく国々。


 北部に位置する白雪の大国・リュース。

 南部に位置する水上の大都・アスル。


 この二ヵ国が最初の標的となり、無慈悲な東の勢力に呑み込まれようとしていた。

 窮地に陥る国々が救援要請を出したのは、東西南北の国々の間、真ん中に位置する中央国。


 ―――調和の国・アルメリア。


 静かで美しい自然を持ちながらも武力国家の東と同等かと思われる軍事力を持ち、昔から東と友好関係を結んできた国だ。

 救援要請を受けたアルメリアは即座に現地に向かうが、東の変わり様に動揺を隠せずにいた。


 そんなアルメリア王子とグランヴァル皇子は、古くからの幼馴染みで親友同士だった。

 友の身を案じて指揮する中、衝撃の事実を知る事となる……。


 大陸の平和を崩してまで戦争を欲する者の目的、戦争という火花の中に隠れる真実と思惑とは――。



 かつての六人の英雄が死した今、

 再び災厄(さいやく)に立ち向かう者は何処(どこ)の地の者か……。


 今、悲しくも過酷な戦いが世界を呑み込もうとしていた。

 全てに中立を守るアルメリアは未知の力に挑む事を決意し、大切な仲間と共にその真相と運命に立ち向かう。


 その手を握り返す仲間達と、

 まだ見ぬその手を掴む為……。


 たとえ進む未来さきに、

 どんなに残酷で無慈悲な運命が待ち受けていようとも……。

 隣で握る手だけは変わらない真実だと信じて――。

 


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