燦々と辺りを照らす戦の火炎
炎が街を包む…
民が叫ぶ…
命を守ろうと必死に藻掻く…
だがそれも届かず、族の仲間のナイフによって屍と化す…
16世紀半ばの夏、この国は空賊という他国から来た族によって一夜にして滅ぼされた。
ー空賊襲撃事件が起こる前 視点 国王ー
『この国は私が守る。どんな事が起こっても_』
その一心でこの数年間のレファリアという国を見ていた。私はこの国を誇らしげに思っていた。
国王だからそう思うのは当たり前と思う者もいるであろうが、そう思い続けることがどれ程民を救えるか、まだ理解できる者が少ないのであろう。
民の笑顔、農民の働く姿、民の宴…
どれも微笑ましいものだった。
私は民達に食糧やお金、学びの機会を渡した。疲れた農民には『一年休暇』を与え、私達が農作業をした。その時は疲れなんて感じず、驚きと哀れみを感じていた。
『農民はこんな辛い作業をずっとしてくれていたのか…』と。
農民の存在は貴重且つ大切な人、だからこそ奴隷のようにはしない…私は心から誓った。
農民は心から感謝した。だが自分達も手伝いたいと心から懇願してきたのだ。
なので私は、皆で農作業をしようと思い、参加自由の共同農作業を始めた。
皆は意気揚々と農作業をしている。負けてられないと思い、農民より倍の作業をこなした。
やはり大人数でやると楽しい。心からそう感じた。そんな日々が続いていた。
だが、私は遠方から無関係の船を見つけ、交渉をした。
『君らに金を渡すから、帰ってくれないか』と。
族はその交渉を拒否し、国に侵入しようとした。
私はその族の目の前に立ち、
『この国には一歩も踏み出させないぞ…!!』
と、国を守ろうとした。その時の私の心は民や街のことを守ることしか考えていなかった。
族はそんな私に近付いてきた。私は剣を構えた。
でも剣を使うのは慣れていない。
私はこの族達を楽しませようと、敢えて最初に剣を構え、後に拳で戦うという段階分けをしたのだ。
族が接近してくる…私は血を出させることなく、全員を峰打ちし気絶させた。
だが、後ろから新たな船が…
それでも私はその前を立ち続け、一心不乱に戦った。
民の為に…
『フッ…!!』
民の為に…
『ていやぁッ!!』
民の為に…
『…はぁぁぁぁっ!!!!』
民の為にい゛ぃ゛ぃ゛い゛ぃ゛ッ!!!!!!!!
『おらぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!!!』
『こ、この国王…剣で族のほとんどの奴等を峰打ちにした…?こいつ、とんでもねぇ実力者だ…!!民の為にそこまでやる国王なんて見た事ねぇ…』
心底怯えているであろう族の者が声を震わせながら言った。
『こんなもの、民の為なら…どんな技でも習得できる!!!!!!』
そう言うと私は、全身全霊で残りの族の者を峰打ちにした。
『_誰だ、我の仲間に手を出した奴は…!!』
族の船から強者の声が。
『…我が国王はこの国を守る為、門番となった!ただそれだけの事だ!見た限り貴殿は強き者らしいな。ならこの国王が稲妻の如く一瞬にして気絶させて見せよう…!!!!』
私は強者の前で宣戦布告をした。
『その心構え、気に入った!!ならば一つゲームをしよう。
国王である貴様が我を打ち負かしたならば、空賊の代表として他国の空賊と共に去る。
だが!我が国王である貴様を打ち負かしたならば、この国は私が支配する!!!!
このゲームを拒絶すれば、我は今すぐにでも貴様を殺し、その後今まで貴様が峰打ちにしてきた族の仲間の分の民達を殺してやる!
どうだ?やるか…?』
少し間を置いて私は聞いた。
『私がそのゲームに勝ったら、ここを立ち去るんだな…?』
『あぁ、最初からそのつもりだ。』
その強者の言葉に狂いは無かった。私はそのゲームに挑む事にした。今まで隠していた本気、拳という一種の武器を使って…!!!!
『やろう!今すぐお前を気絶させてやるッ!!かかってこい!!』
『では…遠慮なく行かせてもらう!』
気絶した族の者の残骸を横に、武器と武器がぶつかり合った。
『この戦、絶対に勝つ!!!!!!!!!!』
To be continued