PROLOG 殺戮国家誕生
※この作品はR-15指定の作品となっております。14歳未満の方はお読み頂けませんのでご了承下さい。
レファリアという国やこの作品の出来事などは全てフィクションとなっております。実在するものではないことを予めご把握頂けると幸いです。
_時は15世紀後半、ある若者が予言の書を描いた。
『15世紀の終わりに、この国は天に浮かぶ。』
最初は雀の涙ほどの売れ行きで、急な予言を民は信じなかった。
だが、ある優しき国王がその予言の書に興味を示し本を買った。1000万ドルもの大金を支払って_
そして国王は15世紀の終わり、16世紀の始まりを心待ちにした。
そのような話を耳にし、民は掌を返すように我先にとその本を買ってゆき、高嶺の花だった金額が国王の助けもあってか、痒い所に手が届くくらい楽に手に入った。
だが、その大金は貧乏な民に平等に配り、街は穏やかに。
そして遂に15世紀が終わる。その瞬間を皆が見届けた。
すると、街の端に亀裂ができ始め、その亀裂は円状に広がる。
後に亀裂が街全体を囲んだ。相当広いはずのこの国の土地が、数分も経たない内に亀裂に囲まれた。だが地面には亀裂は入ることなく、気付けば端には民の列が連なっている。
そして地面が上がり始め、上空に上がり始めた。
予言の書に書かれた内容は本当だったのだ。それを機に予言の書を描いた若者は有名な学者になった。
だが、国としてはある問題を抱えていた。他の国の輸出問題だ。上空に街が浮かんだのは実に驚異的で素晴らしい事だが、他の国との輸出ができなければ、資源が手に入らなければ、食糧や水も手に入らない。
すると、端に流れが緩やかな川ができ、四方八方に広がり始めた。そして雨も降り出した。作物が作れる程の土地まで出来始めた。
『きっとこれは、神様の恵みだ!神様が全てを恵んでくださったのだ!!喜べ!皆喜べ!!!!』
優しき国王がそう言うと、民達は喜び叫び始めた。農民は浮かれ気味で新しく出来た土地の土を耕し、作物を作り始めた。
川の水を見に来た民は、持ってきたコップを手に取り水をすくって飲んだ。すると民は素っ頓狂な声で、
「うんまい!この川の水は実に美味だ!!」
と言って、他の民に伝える為に走った。
それも、浮かれ気味に…
そんな出来事が起こった後も暮らしは安定。
輸入船や輸出船が川を入れ代わり立ち代わり行き来する。作物も毎年豊作で食糧に困る事など一切無かった。
だが、二つほど事件が起こった。
他の国による無断侵入と民による川の水減少だ。
国王は『この国に入る条件を設ける』と言い、
入国条件看板を四方八方と広がった街一つ一つに立てた。
その条件は『船に一年以上乗り続けている者は通ってよし。輸出船らしい服を着ていれば通ってよし。』というものだった。
そして、川の水を飲む民には『一週間に一度しか飲んではならん』という規則を作った。
その看板と規則は功を奏し、部外者の船は一切来なくなり、川の水を飲む民も減っていった。その結果に国王は一安心。
と思ったのも束の間…
16世紀半ばの夏、突如として国が滅亡し始めた。
ある醜き族によって_