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ドン引きシャーロット

 横丁に、いた。

確かに居た。そこには杏菜、才口(さいぐち)杏菜ちゃんが居た。

 「杏菜ちゃん、ここに居たの?」

「あ、あんな?多分人違いです」

「私の名は、シャーロット・アーベントロート。あなたは?」


 杏菜ちゃんは私にそういった。

しゃ、シャーロット?どうしたの?中二病?

「杏菜ちゃんじゃないの?」

彼女は怪訝そうな目で、うんと言った。


 その、アライグマ姿の杏菜…、自称シャーロットは

「では」と言い、立ち去った。

私は追いかけた。


 横丁の前の坂を下ると、杏菜はぶつぶつ言いながら小走りで歩いていた。

「ヤバい人にあった ヤバい人にあった ヤバい人にあった ヤバい人にあった ヤバい人にあったヤバい人にあった ヤバい人にあ…」

 そんな事を言っていたと思う。



 「ねえ!」私は思わず声をかけた。

「な、何ですか?す、ストーカー?警察に通報しますよ」

「杏奈ちゃんじゃないにしても、シャーロットさん?あなたの顔を見たことあるの」

「ど、どこでですか?」「高校。夕詩ヶ丘高校の2年5組の!」

「ゆうしがおか…?そんな高校はないですよ。とにかく・・!け、警察に通報しますよ!」

シャーロットは(杏菜と信じるのはやめにしよう)勢いよく走っていった。

 私はシャーロットを()けてみることにした。

シャーロットは丘を降り、川の近くの家の中に入った。

 裏手に回ってみると、そこは駄菓子屋だった。表札には英字(違うかもしれないけど)で

「Abendrot」と書いてあった。

 その後、表に回り、インターフォンを鳴らしてみた。ピーンポーン。

はーい、とシャーロットの声が聞こえた。この声も杏菜まんまだ。

 シャーロットは私を見るなり臨戦態勢のように、玄関においてあったイノシシの置物を持って

かまえた。「だ、誰ですか、さっきから!」「私は永山光莉と言います。あなたによく似た顔の人の

友人です」

シャーロットは私を見て「は?」という顔をした。

「私は異世界から来ました。」

 こんなこと言ったら、バック・トゥ・ザ・フューチャー3みたいに、なにか言われるんじゃないかって

心配した。信じてもらえるかな?

 「何言ってるんですか?!頭おかしいんじゃないの?」そう言って彼女は扉を勢いよくしめた。

奥から母親らしき女性の声が聞こえた。「シャーロット、大丈夫なの?」「う、うん。大丈夫!」

やけに取り繕ったみたいな声。あの声の感じも、杏菜そのまんまだ。

 さ、今日は寝床を探すか。

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