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【幕間】逆光の中のキミに
本日の狂想曲が奏でられるその前に。
逆光の中、フワリと靡いた長い髪。
まっすぐ伸びたスレンダーな脚が印象的なキミ。
ふと、僕に振り向いた。
その瞬間が、この目に焼き付けられている。
それは僕が恋に落ちた瞬間。
見つめ合った僕たち。その数秒は、僕の永遠。
キミと僕の間にはまだまだ距離があるよね。
ねえ、僕たちはもっと寄り添ってもいいんじゃないかな?
その大きな瞳で僕をもっともっと見つめてくれませんか?
僕たちの始まりはシンプルな追走曲だったけれど。
やがて不穏なメロディの遁走曲に変わった。
そこには緊張感漂う不協和音のエッセンスも混じって。
僕たちは前途多難。
僕は満身創痍。
けれど大丈夫。
最終的には天国の階段へ昇るような、神聖で荘厳な澄んだ和音でフィナーレだ。