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思春期未来志向  作者: メイズ
謎解きの少年少女
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・・・夢?・・・現?

 私は無事みけかわを三橋家の生きもの専用墓地に埋葬した。


 この地で、安らかに眠ってくれることを願って。


 その埋葬で生まれた謎だよ?



 墓石に刻まれたおばあちゃんの猫の名前は、三橋ミツハシだった!


 なぜだか河原崎はみけかわ(本名 ミケ太郎)のことをミツハシさんと呼んでいる。



 みけかわことミツハシさんが、おばあちゃんが飼ってた猫のわけが無い。


 おばあちゃんの三橋ミツハシ猫さんは何十年も前に墓地に埋葬されてるわけで、みけかわことミツハシさんも私が先ほど確かに、同じ場所に埋葬したわけで。


 ほんとわけわかんない。ただの偶然?


 考えてわかることでもなさそう。なら、帰ったら河原崎に聞くしかないか。



 かっちゃんと母屋に戻ったら、武蔵おじさんが私の帰りを待っていた。


「ご苦労さん。なあ、美咲ちゃん、もう一日泊まってきなよ。知り合いから連絡が来て、猪肉くれるっていうんだ。これから取りに行くから今夜それみんなで食おう。麻美の猪肉料理は美味いぞ。そっちじゃ食えないだろう?」


「えっと、ママはなんて?」


「今、台所手伝ってる。美咲ちゃんがいいならそうするってさ。咲子は、残るなら今日は親戚にも挨拶に周りたいって言ってる」


「なら、私はここにもう一日いられて嬉しいよ」


「そう来なくっちゃ! 決まりだな」


 私はもう一泊延長することになった。



 *



 この家のお手伝いは楽しかったし、武蔵おじさんお勧めの麻美おばさん手料理は美味しかったし、その後はかっちゃんと花火もしたし、今年の夏休みの楽しい思い出は十分出来た。



 私が小学生の頃はみんなで雑魚寝してたけど、さすがにそれは無くなった。ママは、今日はおばあちゃんの使ってた部屋で偲んで寝たいって言うから、私は客間に1人で寝ることになった。


 今日は朝っぱらから肉体労働で大変だったせいか、美味しいお料理でお腹がいっぱい過ぎたせいか、お布団に横になったら、すぐに眠けがやって来た。


 おばあちゃんの家で、おばあちゃんの形見の鈴を枕元においたから、おばあちゃんの夢を見られるかな。


 慣れない布団と枕でも、横になったらもう起きてられないくらいまぶたが重くなって勝手に閉じちゃう・・・みけかわの夢も・・・見られたら・・・いい・・な・・・



 *



 気がついたら私は1人、長い縁側の真ん中へんの縁で、裸足の足をぶらぶらさせて座ってる。


 私、寝ていたのにいつの間に縁側に出たっけ?



 わぁ・・・星が多過ぎて、かえって星座がわからないわ。


 目の前には怖いくらいの満点の星空が広がってる。


 相変わらずここの夜空はすごーい! ううん、これは特に。夜も更けきってるせいかな。



 なんて綺麗なんだろう? 何度見ても素敵。


 心地良い静寂と涼やかな夜風。


 聞こえるのは時折の葉擦れの音。虫の演奏会、フクロウの鳴き声。


 1人、普段とは違う世界線に入り込んでしまったかのようだね・・・



 大昔の人も、この星空を瞳に映してたんだよね。同じものを私も見てるなんて。


 そして未来の人も私みたいにこの星空を眺めるの。こういうのロマンティックだよね・・・



 うっとり眺めていたら、急速に早送りに夜が明け始めた。


 わわわ、どうなってるの? Σ(゜Д゜)



 不意に後ろから鈴の音と共に、ガリガリ音がした。


 ・・・この音! おばあちゃんの鈴の音と一緒!!



 振り向けば猫が柱で爪研ぎしてるっ!


 どうしてここに猫が?! この屋敷では猫は飼ってないのに。もしかしてよそのおうちの猫が遠征して入って来たとかかな? 赤い紐の首輪してるし。


 この子、私の大好きな三毛猫だ。


 猫ちゃん、ダメよここで爪研ぎは。かわいい猫ちゃん、こっちおいで。


『にゃー』


 振り向いたその子は模様は違うけど、みけかわに似てる。私は思い出してちょっと切ない。



 パタパタと足音が奥の間から響いて来た。


 『ミツちゃん? どこー?』


 可愛らしい子どもの声に、猫の動きが止まって、ハッと声の方に向いた。


 バッシンと乱暴に後ろ側の障子が開いた。



『ミツちゃん、みーっけ! ・・・アッ!!』


 この子、小学校入りたてってくらい? 小さな女の子が不意に現れて、私を見てビックリ顔。


 昔風のおかっぱ頭でくりくりした大きな目。紺地に白い菊模様の涼しげな甚平(じんべい)から、棒のような細くて白い手足が出てる。


 そして私に一言。


『びっくりしたぁ・・・どうやってここに来たの? すごい』


『えっ? すごい? ママの運転で来たんだよ。2日前に車で来たの』


 ここは山超えの人里離れた場所だから、迷いやすいし、確かによそ者は来るのは難しいのよね。


 いつの間にかここに私たち以外にもお客さんが来てて、泊まってたなんて知らなかった。夕べは早めに寝入ってしまったから。私の知らない麻美おばさん側の従姉妹(いとこ)再従姉妹(はとこ)


『・・・・そう』


 女の子は不思議そうな顔で私をじーっと見てる。子どもって遠慮なく見てくるよね。


 足を下ろして、縁側の縁に少し居心地悪く座っている私。


 するとその子は私の横に立って、よしよしと私の頭を撫でた。



『・・・元気になって良かった』


『えっと・・・?』


 今初めて会ったとこなのに、人なつこい子なのね。私のこと、他の親戚のお姉さんと勘違いしてるのかも。


 猫がなにげ私の膝に乗って来た。きゃあ、嬉し〜い。


『みゃ~ん、みゃ~ん』


『ミツちゃんもお姉さんのことが好きだって言ってるよ。お姉さんのこと知ってるの。前にどこかで会ってたのかもね? ウフフ・・・』


『あなたに似た猫なら知っていたけどね、私はこの子には会った覚えがな・・い・・うわぁぁーッ!!!!』



((((;゜Д゜))) な、なんなの・・・? この子ッ?!


 急に私と同じくらいの年かさになったよ!?!?!? どうなってるの?


 私の横に、三つ編みおさげのセーラー服の美少女が座った。



『人も猫も、姿は一定ではないんだよ?』


『ど、どういうことなの? あなたは誰ッ?』


『にゃん!』


 私の膝上の猫が2人の間に降り、私の方を向いてきちんと座った。


『・・・! ウソッ! みけかわッッッ!!!』



 見間違いじゃない! いつの間にかみけかわがいる!! さっきまで見知らぬ猫だったのに。


 みけかわは死んだはずだよ? どうなってるの?


 女の子は言った。


『いい? 世界は不思議で出来ているから、謎は無理やり解かなくてもいいんだよ。いつか知れる日が来るかも知れないし、永遠に謎かも知れない。この世の謎の全てを知れるなんて人間が考えるのは烏滸(おこ)がましいし、無駄なことなの』


『・・・何が言いたいの? 私はさっぱり何がなんだかわからな・・・ワワワッ!! なになになにッ?!』


 女の子はまたまた変身し、清楚で美しい浴衣姿の女性になった。


『人生はね、少しは謎を抱えていた方が楽しいものよ。それを解く楽しみが常にあるんだもの。あなたの人生はまだまだ長いの。楽しんで生きなさい。じゃあね。美咲ちゃんはもう時間よ。自分の場所にもうお帰りなさいな』


『・・・えっ? あっ!? わっ!!』



 きゃぁぁーーーッ!! 目が回る!!



 今までのシーンが早送りで巻き戻って行く! 


 辺りも急速に暗くなって、満点の星空に戻った。



 私は縁側にポツンと1人。



 何だった? 今の???


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眠りにつく前に
魔女狩りに遭う運命を察知した少女の運命は・・・
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