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トイレと浴室

「鍵を使用する場所ではないのですが、浴室やトイレの方はどうしますか? 調理場もまだ見ていませんが」


 メアリは鍵を使用する部屋を探す以外に、浴室やトイレを確認するのかをディアナに尋ねた。


 浴室とトイレ、両方に魔法使いと従者は別個にある。


 魔法使いの場合、トイレや浴室は一つ。


 従者の場合、どちらとも男女共用。浴室に関してはシャワーのみで、トイレもそうだが、中に複数用意されている。これは従者の数が多い時に必要だからだろう。


 とはいえ、両方の広さは同じ。やはり、魔法使いと従者の差は歴然ではある。


 カイト達は別々でシャワーを使ったのは、少しでも気を休める時間が必要だと互いに感じた面があるからだ。


「魔法使い側は私達が一度使用していますが、従者側を確認しておくべきでしょう」


 キスは鍵と合う部屋はなかったとメアリ達に伝えたが、それ以外に何かを発見したという情報はなかった。


 浴室やトイレはキスや七も使用した事で、調べる必要はないと判断したかもしれない。


 ディアナは十がいなくなった事で、従者関連の情報が手に入らなくなったのもあるはず。


「侵入者が意外な場所に隠れていてもおかしくはありません。人形がどのタイミングで、置かれているのかも分からないですから」


 発見されていない人形は五体。アルカイズの人形も件もあり、何時何処で人形が置かれていてもおかしくない状況になっている。


 キスが浴室やトイレを調べたとはいえ、三との会話、昼食の間に設置されているとも考えられるからだ。


『ないとも限らないか。その二つのどちらかで発見されるとすれば、溺死とも考えられる。トイレで発見されるのは嫌ではあるが』


 浴室やトイレで発見された場合、水関連の死を思い浮かんでもおかしくはない。殺害方法は様々だ。


『それは冗談だとして……魔法使いがその場で死ぬ事はない。その状態で彼女達の人形は発見されないだろう』


 死神はメアリ達魔法使いの死がトイレや浴室ではないと教えた。それは彼女達の記憶の本から分かったのだろうか。


「それはメアリ様達の記憶から読み取ったのですか? ですが、展開が変化していた場合は……」


『この館で溺死させるのは難しいはずだ。近くに湖や池があれば考えられなくもないが、地図に外へ出た形跡はない。侵入者が魔法を使ったとしても、溺死させるメリットはない。時間が掛かるだけで、反撃される可能性もあるのではないか?』


 首切り等は一瞬で死に至らしめるが、溺死だとそうもいかない。反撃されてもおかしくなく、顔を見られる可能性も。


 それに人形が水浸しになってた場合、館内にいなければ、メアリ達も外へ探しに行動してもおかしくないのだ。


 だが、魔法使いの溺死された人形はなくとも、従者の場合はどうなのだろうか。


 従者達の行動は死神も分かっていない。従者の溺死された人形が発見され、その人物が行方不明になった場合、主は外に探しに行くのだろうか。


 本来、そうなっていないのだけは分かっている。

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