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首切り人形

「人形です」


「人形!? 十やアルカイズ以外の人形を見つけたのですか? 何処で……隠れていた客室には何もなかったと言ってましたよね?」


 メアリは疑問を三にぶつける。アルカイズが隠れた客室に人形があれば、三もその事をディアナ達に伝えたはず。それがなかったのは別の部屋で見つけたのだろう。


「鍵を使う部屋を見つけたわけ? けど、アンタ達は客室側にいたのよね」


 アルカイズだけでなく、メアリやディアナもそうだが、客室には鍵なしで入っている。従者も荷物を移動する際、使用したのだから分かっているはずだ。


 だが、一番奥の客室だけには鍵が掛かっている。そこはまだ誰も調べていないのか。


 死神とカイトだけはメアリ達の記憶にある地図から、メアリ達がその部屋に一度も入ってない事を知っている。


 アルカイズが持つ鍵が、その部屋の物だったのか。以前と変化があってもおかしくはない。


「はい。主は対策を立てるため、一度部屋に戻りました。その時、私の首が切られた人形を発見したんです」


 アルカイズ達が見つけたのは三の首が切られた人形だったらしい。それが本当に起こるのであれば、恐怖を覚えるのだろうが、彼女からそんな様子は見えない。


『首切りか。悲惨な状態だな。そんな罠が用意されているのか? 侵入者が魔法を使用して、三を殺すなら分かる。もしくは、三ではなく、アルカイズの身代わりとしてか』


 アルカイズの身代わりとなった場合、三が警戒しても意味がない。


「首の切断であれば、魔法の可能性が高いですね。それに……彼女の人形が見つかった事で、アルカイズ様の人形の辻褄が合う事になります」


 アルカイズが人形のように死ぬ場合、先に三が死んでなくてはならない。


 彼女の人形が見つかったようだが、二人の殺害の仕方が違っている。同時に殺されるのではないのだろう。


「ちょっと待って……人形が見つかったのが、アルカイズの部屋なのはおかしいでしょ!! 朝食から戻ってきた時にはなかったのよね」


「勿論です。あの時、部屋に人形は置いていませんでした。魔導具で簡単に部屋へ入る事は出来なかったはずです」


 ディアナ達は各自部屋を用意してもらったが、その部屋の鍵は受け取っていない。


 十が殺された客室、アルカイズが隠れていた客室に鍵が掛かってなかった。


 とはいえ、魔法使い達は用意された部屋に自身の道具を出したように、専用の鍵も準備しているはず。


 アルカイズ同様、メアリも彼女とカイトだけがドアを開けれる錠の魔導具を付けていた。


 それは事前に魔力を込めた錠である事から、魔法の回数制限には入っていないようだ。

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