再度忠告
「それは止めてちょうだい。私もその部屋を調べたいし、アルカイズもそう言うはずよ。だから、その部屋はそのままにしておいて欲しいわけ」
メアリ達が嘘を言ってるわけではないが、キスからしても、現場を確認しておきたいのだろう。二人が気付かなくても、彼女だけが知る事もあるかもしれない。
「……分かりました。ですが、今日までです。明日には掃除を始めますので。アルカイズ様にもそうお伝えください」
「それで構わないわ。アイツにも伝えておくから。部屋の掃除も無くなったわけだし、何処に行くわけ? また何かあった時にアンタを見つけないと駄目になるでしょ」
今回、零は従者の部屋で休んでいる事が分かっていたが、彼女が仕事に入るとそうもいかないからだ。
「庭の手入れをしようと思います。全然出来ていませんでしたから。ついでに館周辺に侵入者がいた形跡があるか確認してみます」
「それは大丈夫なのですか? 侵入者が外にいた場合、狙われるかもしれませんよ」
メアリは零の心配をした。侵入者が館ではなく、外に隠れている可能性もある。無差別であるなら、彼女が狙われてもおかしくはない。
「その時はその時です。私が死んでも、主が姿を現す事はありませんので」
零は動じる事なく答えた。死ぬ事が怖くないのか。殺される事はないと分かっているのか。
「あっ!! 再度忠告しておきます。侵入者を攻撃、反撃は許しますが、候補者同士の争いは禁止のままです。間違わないよう、お願いしますね」
「そんなの間違えるわけないでしょ。継承権を剥奪されたくないし。他に罰があるのだったら、尚更ね」
キスは零の心配が余計だとばかりに、メアリとディアナに愚痴を言っている。
「私達にはそれぞれの色があり、どのような姿をしているのかも分かっていますから。彼女の杞憂に過ぎないでしょう」
「そうですね」
メアリやディアナもキスの愚痴に同意のようだ。メアリ達には服装には其々の色があり、風貌からしても見間違うはずがない。
『……違うな。彼女は一つの案を提示した。メアリ達はあの事を忘れているのか、もしくは知らないのか』
「メアリ様達が間違って攻撃するなんて、そんなミスをするとは思えません」
死神は彼女達がミスする可能性があると思っているようだ。
『ディアナの得意とする魔法だよ。零はそれを知っているのだろう。館の主から、全員の得意とする魔法を知らされているのかもしれない』
「ディアナ様の得意とする魔法……あっ!?」
死神はカイトにディアナ達が得意とする魔法を教えた。彼女が得意とする魔法は……




