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許可

「そういう事ですか。そのような相手がいた場合、攻撃しても構いません。禁止なのは、候補者同士とその従者だけですから」


「そこはあっさり許可するのね。それも禁止とか言うと思ってたわ。それとも魔法使い同士の戦闘を本当は見たかったわけ」


 零は侵入者との戦闘を許可した。ゴールド=ゴールが用意した魔法使いであれば、反撃を許さず、逃げ隠れするしかないのを選びそうだが。


 館の主は侵入者と本当に全くの無関係なのかもしれない。


「主はそんな事は思っていないです。攻撃は許可しますが、魔法の制限は同じですから。一日に三回以上は使えません。侵入者の魔法使いがいたとすれば、同じだと思います」


「それは仕方ありません。攻撃出来るだけでも良しとしなくては。相手も三回以上は使えないと分かれば、やりようがあります」


 十の殺害、死体と凶器の消失、部屋からの移動と魔法を三回以上使っている節はあるが、魔導具を使用した可能性も考えられる。


 魔法の回数制限により、相手が今日の内に襲って来るのは限りなく低い事になるだろう。


「相手がそれを知らずに襲ってきてくれたら、楽なんだけどね。連続で誰かを狙おうとしてるなら、流石に気付くでしょ。アルカイズみたいに気配を消す魔法も使えなくなってるかもしれないし」


「身を隠すのは館内でなくとも、森の中が一番なのでしょうが、出入りが難しいはずです」


 魔法が使えない状態で館内で身を隠すのは難しい。館の周辺なら森に囲まれており、見つけるのは至難の技になるだろう。


 だが、この館に窓は見当たらず、出入口は一箇所のみ。メアリ達も注意しないわけもなく、何度も通り抜けるのは厳しいものがある。


 別の出入口の場所を知っているのであれば、話は変わるのだが。


「ここまで聞けたら十分でしょ。後はアルカイズの従者に教えたら、私は別行動に戻るから」


 キスはアルカイズの従者に知らせるまでは、メアリ達に同行するようだ。


「分かりました。私はメアリの鍵と合う部屋を見つけるまでは共にしますので。それで構いませんよね」


「……いいのですか?」


 衣装室を共に調べた以上、メアリの鍵が合う部屋を確認するのは協力関係として当然。だが、それが安全であるかは話は別となる。


 ディアナは従者を失ったのだから尚更だ。


「継承権を諦めたわけではありませんから。こちらにも利があるので」


 だが、従者を失っても、彼女は諦めてはいない。それ程までに回復と予知の魔法は貴重である証拠。


「要件は以上みたいですね。それでは私も仕事に戻ります。まずは彼が死んだ場所の掃除をしないといけませんね」


 十が殺され、血塗れとなった客室。アルカイズの人形も置かれた状態のままになっている。


 館側からすれば、元の綺麗な部屋に戻すのは当たり前ではある。

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