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転移場所


「……アルカイズの部屋ではなかったようですよね」


 ディアナの魔法によって、十が鏡によって移動した部屋の前に三人は立っていた。


 勿論、移動した場所がアルカイズの部屋というのはありえない。


 鏡は館内にあった物であり、ゴールド=ゴールが用意した物と思った方がいい。


 その移動先の鏡も、メアリ達が客室に泊まるため、従者達が別の場所に移動したからだ。


 ディアナ達魔法使いの部屋にあるのは、自身で持ってきた道具だけのはず。


「流石にそれは無理な話です。前の部屋だったらと思いはしましたが」


 魔法使いが使う客室の前と横は空室となっている。前の部屋なら利用しやすいだろうが、そこに鏡の魔導具があると分かっていても、十が移動してくると予想するのは難しい。


 更に言うなら、アルカイズの部屋は階段から一番近い。その前の部屋も同じであり、外に出る時に目撃される可能性は高くなるからだ。


「それにしても、まさか私の部屋の前だとは……十にしても見覚えがあったのかもしれませんね」


 十が鏡で移動したのはディアナの部屋の前。十自身、片付けの時に見た光景だったかもしれない。だからこそ、すぐに鏡に振り返らず、周りを確認したのだろう。


「……壱。貴方がドアに触れてあげてください。鍵が掛かっているのかの確認をお願いします」


『地図でここは空室だと一度は調べられている。従者達の記憶はこの世界に反映されていない。魔法使いの誰かが、この部屋に入っているわけだ。荷物も移動させているからな。鍵は掛かっていないだろう。それに……まずは部屋を確認するべきか』


 死神はこの部屋に鍵が掛かってない理由は他にもあるような言い振りなのだが、その説明を置いて、先に部屋に入るように促す。


「……分かりました。ドアに触れます」


 ディアナは従者である十を失ったを気にして、メアリはカイトにドアを開けるように命じた。


「鍵は掛かってはいないようです。そのままドアを開きます。メアリ様、ディアナ様も警戒してください。」


「……待ちなさい。ドアが開いているのなら、私が先に入りましょう。ここでメアリの従者まで失う可能性もあります」


 十が誰かに殺されていた場合、この部屋に残っていてもおかしくはない。


 カイト達が衣装室から移動してきたのも、そこまで時間は経過していないからだ。


 そして、十が殺されていた場合、従者を殺す事が出来る相手となる。それが魔法使いであれば、ディアナが先に行くのはあながち間違いではない。魔法使い同士の争いは禁止されているからだ。


「ディアナ様がそう言うのであれば」


 ディアナからすれば、協力者であるメアリの従者を簡単に死なせるわけにもいかないのだろう。もしかしたら、十の代わりになる場面を想定している可能性もある。


 彼女はカイトと代わり、目の前の部屋のドアを開けた。

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