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疑い

「協力の申し出感謝します。十が亡くなった以上、私の身が危険なので。彼の死の原因は調べておく必要がありますから」


 ディアナは十の死を悲しむというよりも、自身の身に危険が増した事に対して、気を病んでいるようだ。


 魔法使いにとって従者は替えのきく物だという事が分かる発言だ。主のために行動した従者が報われない。


「キス様やアルカイズ様にも声を掛けますか? ……予知通りになってしまったわけですから」


 メアリが言葉を濁したのは二人に協力を求める事よりも、予知を信じていないからだろう。


「いえ……二人には声を掛けません。二人のどちらかが十を殺した可能性がゼロではないので。今思えば、魔法使い同士、従者同士の争いは禁止されてますが、魔法使いと従者は何も言われていません。そこを相手が突いた事もありえます。予知だと利用出来ますから。特に……」


『なるほど。確かに魔法使いと従者の争いは何も言われてないか。従者が魔法使いを倒すのは難しいが、逆だった場合は……それによって、命約による魔法使いの安全も消えるわけだからな』


 零の説明も、そこは敢えて伏せられていたのか。魔法使いと従者の争いはないとでも考えたのか。


 それが可能であれば、ゴールド=ゴールが十を襲う事も問題がなくなるのもある。


『ディアナはアルカイズを警戒しているのではないか? タイミングが良すぎるのもあるが、一番可能性が高いからな』


 十が鏡で移動した先がアルカイズがいた場所だとも考えられる。


 待ち伏せするのは不可能に近い。衣装室はディアナの持つ鍵で開けたのだから。


 逆から移動出来たのかも不明。


 十がいる部屋を見つけない限りは、全てが憶測に過ぎなくなる。


「……分かりました。十の居場所に関しては、ディアナ様が魔法を使うのですか?」


「そうなりますね。命約が切れたとしても、私の魔力がある服を着た状態です。加護が破られたとしても、自身の魔力を辿る事は可能です。そこまで距離が離れていなければですが」


 十がディアナの加護がある上着を着ていた事もあり、ディアナの魔法で彼が亡くなった場所まで辿る事は出来るようだ。


 とはいえ、十が移動した場所が館内でなければ意味がない。命約同様、距離が離れていた場合は効果がなくなってしまう。


 ディアナは詠唱し、魔法を使用。周囲に何も変化は起きない。


「この館にいるようですね。しかも、そこまで離れていません。二階……私達のいる客室側……行ってみましょう。私は魔法に集中しているので、アルカイズの警戒はメアリに任せます」


 ディアナの探知の魔法は目を使用するらしく、メアリにアルカイズの警戒を任せた。


『忘れてないだろうな。最初にいなくなるのはディアナだ。前回も彼女が彼の捜索をしたのなら、ここが一番怪しくなるのではないか?』


「……かもしれません。ですが、今回は僕とメアリ様が共に行動してます。相手がいた場合、無闇に攻撃出来ないかと」


 十がいなくなった場合、ディアナは一人で行動したはず。そこを狙われたとするなら、今回は三人もいる。


 しかも、十を殺した相手がいたとして、それは魔法使いでなければならない。そうでなければ、争いは禁止されているからだ。


 ディアナに危険が及ぶ可能性は低いだろう。逆にカイトの身の方が危ないのではないだろうか。

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