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「服装に関して、触れても問題ありません。鏡と関係しているのならば、着替える必要が出てきます。その時が問題なだけです」


「承知しました」


 十はディアナの許可を得て、衣装を調べ始める。一番なのは、鏡の前にある衣装郡。そこにナイフ、刺突物が隠されていないか。


 誰かに刺されるのではなく、飛んでくる可能性もある。メアリとディアナが鏡の魔導具について説明したが、何が起こるかも分からない。念入りに調べた方がいいに決まっている。


『着替えるのが問題とはどういう事だ? ここにある衣装は似たような物ばかりだぞ』


「それは従者の服には主の加護があるからです。体を軽くする。痛みを和らげる。傷を受け難くする。服自体に加護があるので、着替えた場合は無防備の状態になります」


 従者の燕尾服には加護がある。主を守る立場なのだから、従者に対して、それぐらいの用意はしているのだろう。


「二つの鏡から数字の八に向かって矢印があるようです。鏡を使い、この数字に合わせろという事なんでしょう」


 壁に薄っすらと和と八の間に上の矢印が伸びていた。解答が八になるように仕向けなければならないようだ。


「どの衣装にも数字は描かれていません」


 十は魔法使いと従者の衣装をいくつか見比べたが、どちらも数字が描かれてはいないようだ。


「衣装の他にも靴や杖等があるのですが、数字を示すような物は無さそうです」


 カイトも鏡から離れ、衣装とは別に何があるのかを探してみた。本や日記等があれば、ヒントの一つでもありそうなものなのだが、それらしき物は見当たらない。


「この部屋になければ、別の場所に数字に関する何かがある事になりますね。それも衣装に関係しなければ」


「……従者の部屋にあった数字を試してみるのはどうでしょうか? アレは色も関係しているのだから、衣装と照らし合わせる事が出来るはずです。壱はベッドの色と数字を覚えていますか?」


 ベッドの色とその中に描かれた数字。それが衣装室の謎解きに使われるのかどうか。


 衣装に様々な色があるのも、従者の部屋にあった数字と色を合わせるためだとしたら、理解出来る。


「勿論です」


白=十 黒=一 青=四 赤=九 黄=八 緑=二 紫=七 茶=五とカイトは色と数字の説明をした。


「彼が言う色と数字に間違いありません」


 十もベッドを調べていたらしく、カイトの言葉に間違いではないと認め、ディアナにそう伝えた。


「黄色が八ですか。二人が黄色の衣装に身を包めば大丈夫……というわけでもないでしょうね。他にも文字は描かれています」


「意味もなく、このような文字が書かれる事はないと思います」


 八と矢印の下に和差差積和の文字。これが文章なのか、一文字ずつに意味があるのか。


 メアリとディアナはこの文字が何を意味するのか、分かってはいないようだ。

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