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三分割

「メアリの言う通り、これは魔導具ですね。鏡の魔導具には様々な使用があります。鏡の世界に物を隠す。別の鏡と繋がっていて、そこに移動出来る。鏡にいる自身との会話、分身を生み出す」


「ですね。謎解きを考えると、鏡の中に何か隠されているのだと思います。ただ……」


「鏡が二つあるという事は、両方がそれではないと考えてもいいのでしょうね」


 食堂でシャンデリアが下に降りてきた事により、鍵と地図を手に入れた。今回も鏡の謎を解けば、報酬が出てくると予想させる。


 ただし、鏡が二つある事から、一つは別の役割を果たしてもおかしくはない。


「もしくは、報酬とは別。十のような人形が出てくる事もあるのでしょうか」


 十以外の人形も持ち去られた状態。謎解きを終えた事で、食堂の時と同じように誰かの人形が出てくるのか。


「それはないでしょうね。この部屋の鍵は食堂に隠されていて、私の手にありました。鏡に隠すような時間はなかったはずです」


 人形が消えたのも、朝食が終えた後。十の人形を発見して、カイト以外の従者が見に行った時には確認されており、鍵はすでにディアナの手元にあった。


 勿論、予備の鍵があれば話は別であり、魔法による鍵の解除もそうだ。


 だが、謎解きをさせるにあたって、そんな野暮な事をするかどうかだ。


「鏡自体を先に調べましょう。条件が揃ってなければ、触れても問題ないはずです。片方は任せますよ」


 メアリとディアナはそれぞれ一つずつ鏡を調べる事に。当然、鏡に触れるのは従者のカイトと十だ。


『鏡にある二つの線は動かせる事が出来るようだな。パーツの位置取りを変更するにしても、意味があるのか?』


 鏡を上中下に分断する二つの線だが、鏡自体に刻まれているわけではなく、鏡の両側に糸が伸ばす道具があり、それが線の役目をしている。


 その道具は上下に移動可能みたいだが、鏡に映る相手の身長に合わせるだけにあるのだろうか。


「多分なのですが……鏡に映るのが魔法使いと従者との違いかもしれません。従者は魔法使いにとって重要な帽子やローブを身に着けられませんから」


 魔法使いと従者で服装を三分割の仕方は違う。


 魔法使いの服装であれば、帽子、ローブ、靴になるだろう。


 従者であるなら、上着とズボン、靴は同じ。


 そこに合わせて、線を移動させるのが重要になるのではないだろうか。


『なるほど……本来、この場所はディアナと十の二人で来ていたはず。謎解きが出来ていれば、二人で鏡を使用した事になるな。その結果……の可能性はある。もしくは、謎解きに失敗したペナルティか』


 魔法使いの中で最初の犠牲者はディアナ。その場合、従者の十の退場が先に行われる。


 タイミングとしては、この謎解きが関係してそうではある。


「鏡に触れても問題はなさそうです。この上下に動かせる線の装置は服装の位置を移動させるものだと思います」


「こちらも同じ。鏡以外、衣装にも触れても問題ありませんか」


 十も鏡を調べ終え、カイトと同じ感想を持ったようだ。この謎を解くためには鏡だけでなく、衣装にも触れるべきである。


 衣装に着替え、鏡の前に立つためには必要な事だ。


 メアリとディアナの二人は鏡に魔力を感じ取れると言ったが、服装に対しては一切言葉にしていない。


 それは魔力が宿ってない、魔導具ではない証拠ではないだろうか。

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