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二つの鏡

「開いたようです。……体に異常はありません」


 十が鍵を回すと、カチッと錠が開く音がした。ディアナが持つ鍵は衣装室で間違っておらず、そこは事件と同じ流れのままのようだ。


「それは良かった。最初の部屋で鍵が合ったのは運がいいようですね。ですが、扉を開ける時もそうですが、一歩踏み入れる時も注意するように」


「承知しました」


『鍵を開けれた事によって、安心されたところを……なんて事はよく見掛ける。あの態度からして、一度鍵を開けれる事を調べた上での行動ではなさそうだ』


 死神はディアナがこの部屋を一度調べた可能性を疑ったようだが、彼女の慎重さからして、それは無いと踏んだようだ。


「それでは……開けます」


 十が部屋の扉を開き、カイト達にも部屋の光景が確認出来た。


「衣装部屋……のようですね」


 先に十が部屋に足を踏み入れ、安全を確認した後、ディアナも中へ。それにメアリが続く形だ。


 衣装室なのはカイトが見る地図と同じ。それを変更する事は流石になさそうだ。


「……彼自身だけの衣装では無さそうです」


「そうですね。従者の服が置いているのもそうですし、色が多彩に揃えているのが」


「魔法使いは自身の色を決めていますからね。魔法使いとしての服装の色は均一でなければなりません。それを考えるならば、別の要因があるのでしょう」


 ディアナは青。メアリは黒など、魔法使いは自身の色を決めている。従者の服装もその色に染めているのも、誰が主であるかを一目で分かるようにするため。


 ゴールド=ゴールの色は零の燕尾服が灰色であったのならば、彼の色は灰色。


 魔法使いとして重要なマントや帽子の色が灰色だけでなく、様々な色が用意されているのはおかしいのだ。


 従者用の服も同じ。多数の色もそうだが、主と従者の服が同じ衣装室に置かれているのも不自然である。


「メアリ様。アレを見てください。謎解きをするための道具ではないでしょうか?」


 カイトと十は衣装に体が当たらないよう、気をつけながら、部屋の中を移動する。


 部屋の隅。そこにあったのは二つの大きな鏡。コーディネートした姿を確認するための物なのかもしれないのだが、それとは別の使用するのは明白。


 鏡の一つずつに二つの線が横に引かれ、上、真ん中、下と三箇所に分断されてた状態。


 更に鏡と鏡の間には文字が壁に書かれている。


 鏡よりも上にあるのが八。鏡の上中下である上から和差差積和だ。


「この鏡は……魔導具のようですね。今は普通に私達の姿が映ってますが、仕掛けを解けば、何かが起きるかと。この壁に書いている暗号が、それを解くヒントだと思います」

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