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衣装室

「当然です。その選択によって、十が死んだとして、それは私の責任です。貴女を咎める事はしません。今回、私の方から協力を求めたのですから、メアリから私に頼む事があれば、引き受けましょう」


「……その時はお願いします。でしたら、今回はディアナ様の指示で動きましょうか」


 メアリは協力する側として、ディアナの指示に従う事にしたようだ。といっても、やる事は同じだろう。鍵を使える部屋を見つけ、それを調べる。


 手をつけるのは従者の役割であり、カイトが加わる事で十と等分される。だが、協力する手前、先に調べるのはカイトにやらされそうなのだが。


「部屋を調べる事は同じでしょう。私達の部屋の方角、右側は置いときます。いくつかは物を移動させる際、物置として使用したそうですから」


 メアリとカイトがこの館に到着する前。ディアナ達魔法使い用の部屋にするため、従者達は零と共に片付けをした。


 その時に運んだ部屋が客室のどれかだったのだろう。


「……ディアナ様の鍵は何処の部屋なのか分かりますか?」


 カイトは頭の中で死神に尋ねた。基本、死神が主体で話し、カイトからの質問は受け付けないという決まりだったはずなのだが。


『ディアナが訪れる部屋でも、本来と同じなのか確認する事は出来るか』


 死神が創造した擬似的世界はメアリの記憶の本だけでなく、ディアナ、キス、アルカイズ、名前のある魔法使いから成っている。


 ディアナが死ぬ直前とまではいかないが、鍵を使用した部屋ぐらいは分かるはず。メアリが持つ鍵が書斎であると、死神は知っていたのだから。


 更に言えば、ディアナが訪れる部屋と言葉にしている。鍵を使用する前にディアナが死んでいない証拠だ。


『彼女が持つ部屋の鍵は衣装室。左側の一番奥。更に左に位置する部屋だ』


 カイトは一度下を向き、片目を閉じて地図を確認。死神の言う通り、左側の一番奥の部屋が衣装室と表示されている。表示されているという事は、ちゃんと部屋の中に入れたのだろう。


「左側……一番奥の部屋からにします。距離があり、移動する程に効果は消えやすいはずです。先に私が奥まで行くので、後ろを見ておいてください」


 ディアナはアルカイズを警戒して、調べるのを奥の部屋からにした。これも協力するからこそ、周囲を見る事に集中出来る。迂闊にアルカイズも動けないわけだ。


『……その部屋を一番に引くとはな。彼女達の記憶から作った擬似的世界。根本は変えられないか』


 カイトが参戦したところで、順序が違っても最後は元の筋道に戻ってくる可能性が窺えてしまう。


『何か大きな出来事を君が起こさないと無理かもしれないな』

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