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協力

「何故私なのでしょうか? アルカイズ様とは長い付き合いのはず。それにキス様の方が私よりも優秀ですよ。私とディアナ様が会ったのは一度はありますが、話す事はなかったかと」


 ディアナは有名人であり、メアリが一方的に知っているだけ。二人は一度会ってるようだが、メアリが見掛けただけに過ぎないようだ。


 そんな相手に協力を求めるものだろうか?


「そうですね。キスは好戦的であり、頭に血が登りやすい。協力するには不向きです。アルカイズの事は知っているからこそ、協力を求められません。彼が簡単に裏切る事は明白だからです。何度も経験していますから。勝負事なら尚更でしょう」


 アルカイズは今も気配を消し、状況を窺っている状態。ディアナが言ってる事に頷ける面はある。


「キス様が言っていましたが、アルカイズ様は気配を消す魔法を使ったようだと」


「彼の常套手段ですね。期間は一週間あるので、今は様子見をするつもりなのでしょう。特に十がどうなるか。人形を持ち去られた以上、それを気にするのは当然です」


 ディアナはアルカイズを知ってるからこそ、一番警戒する相手なのだろう。


 それはアルカイズも同じだとすれば、無闇に動かず、更に何処かに身を隠しているのかもしれない。


 魔導具の中には身を隠す能力の物もあるだろう。それが廊下の中にある道具の中にあってもおかしくはない。探知の魔法でそれを発見している可能性もある。


「メアリを選んだのは消去法ではなく、ゴールド=ゴールの予知を外させたからです。予知では、彼が来る事はなかった。それを連れてきたのは貴女。共に行動する事で、十のあの状態になるのを回避出来ればと思ったのです」


『それはメアリではなく、私なんだがな。メアリにすれば、カイトが無理矢理ついてきた形だ。予知を破ったのは自身ではなく、カイトと思うかもしれないか』


「私にそんな力はありません。予知が完璧じゃないだけかと。協力の申し出は良いですが、その結果が彼の死だとしても、責任は負えません。それでも構わないのであれば」


 メアリはディアナの協力の申し出を引き受けた。これはカイトがいなかった時とは違う展開に。


『ここで一言伝えておくぞ。魔法使いの中で最初に行方不明……いや、死ぬのはディアナだ。共に行動する事で危険は増すぞ。代わりにメアリが先に死ぬ可能性もある。そこは注意した方がいい』


「最初に死ぬのはディアナ様なんですか……分かりました」


 死神はメアリよりも先にディアナが死ぬ事を伝えた。それは十がそれよりも早く退場する。予知通りとなる展開となる。


 だが、メアリが二人の協力をする事によって、立場が変更してもおかしくない。ディアナと十が死ぬところが、メアリとカイトが犠牲になる。


 カイトが死ねば、この擬似的世界は消えてなくなる。


 死神はまだ楽しみたいために、ディアナの死をカイトに教えたのだろう。

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