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「予知の魔法が嘘だという事ですか?」


「その可能性が高いかと。ですが、どれが嘘なのかまでは判断出来ません。予知の魔法自体が嘘。逆に予知が不完全というのが嘘。他に私達を予知で選んだ事が嘘とも取れます。だからこそ、ディアナ様達に伝える事は無理なんです」


 零の言葉に嘘が含まれているが、どの部分かまではメアリも判断がつかない。


 ディアナ達三人は予知を信じてるようにも見えたからこそ、余計にメアリは言えないのだろう。


『一番は嘘として怪しいのは予知だな。だが、零……もしくは、館の主がそんな嘘をつく必要があるのか。それであれば、問題は増えるぞ。メアリ達が継承権争いに選ばれた理由もそうだが、十の人形の姿。あれが予知でないなら、故意で殺そうとしている事になる』


 食堂の謎解きで落ちてきた十の人形。あの姿は予知で視た先の姿。それを警戒させるためなら良かったが、違うのであれば、殺害予告として取る事も出来る。


 ゴールド=ゴールがそれをするとしたら、理由が全く見えない。メアリを含め、全員に共通するのは魔法使い以外に何かあるのか。


 魔法使い同士、従者同士の争いが禁じられていたとしても、館の主と零は該当しないのか。


『これも考えられる。予知魔法は完成されている。擬似的世界ながらも、君をねじ込んだわけだ。そうでなければ、予知は完璧だった。それが破られたのだから、零が動揺、不安に感じるのも無理はないな』


 メアリが視た零の動揺、不安の感情は完璧な予知の元での行動だったが、カイトの参戦により、違う動きを求められる可能性があるからとも取れる。予知が完成されてないのも咄嗟に出た嘘だったのかもしれないのだ。


「どれが嘘なのかは分かりませんが、彼女には注意した方がいいでしょう。館の主であるゴールド=ゴールの最後に選ばれた従者でもあるのですから」


 メアリはディアナやキス、アルカイズよりも零を、零に指示するゴールド=ゴールドを危険に感じているのかもしれない。


 毎度、メアリが零に対して感視を使えば、その分魔法を使用出来なくなる。謎解きに必要な時が来るかもしれず、カイトの魔力を吸収するのにも必要となる。


「カイトは調理場で零の手伝いをしたようですが、もう一度あれば、断っても……いえ、どちらでも構いません。そこはカイトに任せます。ですが、警戒は怠らないように」


 継承権の事で零が従者に協力を求めた場合、何かしらの情報を得られる可能性もある。だが、それによって、メアリが不利になる事もあるかもしれない。


 その判断をメアリはカイトに委ねたのは、彼が信用されている証拠だろう。


「分かりました。何か掴めば、メアリ様に伝えます。これからどうしますか? 従者の部屋を念入りに調べますか?」


「……そうですね。私もここは後にします。まずはこの鍵がどの部屋なのかを探しましょう。鍵が無くとも、魔法で開ける事も可能かもしれませんから」

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